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1章勇者の活動
10話空を飛ぼう
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広い青空がどこまで続き、やがて地平線へ終着する。
さっきまでいた勇者協会が小さく見える。その周りに石や木材でできた西洋の建物が多く並ぶ。大きな城。高さのある塔。
ここはユグドラシル王国の王都。大陸の東側に位置する。強い隣国がひしめく中、大きな権力と領地を持つ最大級の国。
また、優秀な騎士や強い魔法使いが有名で、王都内や近くの王国領には農民や商人も暮らしている。
「いやーー広いんだなこの国! 異世界に来た感じだ!!」
「なぁ破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》って知ってんのか?」
「ガル」
翼竜はどうやら知っているようだ。
もうすでに王都からは遠くにあり、駆の視界には広大な草原と森、破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》がそびえたっていた。
破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》は標高三千メートルある。ここには魔獣が住むと言われていて、ここの領地の人間はなかなか近づかない。
「あそこか。あ……そうだ光の石だよな」
翼竜はスピードを上げ、一気に山頂近くまで着いた。
そこには木や草が生い茂る。道に迷えば生きて戻ることはできない。
「どこにあるんだ、どこに光の石なんてあるんだ」
一時間が経過し、気力と体力が失われていく。
「はぁ……はぁ……マジでないわ」
「ガルゥガルゥ」
突然、吹雪が襲い、視界が暗くなり、前方が見えない。
「ヒューー!!ヒューー!!」
「うぁ……ひどい雪だ」
「ズドン」
前に進むとなにか大きな物体にぶつかる。
突如として、その大きな生き物は雄叫び声を上げる。
「オオオーーーーン」
「なんだこいつ」
白い巨塔。
大きな白巨《シロギガ》。
体長は三メートル近くあるだろうか。太くて短い四肢、後肢で重い体を支えている。
全体が白く、小さな黒目は獲物を殺すような恐ろしさがある、よりもよってこんな強そうなモンスターが初戦闘なんだ。初の戦闘が巨大な熊、勝てるわけがないだろう。剣や魔法も扱えない初心者冒険者にはきつすぎる。
「うぁ……あぁぁあ」
駆は後ろへとよろめき、怖くて逃げることができない。なぜこんなに目に遭わないといけない。
こちらをギロッと見る。
シロギガは右手の鋭い爪が駆の頭部に襲いかかる。シロギガの表情が上から見てとれる。醜悪な笑み。
野生の生き物の喜び、獲物を食べれると笑っているのだ。
その瞬間、ドラゴンが攻撃を翼で防ぐ。
「ガルルルル ガルルルル」
「オオオーーン」
だが、シロギガは左手の鋭い爪で銀色の翼竜に喰らわす。翼竜は投げ飛ばされる。
「おい!お前しっかりしろ!」
「ガル…………」
ドラゴンの翼には先ほど喰らった傷口がどんどん血に染まっていき、やがて、次第に弱っていった。
本物の血。傷口を一刻も早く防がなくてはならない。
自身の脳を頭の中でフル活用するが有効な手段が思いつかない。
ゲーム知識、医療知識、現代知識。一般の高校生の知識などたかが知れている。
あ、回復薬は……どこだ……なんでないんだ。
「俺なんか守らなくて良かったんだ!! くそぉぉぉ!!!」
さっきまでいた勇者協会が小さく見える。その周りに石や木材でできた西洋の建物が多く並ぶ。大きな城。高さのある塔。
ここはユグドラシル王国の王都。大陸の東側に位置する。強い隣国がひしめく中、大きな権力と領地を持つ最大級の国。
また、優秀な騎士や強い魔法使いが有名で、王都内や近くの王国領には農民や商人も暮らしている。
「いやーー広いんだなこの国! 異世界に来た感じだ!!」
「なぁ破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》って知ってんのか?」
「ガル」
翼竜はどうやら知っているようだ。
もうすでに王都からは遠くにあり、駆の視界には広大な草原と森、破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》がそびえたっていた。
破壊魔山《デストロイヤーマウンテン》は標高三千メートルある。ここには魔獣が住むと言われていて、ここの領地の人間はなかなか近づかない。
「あそこか。あ……そうだ光の石だよな」
翼竜はスピードを上げ、一気に山頂近くまで着いた。
そこには木や草が生い茂る。道に迷えば生きて戻ることはできない。
「どこにあるんだ、どこに光の石なんてあるんだ」
一時間が経過し、気力と体力が失われていく。
「はぁ……はぁ……マジでないわ」
「ガルゥガルゥ」
突然、吹雪が襲い、視界が暗くなり、前方が見えない。
「ヒューー!!ヒューー!!」
「うぁ……ひどい雪だ」
「ズドン」
前に進むとなにか大きな物体にぶつかる。
突如として、その大きな生き物は雄叫び声を上げる。
「オオオーーーーン」
「なんだこいつ」
白い巨塔。
大きな白巨《シロギガ》。
体長は三メートル近くあるだろうか。太くて短い四肢、後肢で重い体を支えている。
全体が白く、小さな黒目は獲物を殺すような恐ろしさがある、よりもよってこんな強そうなモンスターが初戦闘なんだ。初の戦闘が巨大な熊、勝てるわけがないだろう。剣や魔法も扱えない初心者冒険者にはきつすぎる。
「うぁ……あぁぁあ」
駆は後ろへとよろめき、怖くて逃げることができない。なぜこんなに目に遭わないといけない。
こちらをギロッと見る。
シロギガは右手の鋭い爪が駆の頭部に襲いかかる。シロギガの表情が上から見てとれる。醜悪な笑み。
野生の生き物の喜び、獲物を食べれると笑っているのだ。
その瞬間、ドラゴンが攻撃を翼で防ぐ。
「ガルルルル ガルルルル」
「オオオーーン」
だが、シロギガは左手の鋭い爪で銀色の翼竜に喰らわす。翼竜は投げ飛ばされる。
「おい!お前しっかりしろ!」
「ガル…………」
ドラゴンの翼には先ほど喰らった傷口がどんどん血に染まっていき、やがて、次第に弱っていった。
本物の血。傷口を一刻も早く防がなくてはならない。
自身の脳を頭の中でフル活用するが有効な手段が思いつかない。
ゲーム知識、医療知識、現代知識。一般の高校生の知識などたかが知れている。
あ、回復薬は……どこだ……なんでないんだ。
「俺なんか守らなくて良かったんだ!! くそぉぉぉ!!!」
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