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5章呪われた魔王
5章4話アラクネVSシラユキ
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シラユキは周囲に氷の盾を地面から出現させ、強力な糸の飛沫を受け、小さな爆発に留める。
しかし、突如、黒い怪物が上から降ってきた。
凄まじい垂直の拳が炸裂。
シラユキは驚愕しながらも、すぐさま、巨大な氷の拳を出現させ、迎え撃つ。
驚異の衝撃波が場に走り、二つの拳は均衡状態。
アラクネは笑みを浮かべ、
「やるじゃねか」
毅然とし、どこか冷徹なシラユキ。
顔には表さないが、相当な衝撃を吸収している。
アラクネも同様なのだが、どこか余裕がある。
更に、アラクネの強烈な連打の両拳が炸裂し、対するシラユキも巨大な氷の拳で迎え撃つ。
「おら!」
「はぁ」
「おらぁ!」
「ふぅ……」
「どうしたんだ? こんなもんかぁぁぁぁぁぁぁ!」
「黙れぇぇぇぇぇ!」
両者は渾身の一撃で衝突し、反動で離れる。
次の瞬間、アラクネは右手から黒糸を発射し、シラユキを押さえようとする。
挑発する血の両眼。
「次はどうだぁぁぁ!?」
だが、突如現れた長身の骸骨の男によって、一刀両断。
一直線の黒い糸が霧散していき、一時の静寂が訪れる。
呆然とするシラユキとマツタケ。
マツタケに至っては遠くの木々に逃げ隠れ、観戦した状態。
アラクネは憎しみを込めた両眼に変わる。
「何の用だ?」
憎しみを向けられたのは骸骨男であるデュランダル。
赤いマントを翻し、冷徹な骸骨の顔だが、平静に、低い声を漏らす。
「貴様の相手はワシが適任と思ってな」
「おいおい、まさかオイラとガチで戦う気か? お前とオイラが戦えば、この一帯は焼け野原だぞ?」
黒い影は威圧するように揺れ、血の両眼は瞬きすることなく、相手を捉えるアラクネ。
しかし、一方、怯む様子も無く、冷静冷徹のデュランダル。
「ワシとしてはアラクネが退くことを臨む。この墓地を荒らしたくはない」
「笑わせるなよ。オイラが退いたの人生で一度きりだ。逃げるなんて、頭の中にはねぇーんだよ」
すると、デュランダルの後ろから顔に包帯を巻き、黒装束の男が杖を付きながら、現れる。
弱々しい声だった。
「……戦いを……やめてくれ」
すぐさま反応したのはシラユキ。
「魔王様!」
シラユキは即時に、魔王の元へ行き、身体を支える。
その銀髪は酷く傷み、乱れ、群青の両眼は涙を浮かべていた。
先程までの勇ましさと憎しみ籠もった少女はいない。
「魔王様。もう、帰りましょう。お願いですから、帰りましょう」
無惨な姿に、ミイラの状態となった彼にあの最強最悪な魔王の姿は無い。
一蹴りすれば、倒れてしまうほどに。
しかし、それでも魔王は気迫だけは残していた。
しかし、突如、黒い怪物が上から降ってきた。
凄まじい垂直の拳が炸裂。
シラユキは驚愕しながらも、すぐさま、巨大な氷の拳を出現させ、迎え撃つ。
驚異の衝撃波が場に走り、二つの拳は均衡状態。
アラクネは笑みを浮かべ、
「やるじゃねか」
毅然とし、どこか冷徹なシラユキ。
顔には表さないが、相当な衝撃を吸収している。
アラクネも同様なのだが、どこか余裕がある。
更に、アラクネの強烈な連打の両拳が炸裂し、対するシラユキも巨大な氷の拳で迎え撃つ。
「おら!」
「はぁ」
「おらぁ!」
「ふぅ……」
「どうしたんだ? こんなもんかぁぁぁぁぁぁぁ!」
「黙れぇぇぇぇぇ!」
両者は渾身の一撃で衝突し、反動で離れる。
次の瞬間、アラクネは右手から黒糸を発射し、シラユキを押さえようとする。
挑発する血の両眼。
「次はどうだぁぁぁ!?」
だが、突如現れた長身の骸骨の男によって、一刀両断。
一直線の黒い糸が霧散していき、一時の静寂が訪れる。
呆然とするシラユキとマツタケ。
マツタケに至っては遠くの木々に逃げ隠れ、観戦した状態。
アラクネは憎しみを込めた両眼に変わる。
「何の用だ?」
憎しみを向けられたのは骸骨男であるデュランダル。
赤いマントを翻し、冷徹な骸骨の顔だが、平静に、低い声を漏らす。
「貴様の相手はワシが適任と思ってな」
「おいおい、まさかオイラとガチで戦う気か? お前とオイラが戦えば、この一帯は焼け野原だぞ?」
黒い影は威圧するように揺れ、血の両眼は瞬きすることなく、相手を捉えるアラクネ。
しかし、一方、怯む様子も無く、冷静冷徹のデュランダル。
「ワシとしてはアラクネが退くことを臨む。この墓地を荒らしたくはない」
「笑わせるなよ。オイラが退いたの人生で一度きりだ。逃げるなんて、頭の中にはねぇーんだよ」
すると、デュランダルの後ろから顔に包帯を巻き、黒装束の男が杖を付きながら、現れる。
弱々しい声だった。
「……戦いを……やめてくれ」
すぐさま反応したのはシラユキ。
「魔王様!」
シラユキは即時に、魔王の元へ行き、身体を支える。
その銀髪は酷く傷み、乱れ、群青の両眼は涙を浮かべていた。
先程までの勇ましさと憎しみ籠もった少女はいない。
「魔王様。もう、帰りましょう。お願いですから、帰りましょう」
無惨な姿に、ミイラの状態となった彼にあの最強最悪な魔王の姿は無い。
一蹴りすれば、倒れてしまうほどに。
しかし、それでも魔王は気迫だけは残していた。
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