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5章呪われた魔王
5章1話魔眼を持つ男
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その後、中心街の酒場で三人フードを被った男が酒を飲み交わしていた。
賑やかな者達は異様な殺気を放ち、周囲から警戒感を与えてる。
三人はひそひそと話す。
その者達は有名な大物達だった。
一人は鎧の龍のドラグロワ王神、二人目、大旅人の赤髪の眼帯の男であるベイル、三人目は新平和幕府団団長兼武士の男ダライ。
「魔王の力が手に入った。いや、返して貰ったのが妥当かのぉ」
「ドラグロワ、なぜクリムトを殺さなかった?」
「忘れたか? 王神は人間は殺せないのじゃ。だから、女神を英雄らに殺させたのじゃ」
「ならば、クリムトをこちらに引き渡せ」
「臣下と共に逃げてしまった。手元にはない」
「わざとではないだろうな? 言ったはずだ? 拙者達はクリムトの命を欲しがっている。あいつは危険だ」
「執念深いのぉ」
すると、ベイルが酒を豪快に飲み、ドンっとジョッキでテーブルを叩いた。
「あいつは、多額の懸賞金かかっている世界的犯罪者」
王神は怖い顔をして、付け足す。
「ワシとしても、クリムトは殺しておきたい。なぜなら、あいつはゴブリン文明の歴史を知ろうとしている」
「それはまずいな」
「絶対にあってはならない。ダライよ。クリムトを殺すのじゃ」
「そのつもりだ」
ダライと王神の意見が一致した所で、待ったを掛けるベイル。
「クリムトはもう何の力も残っていない。それに、アカリという心の拠り所である存在を失った今、あるかどうかも分からない文明を探す気力は無い。殺すのは無駄だろう」
ベイルは頬を赤らませ、髭をさすりながら、余裕の笑みでそう言う。
しかし、他の二人は恐ろしい眼光でベイルを睨み、戦闘態勢の構えの右手と刀をそれぞれ同時に差し向けた。
「冗談はよせ」
「お主は少々クリムトに肩入れしとるようじゃな」
ベイルは右の眼帯を開き、闇の渦が僅かに発生し、魔眼があと少しで開眼しようとしていた。
「本気で俺と戦う気か?」
魔眼を開眼させ、その魔眼を見た者を操ることが出来る恐ろしい特殊能力。
殺気は赤髪を闇の色へと変貌させ、まるで怪物のように揺れ動かす。
対するダルイも殺気を濃くさせる。
ちょんまげの長い先の束が暴れるようにして乱れ、この場一帯が白黒となり、時空が歪む。
重力スキルを今まさに、発動しようとしていた。
ダルイの無の黒眼は確実に亡き者にしようと、古びた刀をベイルに向けた。
「神と拙者相手ではさすがにきついぞ。たとえ、魔神と呼ばれたお主といえど」
「どうだろうな?」
すると、ドラグロワは手を下ろし、肉にかぶりついた。
ダルイは警戒を維持したまま問う。
「何の真似だ、? ドラグロワ王神」
「ワシは少し疲れていてな。ゴブリアのこともあるしの」
「クリムトを殺すことで一致したはずだ」
「そうじゃ。ただ、大旅人を殺すことには賛成はしておらぬ」
「……興が醒めた」
ダルイは呆れて、魔力を消失させ、古びた刀を懐に終い、酒場を後にした。
賑やかな者達は異様な殺気を放ち、周囲から警戒感を与えてる。
三人はひそひそと話す。
その者達は有名な大物達だった。
一人は鎧の龍のドラグロワ王神、二人目、大旅人の赤髪の眼帯の男であるベイル、三人目は新平和幕府団団長兼武士の男ダライ。
「魔王の力が手に入った。いや、返して貰ったのが妥当かのぉ」
「ドラグロワ、なぜクリムトを殺さなかった?」
「忘れたか? 王神は人間は殺せないのじゃ。だから、女神を英雄らに殺させたのじゃ」
「ならば、クリムトをこちらに引き渡せ」
「臣下と共に逃げてしまった。手元にはない」
「わざとではないだろうな? 言ったはずだ? 拙者達はクリムトの命を欲しがっている。あいつは危険だ」
「執念深いのぉ」
すると、ベイルが酒を豪快に飲み、ドンっとジョッキでテーブルを叩いた。
「あいつは、多額の懸賞金かかっている世界的犯罪者」
王神は怖い顔をして、付け足す。
「ワシとしても、クリムトは殺しておきたい。なぜなら、あいつはゴブリン文明の歴史を知ろうとしている」
「それはまずいな」
「絶対にあってはならない。ダライよ。クリムトを殺すのじゃ」
「そのつもりだ」
ダライと王神の意見が一致した所で、待ったを掛けるベイル。
「クリムトはもう何の力も残っていない。それに、アカリという心の拠り所である存在を失った今、あるかどうかも分からない文明を探す気力は無い。殺すのは無駄だろう」
ベイルは頬を赤らませ、髭をさすりながら、余裕の笑みでそう言う。
しかし、他の二人は恐ろしい眼光でベイルを睨み、戦闘態勢の構えの右手と刀をそれぞれ同時に差し向けた。
「冗談はよせ」
「お主は少々クリムトに肩入れしとるようじゃな」
ベイルは右の眼帯を開き、闇の渦が僅かに発生し、魔眼があと少しで開眼しようとしていた。
「本気で俺と戦う気か?」
魔眼を開眼させ、その魔眼を見た者を操ることが出来る恐ろしい特殊能力。
殺気は赤髪を闇の色へと変貌させ、まるで怪物のように揺れ動かす。
対するダルイも殺気を濃くさせる。
ちょんまげの長い先の束が暴れるようにして乱れ、この場一帯が白黒となり、時空が歪む。
重力スキルを今まさに、発動しようとしていた。
ダルイの無の黒眼は確実に亡き者にしようと、古びた刀をベイルに向けた。
「神と拙者相手ではさすがにきついぞ。たとえ、魔神と呼ばれたお主といえど」
「どうだろうな?」
すると、ドラグロワは手を下ろし、肉にかぶりついた。
ダルイは警戒を維持したまま問う。
「何の真似だ、? ドラグロワ王神」
「ワシは少し疲れていてな。ゴブリアのこともあるしの」
「クリムトを殺すことで一致したはずだ」
「そうじゃ。ただ、大旅人を殺すことには賛成はしておらぬ」
「……興が醒めた」
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