108 / 177
1章魔獣になりましょう
108話激怒悪魔鬼
しおりを挟む
暗黒世界墓地。
四鬼は椅子に座り、煮え立ぎる地獄の赤い海のある円卓で、殺伐とした雰囲気を醸し出していた。
いつものことだが、今回はより一層険悪化している。
その原因一つが、現ニ鬼であるカオナシの鬼団脱退、そのニ鬼に追従する形で後目が脱退したということだ。
鬼団のメンバーが脱退するということは重要な機密情報が他の共食いに知れ渡る可能性があるということ。
それが知れ渡れば、鬼団の崩壊、メンバーの全滅という最悪な事態に発展することがありえるのだ。
まして、現二鬼という、鬼団幹部となれば、最悪な事態はより現実味を帯びるだろう。
第二の原因は虫女が現三鬼閃光馬の命に背き、見知らぬ魔獣を逃がすことに幇助したことだ。
すなわち、三鬼の命令に背くことは鬼団に反旗を翻すことになり、その反旗は鬼団内部に影響を及ぼし、不満を募らせていた部下はそれを機に鬼団上層部へ暴動を起こす可能性がある。
以前にも、そういう暴動があったので、鬼団上層部はそういう面では神経を尖らせている 。
そして、現二鬼の報復のための捜索は既に鬼団ボスの部隊が続行中。
一方、虫女の捜索の件がこの場で今まさに話し合われていた。
闇の黒い闇から突き抜けるのは鬼団現一鬼。
ボス悪魔鬼《デモニオ》の姿態が露わになる。
一番に目を引くのは薄い肉と骨しか無いような巨大な手が二十本程背中から生えているのだ。
骨のような夥しい数の手から一斉に新たな骨の棒が創造され、尖った骨剣へと変貌を遂げる。
頭部は酷く曲がった二本角、飛び出した赤い両眼、高い鼻、吸血鬼のような歯をしている。
全体が赤い皮膚で覆われた裸体の凶悪な悪魔。
左右の両眼は同時の動くことはなく、何回も回したり、上を向いたり、下を向いたりと、まるで赤い目玉が生きているかのように不気味に動いてるのだ。
そのあまりの恐ろしさに、酒呑鬼と閃光馬は顔をひきつり、伏し目がちになり、後退る。
悪魔鬼は異常に首を捻り、舌を出して、凄みのある声で一喝。
それは、目を逸らすなという脅しだった。
「貴様らは今何を考えた!?」
「それは……」
「クッ……」
「酒鬼……なんだその顔は?」
「いや……」
四鬼は椅子に座り、煮え立ぎる地獄の赤い海のある円卓で、殺伐とした雰囲気を醸し出していた。
いつものことだが、今回はより一層険悪化している。
その原因一つが、現ニ鬼であるカオナシの鬼団脱退、そのニ鬼に追従する形で後目が脱退したということだ。
鬼団のメンバーが脱退するということは重要な機密情報が他の共食いに知れ渡る可能性があるということ。
それが知れ渡れば、鬼団の崩壊、メンバーの全滅という最悪な事態に発展することがありえるのだ。
まして、現二鬼という、鬼団幹部となれば、最悪な事態はより現実味を帯びるだろう。
第二の原因は虫女が現三鬼閃光馬の命に背き、見知らぬ魔獣を逃がすことに幇助したことだ。
すなわち、三鬼の命令に背くことは鬼団に反旗を翻すことになり、その反旗は鬼団内部に影響を及ぼし、不満を募らせていた部下はそれを機に鬼団上層部へ暴動を起こす可能性がある。
以前にも、そういう暴動があったので、鬼団上層部はそういう面では神経を尖らせている 。
そして、現二鬼の報復のための捜索は既に鬼団ボスの部隊が続行中。
一方、虫女の捜索の件がこの場で今まさに話し合われていた。
闇の黒い闇から突き抜けるのは鬼団現一鬼。
ボス悪魔鬼《デモニオ》の姿態が露わになる。
一番に目を引くのは薄い肉と骨しか無いような巨大な手が二十本程背中から生えているのだ。
骨のような夥しい数の手から一斉に新たな骨の棒が創造され、尖った骨剣へと変貌を遂げる。
頭部は酷く曲がった二本角、飛び出した赤い両眼、高い鼻、吸血鬼のような歯をしている。
全体が赤い皮膚で覆われた裸体の凶悪な悪魔。
左右の両眼は同時の動くことはなく、何回も回したり、上を向いたり、下を向いたりと、まるで赤い目玉が生きているかのように不気味に動いてるのだ。
そのあまりの恐ろしさに、酒呑鬼と閃光馬は顔をひきつり、伏し目がちになり、後退る。
悪魔鬼は異常に首を捻り、舌を出して、凄みのある声で一喝。
それは、目を逸らすなという脅しだった。
「貴様らは今何を考えた!?」
「それは……」
「クッ……」
「酒鬼……なんだその顔は?」
「いや……」
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます
tera
ファンタジー
※まだまだまだまだ更新継続中!
※書籍の詳細はteraのツイッターまで!@tera_father
※第1巻〜7巻まで好評発売中!コミックス1巻も発売中!
※書影など、公開中!
ある日、秋野冬至は異世界召喚に巻き込まれてしまった。
勇者召喚に巻き込まれた結果、チートの恩恵は無しだった。
スキルも何もない秋野冬至は一般人として生きていくことになる。
途方に暮れていた秋野冬至だが、手に持っていたアイテムの詳細が見えたり、インベントリが使えたりすることに気づく。
なんと、召喚前にやっていたゲームシステムをそっくりそのまま持っていたのだった。
その世界で秋野冬至にだけドロップアイテムとして誰かが倒した魔物の素材が拾え、お金も拾え、さらに秋野冬至だけが自由に装備を強化したり、錬金したり、ゲームのいいとこ取りみたいな事をできてしまう。
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません
詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m
ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦
*主人公視点完結致しました。
*他者視点準備中です。
*思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。
周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。
見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。
脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。
「マリーローズ?」
そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。
目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。
だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。
日本で私は社畜だった。
暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。
あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。
「ふざけんな___!!!」
と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる