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1章魔戦操縦士学院
44話異世界神発見
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生徒は先生方が待機する本部でパーティ登録していた。
一方、俺は広大な森の緑地風を浴び、それから広大な森の中へ入って行った。
アマゾン川の奥地にあるジャングル。
進んでも進んでも緑の草木が進行を妨げる。
突然鳥や虫の奇怪な声がする。その声にビクッとする一同。
異世界の森の中に迷ったかのように終始キョロキョロと視線を周りに向け、怯える。
カバーニは草木を振り払うのに苛立ちを覚えているのか、猛犬のような顔で舌打ちを撒き散らしていた。
「っ……ああ……っっ……くそっ……っっ」
カバーニの舌打ちの音が耳障りだったので注意する。
「舌打ちを止めろ」
「しょうがねぇだろうが」
「周りに当たるな」
そして、カバーニは前へと進む。
ロンは坊主頭の汗をタオルで吹いて、息を切らせる。
「地図なんて全然役に立ちませんな」
「あれから一時間ぐらい歩いているが、建物や目印になる物なんて全くないからな……だからどこを歩いてるか分からない」
「これはもう遭難しているとしか言いようがありませんね」
一番後方にいるマシュが額が汗を拭いながら、不満顔。
「ここで死亡なんて……絶対嫌だわ……どうにかしなさいよ」
「どうにかできないから困ってるんだよ。だったらお前も考えろ!」
「お前って言わないで!」
「……」
普段は陽気なリオラもあんなにぐったりしているし、アイリスはずっと怯えてるしさ。
どうにかしないと危険だ。
なんか休憩所みたいな場所ないのか。
すると、スペースのある場所が見つかる。
とにかくここにキャンプ用具を置こう。
それぞれ手にしていたキャンプ用具を置く。
一息ついていた所にザザザザと林がざわめき立つ。
周囲を怪訝な様子で見渡す一同。
皆の視線は同じ場所に留まり、巨大な手でいくつかの木が踏み潰される。
ギギギギギと木が潰される音が大きくなり、黒手から伸びる鋭い爪は乱暴に森林を荒らしていく。
無造作に。乱雑に。倒木が辺りに横たわる。
怪物は姿を現し、周りにある大木は一瞬で圧縮されたかのように粉々になる。かなりの重量が伺える。
黒狼。巨大な赤瞳。大きな体躯。四足歩行で犬のように歩く。
【異世界神《イセカイジン》】
人類の天敵。災厄。魔獣。誰が生み出したのか、どこから発生したのかは未だに分からない。
その狼の名を【漆黒狼《グロウルフ》】
レベル100。
一歩一歩と進む度に木が粉砕される音と地響きが鳴り響く。
皆、目を開けたまま、手脚が震え動くことができない、完全に身体が停止する。
恐ろしい顔と発生される魔力が襲ってくる。
前にいたロンが地面に腰を抜かし、ガタガタと歯を震わせ、今までにない恐怖の表情。
カバーニも目を細め、怪物に威嚇をしているも、手は震えている。
無理もない。
何度か異世界神と相対した俺でさえ震えているのだから。
案の定リオラ、アイリスは両手を覆い隠し、固まっている。
マシュは目を細め、語気が強くし、俺に問い掛ける。
「どうするの?」
「……」
俺は考える。だが考えてる暇はなかった。
グロウルフは獲物を見つけたとばかりに、赤い双眸を光らせ、ダッダッダッとこちらへ駆けて来る。
「ガルルルルルルル!!!! ゲェゲエゲェゲエ」
奇怪な鳴き声を発していく。
恐ろしい黒い顔と赤眼が凄まじいスピードで突進してくる。
俺は皆に大きな声で叫ぶ。
「逃げろ!!」
皆は石化が解かれたのように、一目散に逃げ出す。
俺はその場から動かずに、漆黒狼と対する。
マシュが目を開き強い口調で叫ぶ。
「アルも逃げなさいよ!!」
「ここで止めなければ、お前らがやられる。グロウルフの特性は獲物への絶対的な執着心が凄まじい……逃げられない」
「でも」
「行け!」
頷き、後ろ髪に引かれるような思いでマシュは逃げ出していく。
やっと俺とお前だけになれたな。
俺は笑みを浮かべる。
力の制限しなくて済む。
俺は魔戦を巨大サイズに具現化し、鎧を纏う。
姿を現す銀翼剣銃神《シルバ》。別名、銀翼《シルバディウス》。
大空を羽ばたく白銀の龍。
漆黒狼は目の前にいる異形に臆すること無く、荒い息を鳴らしながら口を大きく開き、噛みつこうとする。
涎《よだれ》が垂れる鋭い歯、血色の肉片が視界を覆う。
シルバディウスは即時に左手を直剣装備に形態変化させた。
衝突。
分厚い刀身と鋭利な牙が激突。
「ギギギギギギギ!!!!」と耳障りな音が響く。
獰猛な漆黒狼はギラギラとした赤双眸で見る。
気味悪く眼球を上下右左動かしながら。
