最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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7章魔王軍団VS世界革命軍団

7章6話龍と騎士と雪女と金髪ゴブリン

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 魔王様に会いたい。
 魔王様とお話がしたい。
 何度となく心の中で叫ぶ。
 そして、我に変えるシラユキ。
 周囲を見渡すと、もう朝日が上っていた。
 その時、水を駆ける音が近づいて来る。
 それは金髪のゴブリンだった。 

「ギャァ!!」 

 ピンク色の両眼は睨み、跳び上がり、鋭い爪で下へ切り裂く、すかさずシラユキは回避し、川の中へ入水。
 しかし、顔正面に暗い影が現れ、次第に大きくなり、慌てて、左へ転がって回避し、立ち上がる。
 息つく暇もなく、無理な態勢のシラユキに襲いかかる金髪のゴブリン。
 連続で闘拳を繰り出し、回避されれば、身体能力をフル活用し、回し蹴り、ジャンプの回し蹴り、アッパーを繰り出していく。
 シラユキは戦う中、この金髪のゴブリンがアカリだということに。
 その油断した一瞬を金髪のゴブリンは見逃さない。
 懐に飛び込み、敵の鳩尾に闘拳を繰り出し、息を止まらせ、吹き飛ばす。
 そんな無理な態勢からシラユキは痛みをこらえ、一歩前に跳び、型破りな頭突きを金髪のゴブリンに食らわして、水中へと追いやった。
 ようやく、落ち着いたのか金髪のゴブリンは息切れをした後、涙を流し、叫びながら、訴える。

「魔王はどこ?」

 シラユキも呼吸を整えた後、一応は警戒しながら、口を開く。

「魔王様は今はいない」

「探して来てよ!」

 声を震わして、やり場のない怒りをぶつける。
 シラユキはアカリの顔を出来るだけ見ないようにし、

「お前の顔はとても残念だ。だが今はそれどころではない」

「それどころではない?」

 見開いた怒りの両眼で、シラユキを見る。
 言葉を間違ってしまったと後悔するシラユキ。

「私にとっては大事なことよ。私は綺麗で、美しい女神なの! こんな醜くくて、ブスで、気持ち悪いゴブリンの顔なんて私じゃないのよぉ!」

「……そうだな」

「分かったような顔をするなぁぁぁぁぁぁ! あんたなんて今私がどんな思いをしてるかなんて知らない癖に! この偽善者!」

「すまない」

「早く魔王を呼べよ! そして、私の顔を治してよ。綺麗な顔に戻してよぉぉぉぉ!」

 その時、身も縮上がるような殺気と莫大な魔力を感じ、驚愕の両眼で固まる二人。
 銀色の鎧を纏ったドラグロワ。
 龍の黄金の両眼は睨み、怒りの炎を身体全身に纏わせている。

「ゴブリア。逃げても無駄じゃ……」

 一方は、白と黒が混ざった無気味な仮面を被り、白い装束を纏い、中には騎士の白い鎧を身につけた謎の人物。
 白騎士団団長ロキア。

「手始めに、どのくらいの強さか見せてもらおう」
 
 ロキアは両手を伸ばし、

「白聖(ホワイトホール)!!!!」

 その瞬間、河川全体から巨大な白色の光の円柱が二人を飲み込み、空へと上る。
 一時は無音となり、光が消えた頃には、川は干上がり、荒れた地となっていた。
 灼熱の蒸気が漂い、一人の白い女が地面に倒れている。
 ロキアとドラグロワは眉を細め、様子を窺う。
 ロキアはつまらないと云った表情、ドラグロワは険しい表情。

「一人は死んだか」

「手を緩めるな」

「何を恐れてるドラグロワ?」

 ロキアは挑発した声で問い掛けるも、ドラグロワはそれを無視する形で、上から迫ったゴブリン化したアカリに龍炎を発生させる。

「顔を返せぇぇえぇえぇぇぇ!!」

「面倒じゃな。眠らせておけば良かった」

「あの醜い怪物は何だ?」

 アカリはそのロキアの侮辱した発言で憎悪を駆り立て、攻撃の矛先をロキアに向け、驚異のスピードで爪を立たせながら、降下してくる。
 しかし、ロキアは糸も簡単に回避し、

「化け物にしては、遅いんじゃないか」

 人差し指を向け、放出されたのは白色の光の剣でアカリの胸を貫き、落下させる。
 アカリは地面に激突し、爆発した。
 ロキアは欠伸をして、

「弱いね。ゴブリンって」

 更に攻撃し掛けようと人差し指を動かすが、ドラグロワに制止させる。

「殺すな。あれでも、我が妻リアの器じゃ」 

「な? ドラグロワ? あいつ殺して良いか?」

 ドラグロワの敵意はロキアに向けられた。
 ロキアは尚も挑発の声。

「ワシとやる気かお主?」

「強い奴とやりたいんだよ。分かってくれよ」
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