上 下
14 / 53
2章魔術師学院(閑話)

14話鍛錬

しおりを挟む
 5時限 魔甲基礎、魔甲実技。
 元樹帝軍所属シルバラード=イルガ講師。
 魔術闘技場《コロシアム》
 

 周りには攻撃が外に漏れださないような完全防御システムが備わっている。
 主に生徒同士で対決をしたり、魔術の鍛錬したりする。
 大会、試験時にも会場として使用される。

 この学校にはこのような建物が4つほど設置されている。
 かなりの広さで、観客席も完備されてる。
 俺とフレスは人集りへと足を運ぶ。
 すでにお馴染みのAクラスの生徒達は集まり、がやがやとざわめき立っていた。
 その時、イルガが上空から現れ、皆の前に降り立つ。
 奇抜な登場の仕方だ。
 あの先生……何メートルの高さから跳んだんだ。
 魔力を施したとはいえ、骨折どころじゃ済まないぞ。
 いや、魔力探知で調べたが、魔力を使った痕跡がどこにもない。
 じゃあ……そのまんまの脚ってことか……。


「頭より、身体で理解した方が早い。さあ、これから魔術対決《マジックデュエル》を始める」

「おいおい、いきなりか」

 生徒から不満の声が漏れる。
 魔術対決《マジックデュエル》。
 その名の通り、互いに魔甲を身につけた同士による魔術勝負。
 己の魔力を用い、魔甲にその魔力を流し、闘う。
 殺し合いとも呼ばれる。だが、ここは学校で、教育上の観点から厳禁だ。

「魔甲(マジックアーマー)についてだが……」

 魔甲=防具最上位版。
  莫大な魔力を持つ魔術師のために製作され、耐えうる防具。
 異世界神を倒す兵器用防具としても扱われる。
 フォルムは世界神樹から採取した特殊素材アルカディエの細胞を使用し、異世界神のあらゆる攻撃に耐えられる素材となっている。
 この魔甲を応用して魔力石を原動力として、MI自動操縦機能(マジックアルノロイド)搭載したロボットが開発されている。
 それが白騎士だ。
 魔甲を装備した術者は普段の戦闘の動きをすれば良く、防具を纏ってるのと同じ。
 魔術を発動する場合、体内にある無水火風雷地闇光属性のいずれかの魔力を魔甲に流し込み、魔術を発動することができる。
 
「対人戦と言いたいところだが、お前らがどれほどできるのかまだ分からない。だから戦闘用のロボットを用意した」

 すると右側から幾人かの生徒が巨大なMI搭載魔甲が乗った台車を押しながらこちらに向かって来た。
 MI魔甲は6体いる。

「白騎士《シュナイゼル》」

 【白騎士《シュナイゼル》】
  ランクA
 白い巨人、白い塔、正義の番人、怪物など多数の源氏名がある。
 MI自動操縦機能(マジックアルノロイド)。
 旧型ログレル製。
 普及当時は高性能さと見た目の良さで人気を博し、魔術操縦師の間では知らない者はいないと呼ばれる魔甲。
 槍技だけで言えばあらゆる攻撃と防御を備えているので訓練用としても最適。
 青と白を基調とした鋼鉄の全身鎧、貴賓に満ち溢れ、暴力性が認識できるフォルム。
 頭部は鎧に覆われた逆三角形、ギザギザの隙間は真っ暗闇だが双眸部分。
 双眸を開けたら恐ろしい目をし、かつ胴体は何万何千発の銃弾を受けても微動だにしない頑丈な鋼鉄。
 背後には深青のマントを羽織り、人間と変わらない二足歩行。
 体長は5メートルで、巨大な体躯とは考えられないようなスムーズな動きと、高速で繰り出される電光石火のごとき攻撃をする。
 高速柔軟な移動をし、鋭い槍で敵を打ち砕く。
 性能
 戦闘レベル100~300
 ノーマルモード時
 攻撃力+200
    防御力+200
 敏捷力+200
    魔術構築力+200
 魔術放出力+200
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】

一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。 しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。 ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。 以前投稿した短編 【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて の連載版です。 連載するにあたり、短編は削除しました。

性転換ウイルス

廣瀬純一
SF
感染すると性転換するウイルスの話

タイムワープ艦隊2024

山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。 この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。

埼玉ポテチ
ファンタジー
不運な事故によって、次元の狭間に落ちた主人公は元の世界に戻る事が出来なくなります。次元の管理人と言う人物(?)から、異世界行きを勧められ、幾つかの能力を貰う事になった。 その能力が思った以上のチート能力で、もしかしたら異世界の経済を破綻させてしまうのでは無いかと戦々恐々としながらも毎日を過ごす主人公であった。 

アンビバレンツ坩堝

宮塚恵一
SF
ある日突然、世界中の人々が並行世界の自分と重なり合った。 記憶だけが流れ込んで来た者、身体的特徴が変化した者、別の自分が目の前に現れた者。その影響は様々だ。世界の約半数以上が何らかの形で〈特會点〉の影響を受けたと言われている。 初発表:カクヨム自主企画「先行小説杯」 2022/10/30

底辺エンジニア、転生したら敵国側だった上に隠しボスのご令嬢にロックオンされる。~モブ×悪女のドール戦記~

阿澄飛鳥
SF
俺ことグレン・ハワードは転生者だ。 転生した先は俺がやっていたゲームの世界。 前世では機械エンジニアをやっていたので、こっちでも祝福の【情報解析】を駆使してゴーレムの技師をやっているモブである。 だがある日、工房に忍び込んできた女――セレスティアを問い詰めたところ、そいつはなんとゲームの隠しボスだった……! そんなとき、街が魔獣に襲撃される。 迫りくる魔獣、吹き飛ばされるゴーレム、絶体絶命のとき、俺は何とかセレスティアを助けようとする。 だが、俺はセレスティアに誘われ、少女の形をした魔導兵器、ドール【ペルラネラ】に乗ってしまった。 平民で魔法の才能がない俺が乗ったところでドールは動くはずがない。 だが、予想に反して【ペルラネラ】は起動する。 隠しボスとモブ――縁のないはずの男女二人は精神を一つにして【ペルラネラ】での戦いに挑む。

はてんこう

妄想聖人
SF
 帝国最後の冒険団が行方不明になってから一一四年後。月見里伯爵家四女の真結は、舞い込んできた縁談を断るために、冒険団を結成して最後の冒険団が目指した星系へと旅立つ。

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

処理中です...