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1章勇者の活動
38話ゲームを探して
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全力疾走というゲームを探しに町へ出た。
運良くゲーマーショップというゲームを取り扱う専門店を見つけることができた。
それにしても、この異世界にもゲームショップがあるとは思わなかった。
駆は懐かしさを覚えつつ、店内へ入った。
「いらっしゃいませ」
すると、中央の円形のカウンターから茶髪の美女店員が深いお辞儀をして、活発な声で、挨拶をする。
ショートカット、人形のように美しい顔、白黒のメイド服。
これこそ……萌だ。
久し振りの萌に、言いような思いが込み上げる。
「どうも」
駆は頭を掻きながら、店内を物色する。
中世風色を残したレンガの壁、またゲームショップというよりも、高級ホテルのような印象を受ける。
カウンターを取り過ぎると、店の入口になる。
ゲームイベント開催中とポップな看板だったり、デスゲーム発売中の文字の看板。
突如として、入口に巨大な画面が視界を埋め尽くし、広大な緑の高原が映し出され、多数の魔獣が出現して、一人の冒険者を食い殺すショッキングなシーンが映し出された。
さらに、マスコットキャラクターらしいツインテールの女が笑い声を上げながら、たったいま一人の冒険者が死んじゃったよと報告してる。
「不謹慎だろ」
唖然としながら、前へ進んだ。
そこは巨大な長方形の中に迷い込んだ錯覚に陥ってしまうだろう。
天井には1から250番までの張り紙がずらっと奥まで吊してある。
「とにかくさ、全力疾走というゲームだ」
駆はがむしゃらに走った。
すると、眼鏡の店員が首を傾げて、追い掛けてきた。
「こらぁぁ! 走るなぁあ!」
「はぁ?」
眼鏡の店員が物凄い形相で一直線に追い掛けてくる。
駆は右へ移動しながら、棚に並ぶゲームソフトを見つつ、逃げ出していく。
それにしても、ゲームソフトが大量だ。
縦、横に棚がずっと数百と続く。
「はぁ……どこにこれ全力疾走があるんだ」
また、あの店員が大声を上げながら、追い掛けてくる。
「待ちなさいよ! 君!」
「いや! 何で追い掛けてくるんですか!?」
「いや、君が逃げるからだよ!」
「そりゃこっちは追い掛けられたら、逃げるんでしょ!」
その時、駆が余所見をしていたら、三段重ねになった段ボールにぶつかった。
「うわぁ!!」
「ドダドダドダ」
「いたたった」
駆は痛い脚を押さえながら、目の前の眼鏡の店員を睨む。
「おいおい……どうしてくれんだよ! 怪我したじゃねーか」
「あぁ……申し訳ございません」
さすがに、客に怪我をさせてしまった重大さに気づいたのか眼鏡の店員は憔悴した様子で、平謝り。
「はぁ……もうついてくんなよ! 全く」
駆は再度睨んで、不満をぶちまけた後、別の棚へと向かった。
運良くゲーマーショップというゲームを取り扱う専門店を見つけることができた。
それにしても、この異世界にもゲームショップがあるとは思わなかった。
駆は懐かしさを覚えつつ、店内へ入った。
「いらっしゃいませ」
すると、中央の円形のカウンターから茶髪の美女店員が深いお辞儀をして、活発な声で、挨拶をする。
ショートカット、人形のように美しい顔、白黒のメイド服。
これこそ……萌だ。
久し振りの萌に、言いような思いが込み上げる。
「どうも」
駆は頭を掻きながら、店内を物色する。
中世風色を残したレンガの壁、またゲームショップというよりも、高級ホテルのような印象を受ける。
カウンターを取り過ぎると、店の入口になる。
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突如として、入口に巨大な画面が視界を埋め尽くし、広大な緑の高原が映し出され、多数の魔獣が出現して、一人の冒険者を食い殺すショッキングなシーンが映し出された。
さらに、マスコットキャラクターらしいツインテールの女が笑い声を上げながら、たったいま一人の冒険者が死んじゃったよと報告してる。
「不謹慎だろ」
唖然としながら、前へ進んだ。
そこは巨大な長方形の中に迷い込んだ錯覚に陥ってしまうだろう。
天井には1から250番までの張り紙がずらっと奥まで吊してある。
「とにかくさ、全力疾走というゲームだ」
駆はがむしゃらに走った。
すると、眼鏡の店員が首を傾げて、追い掛けてきた。
「こらぁぁ! 走るなぁあ!」
「はぁ?」
眼鏡の店員が物凄い形相で一直線に追い掛けてくる。
駆は右へ移動しながら、棚に並ぶゲームソフトを見つつ、逃げ出していく。
それにしても、ゲームソフトが大量だ。
縦、横に棚がずっと数百と続く。
「はぁ……どこにこれ全力疾走があるんだ」
また、あの店員が大声を上げながら、追い掛けてくる。
「待ちなさいよ! 君!」
「いや! 何で追い掛けてくるんですか!?」
「いや、君が逃げるからだよ!」
「そりゃこっちは追い掛けられたら、逃げるんでしょ!」
その時、駆が余所見をしていたら、三段重ねになった段ボールにぶつかった。
「うわぁ!!」
「ドダドダドダ」
「いたたった」
駆は痛い脚を押さえながら、目の前の眼鏡の店員を睨む。
「おいおい……どうしてくれんだよ! 怪我したじゃねーか」
「あぁ……申し訳ございません」
さすがに、客に怪我をさせてしまった重大さに気づいたのか眼鏡の店員は憔悴した様子で、平謝り。
「はぁ……もうついてくんなよ! 全く」
駆は再度睨んで、不満をぶちまけた後、別の棚へと向かった。
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