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1章魔獣になりましょう

13話からかい

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 そんな不安を口にするアタマカラは目の前にいる闘牛のミノルを見つめる。
 戦場をくぐり抜けてきたことを物語る左目の刀傷が不気味に笑い、加えて今に襲いかかってきそうに歯軋りをさせている。
 まさにIT会社に就職して、パワハラしてきた上司にそっくりだ。

【闘牛《ミノタウロス》】
 level150。 ダンジョンの暴れん坊と異名で知られ、目を付けられたら、厄介。攻撃力は抜群で、怒りとともに上昇する。
 中位種。

「おいお前あんまり調子乗るなよコラァ」

「は……すいません」

「うちらはな上下関係が厳しい……生意気な奴はとんでもない目に合わせるからなぁ? 覚えとけ新人」
 
「はい」
 
 そんな風に叱責を受けていると、弱い者には群がって痛めつけるという習性なのか、緑色をした中鬼が企みのある笑みでこちらによってきた。
 おまけに何やらぺちゃくちゃと口に含んでいる、態度は最悪。

【中鬼《オーガ》】
 level90。中位種。一本角が特徴的。攻撃力、敏捷のバランスが良いが、知能が低くく、本領を発揮出来ないことが多い。しかも、ゴブリンと同じく粘着質タイプ。

「ミノル先輩……何すかその雲野郎」

「いや、あの閻魔に押し付けられたんだよ……ったくよ……だりいくてぇ……」

「それは大変っすね……それにしてもこいつ弱そうっすね」

「しかもちょっと生意気な新人なんだよ。この俺様を化け物って呼びやがった」

「本当っすか? おい? てめぇミノル先輩にそんな態度取っていいと思ってんのか?」

「いやぁ……俺何もしてないんですけど……ちょっと暴力は」

「ミノル先輩は何千人の冒険者を殺してきたと思ってんだ……殺し屋の異名を持ってんだぞ? ちょっとばかし腕があるからってミノル先輩に喧嘩を売るなんていい度胸だな」

「まあまあ中鬼……で、新人どうするよ?」

「いや、さっきは化け物と言ってすいません」

「活きってんじゃねぞ!」

「もう謝ったからいいじゃないですか?」
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