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1章辺鄙な領にて
11話魔物
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通路を真っ直ぐ進むと、正方形型の部屋に辿り着いた。薄い煙が空気中に充満し、咳き込まずには居られない、煙を掻き分けると、左側の壁にはぶち破ったと見られる小さな穴が見え、中央下方に視線を移すと藁の絨毯があって、白、金、黒のコッコッケトス10匹達が身を寄せ小さく怯えていた。おそらく、その怯えた視線の先は奥にいる、煙を纏った、生えかけの牙を魅せつけ、顔の真ん中に稲妻の傷痕をした一匹の赤い色の毛をしたイノシシだろう。だけど、思ったより小さい。
【ファイアイノシシ】
レベル 12
ランク D
状態 D
解説 気性が荒い イノシシ鍋が美味
HP50/50 MP100/150攻撃90敏捷100
スキル ファイアボルト
「ファイアイノシシ! でも、それほど大きくはない。子豚サイズぐらいか」
「油断するな。まだ、魔物にはなりきってないベビーイノシシだが、ファイアボルトを使ってくるから危険だぞ」
ベビーイノシシは気配に気づいたのか、ずるっとこちらを向き、怒りの顔で、鼻息を鳴らし、火を迸らせる。
「グフッググフッグフ」
どうする……。
闘うっていっても、武器は水鉄砲、おまけにベビーカーに乗った赤ん坊と小さな山羊では太刀打ちできない。
また、話も理解できないとなると、平和な解決も無理だ。
「仕方ねぇな。イノシシの相手はおれがやる」
「ヤギラギ……だが、一人じゃ無理だ」
「馬鹿にすんな、まあ、見てろ。そろそろだな」
オォォォと低い鳴き声と共に、壁がごごごごごと四方八方亀裂が生じ、そこから両左右に曲がった、立派な角を携えた茶色雄鹿が現れた。
【ジノス】
レベル 150
ランク B
状態 B
解説 森林鹿
HP290/300 MP300/300 攻撃150 敏捷400
スキル アイスボール5 ライジングボルト5 ボーンクラッシュ5 氷強化5 雷強化5
「邪魔だ」
一際低く、ダンディーな声を発し、綺麗な、パキパキと角に異形を思わされる青白い氷が現れる。
氷角を左右に振り、吹雪を起こす、一挙に極寒の冷たさが辺りを包み、ベビーイノシシは顔を痙攣らせ、全身が強張って、だけど、退くには退けないと歯を食い縛って前へ足踏みし、突進したが、ジノスの凍える殺気に、怖気つき、途中から方向を移動し壁をぶち破ってい逃げて行った。
「ジノスさんわざわざ来てくれてありがとごいます」
「いや、大事な友の危機、見過ごす訳にはいかんだろう」
ジノスはヤギラギがペコペコしてることから、だいぶ年長らしい、そう思って見ると、目尻も少し垂れ下がり、皺が見え、鋭い眼差しでこちらを見てきた。
「して、この赤ん坊は誰だ?」
「ウルギア殿とユスア姫の倅ですよ」
「そうか。遂に生まれたか。でも、喜ばしいとは言えんな。我々の森の社に一度も挨拶が無かったではないか。この赤ん坊は致し方ないとしても、ウルギア達は安全祈願参るべきだった」
「そうですね。いや、きっと、初神参りには来ましょうよ」
「どうだろうな。あの男はいつしか神を愚弄するような男に変わってしまった」
「ウルギア殿は当主として忙しくしておりますから、少しおろそかになっているのでしょう」
「ウルギアは別に良いのだ。神を愚弄し、礼を忘れれば、災いが訪れる。この子や次の子孫に災いが降りかからなければよいのだが」
「……」
そうこう話していると、助けてくれ、誰か水をくれと声がした。
その声はコッコッケトスだった。
一匹の茶色の毛並みをしたコッコッケトスが弱々しい目つきで、横になって倒れ、それを囲んだコッコッケトス達が心配そうに見ている。
すぐさま、俺達は駆け寄った。
「原因は煙か」
「そう考えるのが妥当、けど、腹を痛そうにしてるのはどうしてだろうか」
ふと周りを見ると、右の壁際には四段ベッドの鶏用の巣箱がある。草の上には卵が二三個があって、外側の一直線の凹みには緑色の水が入ってる。
コッコッケトス用の水飲み場ということらしい。
【汚染された緑の水】
レベル 2
ランク F
品質 F
解説 下流域から採集した緑の水。コッコケトスが好む水。感染症の類の病気の特効薬の成分が含まれる。
それにしても、汚染されてる?
