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1章魔獣になりましょう

108話激怒悪魔鬼

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 暗黒世界墓地。
 四鬼は椅子に座り、煮え立ぎる地獄の赤い海のある円卓で、殺伐とした雰囲気を醸し出していた。
 いつものことだが、今回はより一層険悪化している。
 その原因一つが、現ニ鬼であるカオナシの鬼団脱退、そのニ鬼に追従する形で後目が脱退したということだ。
 鬼団のメンバーが脱退するということは重要な機密情報が他の共食いに知れ渡る可能性があるということ。
 それが知れ渡れば、鬼団の崩壊、メンバーの全滅という最悪な事態に発展することがありえるのだ。
 まして、現二鬼という、鬼団幹部となれば、最悪な事態はより現実味を帯びるだろう。
 第二の原因は虫女が現三鬼閃光馬の命に背き、見知らぬ魔獣を逃がすことに幇助したことだ。
 すなわち、三鬼の命令に背くことは鬼団に反旗を翻すことになり、その反旗は鬼団内部に影響を及ぼし、不満を募らせていた部下はそれを機に鬼団上層部へ暴動を起こす可能性がある。
 以前にも、そういう暴動があったので、鬼団上層部はそういう面では神経を尖らせている 。
 そして、現二鬼の報復のための捜索は既に鬼団ボスの部隊が続行中。
 一方、虫女の捜索の件がこの場で今まさに話し合われていた。
 闇の黒い闇から突き抜けるのは鬼団現一鬼。
 ボス悪魔鬼《デモニオ》の姿態が露わになる。
 一番に目を引くのは薄い肉と骨しか無いような巨大な手が二十本程背中から生えているのだ。
 骨のような夥しい数の手から一斉に新たな骨の棒が創造され、尖った骨剣へと変貌を遂げる。
 頭部は酷く曲がった二本角、飛び出した赤い両眼、高い鼻、吸血鬼のような歯をしている。
 全体が赤い皮膚で覆われた裸体の凶悪な悪魔。
 左右の両眼は同時の動くことはなく、何回も回したり、上を向いたり、下を向いたりと、まるで赤い目玉が生きているかのように不気味に動いてるのだ。
 そのあまりの恐ろしさに、酒呑鬼と閃光馬は顔をひきつり、伏し目がちになり、後退る。
 悪魔鬼は異常に首を捻り、舌を出して、凄みのある声で一喝。
 それは、目を逸らすなという脅しだった。

「貴様らは今何を考えた!?」
 
「それは……」

「クッ……」

「酒鬼……なんだその顔は?」

「いや……」
 
 
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