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1章魔獣になりましょう
43話恐怖
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生意気な鬼童子の顔とアタマカラの怒りの顔が初めて向き合う。
鬼童子の色白な額から数本の皺が入り、なぜだ思った表情から、油断したなと嗤いに変わる。
「キサマ……オイラに話しかけたな? どうなるか分かってんのか?」
「さあな……それは置いとくとして……カイザーに何かしただろ?」
「ア? 馬鹿言え! なぜオイラが!」
「お前が俺の頭に乗ってる時に悪の感情がした……特殊能力かなんかで皆を操ったろ? 何でだろうな」
鬼童子が驚愕と云った表情でガタガタと震える。
何故分かったと図星を当てられたような表情をする。
「キサマ……オイラがやったことが分かるのか!? 魔獣には見えないまだしも、感知など絶対に出来ない……キサマ……」
「そんなことはどうでもいい……今すぐ降りて……皆を解放しろ」
すると、鬼童子が自らの能力で瞬間移動したのかアタマカラの目の前に立ち、不気味な表情で嗤い、両手を叩いた。
「正解! カイザーが生意気にオイラを邪険にしたからさ……少し意地悪したんだ」
「あの蜘蛛も……カイザーの部下も殺したのお前だろ?」
「へぇ……そこまで分かってたんだ……凄いね……貴様。オイラは罪悪《クライム》と呼ばれるスキルを使った。その者の記憶に悪や憎しみの感情があれば、その罪の意識でその者の精神を崩壊させ、殺すことも、感情を失わせて操ることもできる。神ランク級のスキルだよ……どうビビったかクソ雲?」
「言葉遣いには気おつけた方がいいぞ……子供だからって容赦しない……目一杯説教してやる」
「生意気ナ……死ねッッッッ!!」
「……何だ?」
「アレ……効かないだと……これならどうだ! 死ねッッッッ!!」
「何ともないが?」
「貴様ァァァァァ」
威勢の良い言葉と挑戦的な態度をする鬼童子だが、内心はアタマカラの存在に脅威を感じた。
異常事態《イレギュラー》だった。
さっきからあれこれ物質干渉能力で精神を崩壊させようと試みてるけど脳内が怠惰で全て埋まっている。悪の感情が一つも無い。
いや、あるのはあるのだが、怠惰が多すぎて、悪の感情を打ち消しているのだ。
だが、精神を干渉するだけでなく、肉体すらも干渉出来る。
つまり、戦闘で殺せばいい話だと、右手を向け、アタマカラの身体を宙に上げ、叩き落とす。
しかし、アタマカラは瞬時に霧散して消える。苛立ち混じりに、消えた先へ手を向け、何度も何度も物質干渉能力を使用するが、秒速で消え去るためになかなか成功させることが出来ない。
「チッチッ……ナカナカヤルナ」
「どうした? 終わりか?」
とはいえ、この物質干渉が遅いとはいえず、アタマカラの消えるスピードが極度に速いと言える。
見る見るうちに鬼童子は息切れをし、体力が減ってきて、苦痛の表情をし、倒れた。
その瞬間、アタマカラが鬼童子の前に立つ。
鬼童子は殺されると覚悟し、手を向けるが、その力は当に尽き倒れた。
鬼童子の色白な額から数本の皺が入り、なぜだ思った表情から、油断したなと嗤いに変わる。
「キサマ……オイラに話しかけたな? どうなるか分かってんのか?」
「さあな……それは置いとくとして……カイザーに何かしただろ?」
「ア? 馬鹿言え! なぜオイラが!」
「お前が俺の頭に乗ってる時に悪の感情がした……特殊能力かなんかで皆を操ったろ? 何でだろうな」
鬼童子が驚愕と云った表情でガタガタと震える。
何故分かったと図星を当てられたような表情をする。
「キサマ……オイラがやったことが分かるのか!? 魔獣には見えないまだしも、感知など絶対に出来ない……キサマ……」
「そんなことはどうでもいい……今すぐ降りて……皆を解放しろ」
すると、鬼童子が自らの能力で瞬間移動したのかアタマカラの目の前に立ち、不気味な表情で嗤い、両手を叩いた。
「正解! カイザーが生意気にオイラを邪険にしたからさ……少し意地悪したんだ」
「あの蜘蛛も……カイザーの部下も殺したのお前だろ?」
「へぇ……そこまで分かってたんだ……凄いね……貴様。オイラは罪悪《クライム》と呼ばれるスキルを使った。その者の記憶に悪や憎しみの感情があれば、その罪の意識でその者の精神を崩壊させ、殺すことも、感情を失わせて操ることもできる。神ランク級のスキルだよ……どうビビったかクソ雲?」
「言葉遣いには気おつけた方がいいぞ……子供だからって容赦しない……目一杯説教してやる」
「生意気ナ……死ねッッッッ!!」
「……何だ?」
「アレ……効かないだと……これならどうだ! 死ねッッッッ!!」
「何ともないが?」
「貴様ァァァァァ」
威勢の良い言葉と挑戦的な態度をする鬼童子だが、内心はアタマカラの存在に脅威を感じた。
異常事態《イレギュラー》だった。
さっきからあれこれ物質干渉能力で精神を崩壊させようと試みてるけど脳内が怠惰で全て埋まっている。悪の感情が一つも無い。
いや、あるのはあるのだが、怠惰が多すぎて、悪の感情を打ち消しているのだ。
だが、精神を干渉するだけでなく、肉体すらも干渉出来る。
つまり、戦闘で殺せばいい話だと、右手を向け、アタマカラの身体を宙に上げ、叩き落とす。
しかし、アタマカラは瞬時に霧散して消える。苛立ち混じりに、消えた先へ手を向け、何度も何度も物質干渉能力を使用するが、秒速で消え去るためになかなか成功させることが出来ない。
「チッチッ……ナカナカヤルナ」
「どうした? 終わりか?」
とはいえ、この物質干渉が遅いとはいえず、アタマカラの消えるスピードが極度に速いと言える。
見る見るうちに鬼童子は息切れをし、体力が減ってきて、苦痛の表情をし、倒れた。
その瞬間、アタマカラが鬼童子の前に立つ。
鬼童子は殺されると覚悟し、手を向けるが、その力は当に尽き倒れた。
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