「待って、原因は水?」
突然、俺が喋ったゆえか、皆びっくりして止まった。
けど、ヤギラギは平静を装ったので、話す赤ん坊は珍しいことでないと皆に雰囲気で納得させた。
「待ってろ、確かめる」
ヤギラギはその水置き場に入った水を舌でペロペロと舐める、険しい顔をして、小首を傾げる。
「分からないが、でも、シウスは物の品質が分かるんだよな」
【ファイアイノシシ】
レベル 12
ランク D
状態 D
解説 気性が荒い イノシシ鍋が美味
HP50/50 MP100/150攻撃90敏捷100
スキル ファイアボルト
「ファイアイノシシ! でも、それほど大きくはない。子豚サイズぐらいか」
「油断するな。まだ、魔物にはなりきってないベビーイノシシだが、ファイアボルトを使ってくるから危険だぞ」
ベビーイノシシは気配に気づいたのか、ずるっとこちらを向き、怒りの顔で、鼻息を鳴らし、火を迸らせる。
「グフッググフッグフ」
どうする……。
闘うっていっても、武器は水鉄砲、おまけにベビーカーに乗った赤ん坊と小さな山羊では太刀打ちできない。
また、話も理解できないとなると、平和な解決も無理だ。
「仕方ねぇな。イノシシの相手はおれがやる」
「ヤギラギ……だが、一人じゃ無理だ」
「馬鹿にすんな、まあ、見てろ。そろそろだな」
オォォォと低い鳴き声と共に、壁がごごごごごと四方八方亀裂が生じ、そこから両左右に曲がった、立派な角を携えた茶色雄鹿が現れた。
【ジノス】
レベル 150
ランク B
状態 B
解説 森林鹿
HP290/300 MP300/300 攻撃150 敏捷400
スキル アイスボール5 ライジングボルト5 ボーンクラッシュ5 氷強化5 雷強化5
「邪魔だ」
一際低く、ダンディーな声を発し、綺麗な、パキパキと角に異形を思わされる青白い氷が現れる。
氷角を左右に振り、吹雪を起こす、一挙に極寒の冷たさが辺りを包み、ベビーイノシシは顔を痙攣らせ、全身が強張って、だけど、退くには退けないと歯を食い縛って前へ足踏みし、突進したが、ジノスの凍える殺気に、怖気つき、途中から方向を移動し壁をぶち破ってい逃げて行った。
「ジノスさんわざわざ来てくれてありがとごいます」
「いや、大事な友の危機、見過ごす訳にはいかんだろう」
ジノスはヤギラギがペコペコしてることから、だいぶ年長らしい、そう思って見ると、目尻も少し垂れ下がり、皺が見え、鋭い眼差しでこちらを見てきた。
「して、この赤ん坊は誰だ?」
「ウルギア殿とユスア姫の倅ですよ」
「そうか。遂に生まれたか。でも、喜ばしいとは言えんな。我々の森の社に一度も挨拶が無かったではないか。この赤ん坊は致し方ないとしても、ウルギア達は安全祈願参るべきだった」
「そうですね。いや、きっと、初神参りには来ましょうよ」
「どうだろうな。あの男はいつしか神を愚弄するような男に変わってしまった」
「ウルギア殿は当主として忙しくしておりますから、少しおろそかになっているのでしょう」
「ウルギアは別に良いのだ。神を愚弄し、礼を忘れれば、災いが訪れる。この子や次の子孫に災いが降りかからなければよいのだが」
「……」
そうこう話していると、助けてくれ、誰か水をくれと声がした。
その声はコッコッケトスだった。
一匹の茶色の毛並みをしたコッコッケトスが弱々しい目つきで、横になって倒れ、それを囲んだコッコッケトス達が心配そうに見ている。
すぐさま、俺達は駆け寄った。
「原因は煙か」
「そう考えるのが妥当、けど、腹を痛そうにしてるのはどうしてだろうか」
ふと周りを見ると、右の壁際には四段ベッドの鶏用の巣箱がある。草の上には卵が二三個があって、外側の一直線の凹みには緑色の水が入ってる。
コッコッケトス用の水飲み場ということらしい。
【汚染された緑の水】
レベル 2
ランク F
品質 F
解説 下流域から採集した緑の水。コッコケトスが好む水。感染症の類の病気の特効薬の成分が含まれる。
それにしても、汚染されてる?
「待って、原因は水?」
突然、俺が喋ったゆえか、皆びっくりして止まった。
けど、ヤギラギは平静を装ったので、話す赤ん坊は珍しいことでないと皆に雰囲気で納得させた。
「待ってろ、確かめる」
ヤギラギはその水置き場に入った水を舌でペロペロと舐める、険しい顔をして、小首を傾げる。
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