臆すことなく、頑なに一歩たりとも下がろうとはしない。
獲物は逃さないと言っているかのように。
一方、俺は広大な森の緑地風を浴び、それから広大な森の中へ入って行った。
アマゾン川の奥地にあるジャングル。
進んでも進んでも緑の草木が進行を妨げる。
突然鳥や虫の奇怪な声がする。その声にビクッとする一同。
異世界の森の中に迷ったかのように終始キョロキョロと視線を周りに向け、怯える。
カバーニは草木を振り払うのに苛立ちを覚えているのか、猛犬のような顔で舌打ちを撒き散らしていた。
「っ……ああ……っっ……くそっ……っっ」
カバーニの舌打ちの音が耳障りだったので注意する。
「舌打ちを止めろ」
「しょうがねぇだろうが」
「周りに当たるな」
そして、カバーニは前へと進む。
ロンは坊主頭の汗をタオルで吹いて、息を切らせる。
「地図なんて全然役に立ちませんな」
「あれから一時間ぐらい歩いているが、建物や目印になる物なんて全くないからな……だからどこを歩いてるか分からない」
「これはもう遭難しているとしか言いようがありませんね」
一番後方にいるマシュが額が汗を拭いながら、不満顔。
「ここで死亡なんて……絶対嫌だわ……どうにかしなさいよ」
「どうにかできないから困ってるんだよ。だったらお前も考えろ!」
「お前って言わないで!」
「……」
普段は陽気なリオラもあんなにぐったりしているし、アイリスはずっと怯えてるしさ。
どうにかしないと危険だ。
なんか休憩所みたいな場所ないのか。
すると、スペースのある場所が見つかる。
とにかくここにキャンプ用具を置こう。
それぞれ手にしていたキャンプ用具を置く。
一息ついていた所にザザザザと林がざわめき立つ。
周囲を怪訝な様子で見渡す一同。
皆の視線は同じ場所に留まり、巨大な手でいくつかの木が踏み潰される。
ギギギギギと木が潰される音が大きくなり、黒手から伸びる鋭い爪は乱暴に森林を荒らしていく。
無造作に。乱雑に。倒木が辺りに横たわる。
怪物は姿を現し、周りにある大木は一瞬で圧縮されたかのように粉々になる。かなりの重量が伺える。
黒狼。巨大な赤瞳。大きな体躯。四足歩行で犬のように歩く。
【異世界神《イセカイジン》】
人類の天敵。災厄。魔獣。誰が生み出したのか、どこから発生したのかは未だに分からない。
その狼の名を【漆黒狼《グロウルフ》】
レベル100。
一歩一歩と進む度に木が粉砕される音と地響きが鳴り響く。
皆、目を開けたまま、手脚が震え動くことができない、完全に身体が停止する。
恐ろしい顔と発生される魔力が襲ってくる。
前にいたロンが地面に腰を抜かし、ガタガタと歯を震わせ、今までにない恐怖の表情。
カバーニも目を細め、怪物に威嚇をしているも、手は震えている。
無理もない。
何度か異世界神と相対した俺でさえ震えているのだから。
案の定リオラ、アイリスは両手を覆い隠し、固まっている。
マシュは目を細め、語気が強くし、俺に問い掛ける。
「どうするの?」
「……」
俺は考える。だが考えてる暇はなかった。
グロウルフは獲物を見つけたとばかりに、赤い双眸を光らせ、ダッダッダッとこちらへ駆けて来る。
「ガルルルルルルル!!!! ゲェゲエゲェゲエ」
奇怪な鳴き声を発していく。
恐ろしい黒い顔と赤眼が凄まじいスピードで突進してくる。
俺は皆に大きな声で叫ぶ。
「逃げろ!!」
皆は石化が解かれたのように、一目散に逃げ出す。
俺はその場から動かずに、漆黒狼と対する。
マシュが目を開き強い口調で叫ぶ。
「アルも逃げなさいよ!!」
「ここで止めなければ、お前らがやられる。グロウルフの特性は獲物への絶対的な執着心が凄まじい……逃げられない」
「でも」
「行け!」
頷き、後ろ髪に引かれるような思いでマシュは逃げ出していく。
やっと俺とお前だけになれたな。
俺は笑みを浮かべる。
力の制限しなくて済む。
俺は魔戦を巨大サイズに具現化し、鎧を纏う。
姿を現す銀翼剣銃神《シルバ》。別名、銀翼《シルバディウス》。
大空を羽ばたく白銀の龍。
漆黒狼は目の前にいる異形に臆すること無く、荒い息を鳴らしながら口を大きく開き、噛みつこうとする。
涎《よだれ》が垂れる鋭い歯、血色の肉片が視界を覆う。
シルバディウスは即時に左手を直剣装備に形態変化させた。
衝突。
分厚い刀身と鋭利な牙が激突。
「ギギギギギギギ!!!!」と耳障りな音が響く。
獰猛な漆黒狼はギラギラとした赤双眸で見る。
気味悪く眼球を上下右左動かしながら。
臆すことなく、頑なに一歩たりとも下がろうとはしない。
獲物は逃さないと言っているかのように。
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