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2章ダンジョンへ向かおう
2話ダンジョン2
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頬に人差し指を当て、首を傾げるリオラ。
マシュがこちらに寄って来て怒りの態度を示す。
「どの依頼にするか選ぶからアルも来なさいよ!!」
「いや、だからお前らとは……」
腕を強く引っ張り出すリオラ。
「アル君も一緒に行かないと駄目っ!!」
「え……いや……だから一人で」
そして、マシュは頼む側なのに強硬な態度は変わらない。
「私達を見捨てる気なの? 友達が死んでも言い訳?」
「はぁ……さらに嫌な女にバージョンアップしたなマシュ」
「見捨てたら一生アルを恨むわ」
「分かったよ」
「let's go!!」
そして、俺は上機嫌なリオラに腕を引っ張られながら受付へ。
カバーニが舌打ち混じりに俺を責め立てる。
「遅いやんかアル! 早くダンジョンに行かないといけないのによ」
何を急いでいるんだこの男。
対してアイリスはダンジョンに緊張しているのかもじもじとしている。
俺はカバーニに問い掛ける。
「で、クエストはどれにするんだ?」
受付の巨大掲示板に出された貼り紙に目線を送ると、カバーニは一枚の貼り紙を手に取り、満足げに俺を見る。
「もうワイが決めたんや……行くで!!」
カバーニは奥にある出口へ走り去っていった。
「勝手に決めやがって……」
マシュが呼び掛ける。
「じゃ行きしょう……」
「マシュは説明聞いたのか?」
「アルがいるから大丈夫よ……」
「そうだよねっ」
「そうですね」
「俺頼りにしても困るんだが……」
出口へたどり着いた。
騎士が二人立っている。
普通はここから、馬車や魔戦、歩きなどで移動し、また魔法陣を描く事でワープする事が可能。
ただ行った国や出身地、休憩所のみ、またダンジョン地域にはワープできない。
騎士が。
「新人のゴッドハンターでしょうか?」
「そうや」
「今回は10階層、20階層、30階層の休憩所跡にワープする事が可能ですが?」
カバーニは意気揚々と騎士に告げる。
「30階層行くんや!」
俺達は一斉に驚愕の表情でカバーニを見た。
リオラは目を丸くし驚きの表情。
「え? カバーニ!!」
「待って! 私達レベル1だよっ」
俺達の言葉を無視し騎士が魔法陣を描き、描き終わると入るように促す騎士。
制止を振り切りカバーニは魔法陣に入りワープした。
アイリスが難しい表情をする。
「あの……30階層ってどのくらいの難易度ですか?」
「まずレベル1の魔戦操縦士《ゴットハンター》が行くところじゃない……まだ早すぎる……」
俺は冷静に現実を告げた。
するとマシュが腕を組ながら冷静に頷くも、謎の安堵を漏らす。
「行きましょ」
「マシュ! レベルは分かってんのか?」
「30階層って下層じゃない大丈夫よ」
「死んでも知らねーからな」
「いざとなったらあなたに助けてもらうわ」
アイリスやリオラはマシュの意見に同調の合図をする。
俺は溜息をつき、「誰が助けるかよ」
そして、30階層へと向かった。
*
瞼《まぶた》を開けるとそこは暗い闇の中に松明《たいまつ》の光があるのみだった。
微かに水の滴り落ちる音が反響する。
下はぴちゃぴちゃと水溜まりがある。
周りを見ると岩だらけ、高い岩の天井。
どうやら洞窟のようだ。
光魔界洞窟《ヒカリカイマノドウクツ》。
俺は困惑する。
「ここどうみてもダンジョンだよな」
マシュがこちらに寄って来て怒りの態度を示す。
「どの依頼にするか選ぶからアルも来なさいよ!!」
「いや、だからお前らとは……」
腕を強く引っ張り出すリオラ。
「アル君も一緒に行かないと駄目っ!!」
「え……いや……だから一人で」
そして、マシュは頼む側なのに強硬な態度は変わらない。
「私達を見捨てる気なの? 友達が死んでも言い訳?」
「はぁ……さらに嫌な女にバージョンアップしたなマシュ」
「見捨てたら一生アルを恨むわ」
「分かったよ」
「let's go!!」
そして、俺は上機嫌なリオラに腕を引っ張られながら受付へ。
カバーニが舌打ち混じりに俺を責め立てる。
「遅いやんかアル! 早くダンジョンに行かないといけないのによ」
何を急いでいるんだこの男。
対してアイリスはダンジョンに緊張しているのかもじもじとしている。
俺はカバーニに問い掛ける。
「で、クエストはどれにするんだ?」
受付の巨大掲示板に出された貼り紙に目線を送ると、カバーニは一枚の貼り紙を手に取り、満足げに俺を見る。
「もうワイが決めたんや……行くで!!」
カバーニは奥にある出口へ走り去っていった。
「勝手に決めやがって……」
マシュが呼び掛ける。
「じゃ行きしょう……」
「マシュは説明聞いたのか?」
「アルがいるから大丈夫よ……」
「そうだよねっ」
「そうですね」
「俺頼りにしても困るんだが……」
出口へたどり着いた。
騎士が二人立っている。
普通はここから、馬車や魔戦、歩きなどで移動し、また魔法陣を描く事でワープする事が可能。
ただ行った国や出身地、休憩所のみ、またダンジョン地域にはワープできない。
騎士が。
「新人のゴッドハンターでしょうか?」
「そうや」
「今回は10階層、20階層、30階層の休憩所跡にワープする事が可能ですが?」
カバーニは意気揚々と騎士に告げる。
「30階層行くんや!」
俺達は一斉に驚愕の表情でカバーニを見た。
リオラは目を丸くし驚きの表情。
「え? カバーニ!!」
「待って! 私達レベル1だよっ」
俺達の言葉を無視し騎士が魔法陣を描き、描き終わると入るように促す騎士。
制止を振り切りカバーニは魔法陣に入りワープした。
アイリスが難しい表情をする。
「あの……30階層ってどのくらいの難易度ですか?」
「まずレベル1の魔戦操縦士《ゴットハンター》が行くところじゃない……まだ早すぎる……」
俺は冷静に現実を告げた。
するとマシュが腕を組ながら冷静に頷くも、謎の安堵を漏らす。
「行きましょ」
「マシュ! レベルは分かってんのか?」
「30階層って下層じゃない大丈夫よ」
「死んでも知らねーからな」
「いざとなったらあなたに助けてもらうわ」
アイリスやリオラはマシュの意見に同調の合図をする。
俺は溜息をつき、「誰が助けるかよ」
そして、30階層へと向かった。
*
瞼《まぶた》を開けるとそこは暗い闇の中に松明《たいまつ》の光があるのみだった。
微かに水の滴り落ちる音が反響する。
下はぴちゃぴちゃと水溜まりがある。
周りを見ると岩だらけ、高い岩の天井。
どうやら洞窟のようだ。
光魔界洞窟《ヒカリカイマノドウクツ》。
俺は困惑する。
「ここどうみてもダンジョンだよな」
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※この小説は国家資格である『毒物劇物取扱責任者』を覚える為に考えた話なので、日本の法律や規約を世界観に採用していたりします。
参考文献
松井奈美子 一発合格! 毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集
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