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2章英雄と龍魔王
十年後
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アタマカラは十年という時間、全ての過去の記憶、全ての魔力、スキルを失った。
自分が何者であるかを思い出すことが出来ない。
そして、言い様の無い恐怖で、胸が苦しみ出し、崩れ落ち、気絶する。
やがて、冷たい雨でアタマカラは目を覚ました。
口の中にはじゃりじゃりとした石が入り、吐き出し、消えない頭痛に苛立ち覚え、起き上がる。
立ち上がると、目の前に一際は大きな巨木が立っていた。
分厚い芯の木、伸び盛りの緑の葉が何層に上まで積み上がっている。
激しい雨にも関わらず、緑の葉は落ちることなく、跳ね返している。
頂点には緑色の小さな鳥がキョロオ~と間抜けに鳴く。
ふと、見ると巨木に白い巨神の防具が立っていた。
美しい、強調した眩い白と澄み渡る青が合わさった白い防具。
一部が焼け焦げた青いマントが枝に引っかかって、雨に揺られている。
アタマカラはなぜだか、その防具が気になり、近寄って見る。
「やはり、綺麗だ」
アタマカラは既視感を覚えつつ、その白い防具を手に取り、装備した。
青空を見上げ、何か分からない悔しさ混じりの思いが込み上げる。
それは、泣き叫びたい程に、
「俺はなぜここに……いるんだ」
※
自分が何者であるかを思い出すことが出来ない。
そして、言い様の無い恐怖で、胸が苦しみ出し、崩れ落ち、気絶する。
やがて、冷たい雨でアタマカラは目を覚ました。
口の中にはじゃりじゃりとした石が入り、吐き出し、消えない頭痛に苛立ち覚え、起き上がる。
立ち上がると、目の前に一際は大きな巨木が立っていた。
分厚い芯の木、伸び盛りの緑の葉が何層に上まで積み上がっている。
激しい雨にも関わらず、緑の葉は落ちることなく、跳ね返している。
頂点には緑色の小さな鳥がキョロオ~と間抜けに鳴く。
ふと、見ると巨木に白い巨神の防具が立っていた。
美しい、強調した眩い白と澄み渡る青が合わさった白い防具。
一部が焼け焦げた青いマントが枝に引っかかって、雨に揺られている。
アタマカラはなぜだか、その防具が気になり、近寄って見る。
「やはり、綺麗だ」
アタマカラは既視感を覚えつつ、その白い防具を手に取り、装備した。
青空を見上げ、何か分からない悔しさ混じりの思いが込み上げる。
それは、泣き叫びたい程に、
「俺はなぜここに……いるんだ」
※
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