逃げ足スキルで職業勇者になろう

1章勇者の活動

5話異世界に来ました

　それに、異世界に行ってきましたなんて友達に言って信じてもらえるはずがない、頭がおかしいわこいつと思われるだろう。
　それがきっかけで距離を置かれ、しまいには友達が一人もいなくなるという状況つくってしまう。
　まあ友達いないんですけどね。

　母と父、妹は突然居なくなって心配しているだろうか？
　
　心配しているなら普通の親は警察に捜索願いを出している。行方不明の男の子と大々的にニュースで今頃話題になっているのか。
　コンメテーターがああでもないこうでもないとか言いながら。
　母、父、妹よ、ここにいます。探してください！！
　
　どうしよう？　自分はおかしくなってしまったのか？　
　不安と、はやく家族に会いたいという思いが頭の中を埋め尽す。
　冷静になれ！
　
　では仮に、本物の異世界に召還されたとしよう。　

　どうやってこの異世界に来たんだ？　
　ゲーム機が光ったのとトラックに引かれた夢は覚えているがそこからは記憶がない。
　あのソフトに何らかのタイムマシーンのエネルギーがあり、ハード機にスーパーな力が働いたということか。　

　それで、どうやって元の世界に戻るんだ？　
　異世界に来た方法も知らないのに帰る方法を知り得るはずがない。
　じゃなにかー？　神は異世界に送ってやるが、タイムマシーンは自分で作って元の世界に戻れって言っているのか。
　神聞いてんのか？

　この異世界にはどうやら魔法があるらしいので、それを利用してなんとか人ごと別の空間に飛ばせるタイムマシーンのような機械を作れそうな気もするが。
　めんどくせぇよ

　なぜ異世界召還の対象者が自分なのか？

　頭も良くなくこれといって特技もない、冴えない顔の人間だし。
　ゲームや退屈な毎日を送っていた。
　頭の良い人間だったら、アインシュタインやエジソンだったら
この異世界でとてつもない功績をあげるに違いない。
　神様は才能ある者に試練与えるべきだった。神は完璧にミスをおかした。
　
　そもそも原因は【異世界へようこそ】というゲームだ。
　この謎を解明するにはあのゲームだ。

　はぁ。