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2章ダンジョンへ向かおう
怨恨1
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ヘルニア王国のヘルニア会館へと入った。
どうやらカバーニはある一頭の暴牛《バッファロー》を使い魔として飼う事になった。
暴牛は大きいため街中は通りずらい、よって魔法で小さくした。
曲がった角の生えた小さな牛はカバーニの横にちょこんと乗っかっている。
どうやら目を瞑って寝ているようだ。
頻りにカバーニは暴牛を撫でながら、満面の笑みだ。
「いや、可愛いなジョージ」
「グルゥ!! グルゥ!! グルゥ!!」
どうやら名前はジョージらしい。
というかお前の苗字と一緒だぞ。
ヘルニア会館にはいつものように酒を飲む者や受付で何やら手続きを行っている者が多くいる。
周りの視線はカバーニとジョージに注がれて、クスクスと笑われる。
暴牛を使い魔としている魔戦操縦士《ゴットハンター》はいない。
それもそのはず使い魔として暴牛は卑しい、扱いにくい、攻撃が突進しかない、馬鹿、無駄に魔力を吸い取られると汚名の数々が色々とある。
汚名というか、ほんとんどが事実であろう。
だから、皆暴牛を嫌うのだ。
まあとにかく、カバー二がジョージと満面の笑みでじゃれ合っているのだから周りがとやかく言う権利はないだろう。
すると、向こうからウルフの男とサングラスを掛けたヒューマンの不良な二人組がカバーニに近づき、ニヤニヤと嘲笑する。
「おいおいそんな家畜を使い魔にしてんのかよ!! ハハハハハハハ」
「チョーうけるぜぇ……キャハハハハハハ」
額に皺を寄せるカバーニ。
「なんやと」
「おぉ? 威勢の良いガキだな?」
「キャハハハハハハ」
胸ぐらを掴み合うウルフの男とカバーニ。
睨み合う。白髪と茶髪。
つり目とつり目。ウルフと犬。
ウルフの男は右手からナイフを取り出す。
「あんまり調子に乗るなよガキ?」
「とことん喧嘩してやる」
カバーニは拳を上げる。
マシュが手を腰に当て言い放つ。
「騎士団がうじゃうじゃいる会館で騒ぎ起こしたらどうなるか分かっているの?」
「知るか!! ワイのジョージが馬鹿にされたんや!! 黙ってる訳にはいかんわ」
そして、マシュが溜め息をつき、俺に向き直る。
「アルも黙って見てないで何とか言いなさいよ」
「正直言って俺はあういう輩は嫌いなんだ……」
「アル!!」
「分かってるよ……止めないとな」
だんだん周りも騒ぎに気づいたのか野次馬がこちらに視線が釘付けだ。
すると、そこへ「止めなさい!!」と厳しい声がする。
鎧を纏った騎士六人がいた。胸には馬に乗った騎士のエンブレムが掘ってある。
どうやら、ヘルニア王国の騎士だろう。
カバーニとウルフの男は部下騎士らに抑えられた。
暴れる二人。
「何するんや」
「おいおい……このガキがやってきたんだ」
「ヘルニア会館での暴力、武器、魔術使用行為は禁止だ……よってお前らを逮捕する」
「なんやと」
俺はすぐさま駆けつける。
「待ってください!! 少しやり過ぎではないですか?」
無表情のリーダー騎士。
「規則は規則だ……」
「そんな」
どうやらカバーニはある一頭の暴牛《バッファロー》を使い魔として飼う事になった。
暴牛は大きいため街中は通りずらい、よって魔法で小さくした。
曲がった角の生えた小さな牛はカバーニの横にちょこんと乗っかっている。
どうやら目を瞑って寝ているようだ。
頻りにカバーニは暴牛を撫でながら、満面の笑みだ。
「いや、可愛いなジョージ」
「グルゥ!! グルゥ!! グルゥ!!」
どうやら名前はジョージらしい。
というかお前の苗字と一緒だぞ。
ヘルニア会館にはいつものように酒を飲む者や受付で何やら手続きを行っている者が多くいる。
周りの視線はカバーニとジョージに注がれて、クスクスと笑われる。
暴牛を使い魔としている魔戦操縦士《ゴットハンター》はいない。
それもそのはず使い魔として暴牛は卑しい、扱いにくい、攻撃が突進しかない、馬鹿、無駄に魔力を吸い取られると汚名の数々が色々とある。
汚名というか、ほんとんどが事実であろう。
だから、皆暴牛を嫌うのだ。
まあとにかく、カバー二がジョージと満面の笑みでじゃれ合っているのだから周りがとやかく言う権利はないだろう。
すると、向こうからウルフの男とサングラスを掛けたヒューマンの不良な二人組がカバーニに近づき、ニヤニヤと嘲笑する。
「おいおいそんな家畜を使い魔にしてんのかよ!! ハハハハハハハ」
「チョーうけるぜぇ……キャハハハハハハ」
額に皺を寄せるカバーニ。
「なんやと」
「おぉ? 威勢の良いガキだな?」
「キャハハハハハハ」
胸ぐらを掴み合うウルフの男とカバーニ。
睨み合う。白髪と茶髪。
つり目とつり目。ウルフと犬。
ウルフの男は右手からナイフを取り出す。
「あんまり調子に乗るなよガキ?」
「とことん喧嘩してやる」
カバーニは拳を上げる。
マシュが手を腰に当て言い放つ。
「騎士団がうじゃうじゃいる会館で騒ぎ起こしたらどうなるか分かっているの?」
「知るか!! ワイのジョージが馬鹿にされたんや!! 黙ってる訳にはいかんわ」
そして、マシュが溜め息をつき、俺に向き直る。
「アルも黙って見てないで何とか言いなさいよ」
「正直言って俺はあういう輩は嫌いなんだ……」
「アル!!」
「分かってるよ……止めないとな」
だんだん周りも騒ぎに気づいたのか野次馬がこちらに視線が釘付けだ。
すると、そこへ「止めなさい!!」と厳しい声がする。
鎧を纏った騎士六人がいた。胸には馬に乗った騎士のエンブレムが掘ってある。
どうやら、ヘルニア王国の騎士だろう。
カバーニとウルフの男は部下騎士らに抑えられた。
暴れる二人。
「何するんや」
「おいおい……このガキがやってきたんだ」
「ヘルニア会館での暴力、武器、魔術使用行為は禁止だ……よってお前らを逮捕する」
「なんやと」
俺はすぐさま駆けつける。
「待ってください!! 少しやり過ぎではないですか?」
無表情のリーダー騎士。
「規則は規則だ……」
「そんな」
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※この小説は国家資格である『毒物劇物取扱責任者』を覚える為に考えた話なので、日本の法律や規約を世界観に採用していたりします。
参考文献
松井奈美子 一発合格! 毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集
船山信次 史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり
齋藤勝裕 毒の科学 身近にある毒から人間がつくりだした化学物質まで
鈴木勉 毒と薬 (大人のための図鑑)
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