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3章最悪な旅行
2章6話殺人事件
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ドンドンドンドンと何度も。
私とレイカは一気に目が覚め、レイカは恐怖で震え、涙を滲ませ、私の懐に飛び込んだ。
「嫌……何……」
「大丈夫よ」
私は唇や手が震えるも、頭は意外に冷静だった。
扉の外にいるのはきっとスルガだろう。
私達の正面にはスルガの寝室があり、一番ここから近い部屋だからだ。
私は念のためにレイカを、クローゼットに隠れさせ、玄関の方へ恐る恐る向かう。
まだ、ドンドンと扉を異常な程に叩いている。
私は震えた、裏返った声を発した。
「はーい。どなたですか?」
「……ドンドンドンドン」
何なの……。
私は玄関前にあった花瓶を片手に、ドアのロックを解除した。
そして、そこに待っていたのは陰気な黒髪の男だった。
「あぁぁ!!」
私はてっきりスルガがだと思っていたのが別人の男に驚いて、床に尻を付いた。
その男は片手にゴルフのドライバーを持っていた。
私は床を這いながら逃げようとする、
「俺だよ」
だが、その男の声は聞き覚えのある声だった。
私はもう一度振り返ると、その男はスルガ友人であり、私がミアの偽者であることを知ってるクロムだった。
「ちょっと、驚かさないでよ!」
「あっ。物騒な物見せてたね、悪い」
クロムは少し気が立っているのか、口数も多く、割と流暢だ。
「ねぇ? さっきの声はどこから?」
「俺もびっくりして、飛び起きたんだ。たぶん、下からだと思う。そこには、管理人のおじさんとメイドの三人がいる」
「まさか……だと思うけど」
「殺人鬼のニュース思い出して、一応用心棒は必要かなと思って、身近にあったドライバーを持ってきた」
ふと、視線を正面にやると、スルガの部屋は開けっ放しだった。
「ん?」
すると、私の視線に気づいたクロムは思い詰めた表情をした後、ようやく口を開いた。
「さっき、スルガの開けっ放しの部屋に入ったんだけど、いないんだ。後、オリビアちゃんとキルギス君も」
「え……」
「レイカちゃんは一緒?」
「クローゼットの中に」
「じゃ、レイカちゃんをよろしく。俺は一階の様子を見に行くよ」
「分かったわ。気つけて」
私とレイカは一気に目が覚め、レイカは恐怖で震え、涙を滲ませ、私の懐に飛び込んだ。
「嫌……何……」
「大丈夫よ」
私は唇や手が震えるも、頭は意外に冷静だった。
扉の外にいるのはきっとスルガだろう。
私達の正面にはスルガの寝室があり、一番ここから近い部屋だからだ。
私は念のためにレイカを、クローゼットに隠れさせ、玄関の方へ恐る恐る向かう。
まだ、ドンドンと扉を異常な程に叩いている。
私は震えた、裏返った声を発した。
「はーい。どなたですか?」
「……ドンドンドンドン」
何なの……。
私は玄関前にあった花瓶を片手に、ドアのロックを解除した。
そして、そこに待っていたのは陰気な黒髪の男だった。
「あぁぁ!!」
私はてっきりスルガがだと思っていたのが別人の男に驚いて、床に尻を付いた。
その男は片手にゴルフのドライバーを持っていた。
私は床を這いながら逃げようとする、
「俺だよ」
だが、その男の声は聞き覚えのある声だった。
私はもう一度振り返ると、その男はスルガ友人であり、私がミアの偽者であることを知ってるクロムだった。
「ちょっと、驚かさないでよ!」
「あっ。物騒な物見せてたね、悪い」
クロムは少し気が立っているのか、口数も多く、割と流暢だ。
「ねぇ? さっきの声はどこから?」
「俺もびっくりして、飛び起きたんだ。たぶん、下からだと思う。そこには、管理人のおじさんとメイドの三人がいる」
「まさか……だと思うけど」
「殺人鬼のニュース思い出して、一応用心棒は必要かなと思って、身近にあったドライバーを持ってきた」
ふと、視線を正面にやると、スルガの部屋は開けっ放しだった。
「ん?」
すると、私の視線に気づいたクロムは思い詰めた表情をした後、ようやく口を開いた。
「さっき、スルガの開けっ放しの部屋に入ったんだけど、いないんだ。後、オリビアちゃんとキルギス君も」
「え……」
「レイカちゃんは一緒?」
「クローゼットの中に」
「じゃ、レイカちゃんをよろしく。俺は一階の様子を見に行くよ」
「分かったわ。気つけて」
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