106 / 140
4章神英雄団討伐
4章4話本当の敵
しおりを挟む
「偽者の魔王だと?」
「そうだ。俺は偽者の魔王だ」
「はははははは。やはりな。やっと合点がいった。ニ百年前に、オレは七魔神王を倒そうとしていたが、しかし魔王は部下に殺され、完全に死に、永久に封印された。そして、我々英雄が天下を握った。だから、魔王は生きているはずはない、復活するはずはないのだ。魔王は英雄を倒すことは出来ない
そういう運命なのだ! 勝者はオレだ!」
「……クククククク」
「何がおかしい?」
魔王は腹を抱えて、奇怪に笑い声を漏らす。
シュトラウスは睨み、苛立ちを覚える。
そして、魔王は嘲笑いを含めた笑みで、返答する。
「敗北者である貴様がその台詞を吐くか。王神に平伏した貴様に」
「何を……」
動揺するシュトラウス。
追い詰める魔王。
「俺は知っている」
「何をだ!」
「貴様は数年前、一人の女神を取り逃がし、王神世界には行けず、王神を倒すことが出来なかったというのが世界の認識、歴史だ。しかし、それは嘘だ」
「黙れ!」
急に頭を抱え、崩れ落ちるシュトラウス。
尋常ではなく怯えている。
両眼はより一層虚ろになり、髪の毛はだんだんと抜け落ち、薄くなっている。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
「貴様はある女神から王神世界へ行き先を知り、王神世界へ到達した」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
シュトラウスは我を忘れ、出鱈目に魔法の弾丸を魔王に放つ。
しかし、魔王はそれを無効し、黒影で移動し、シュトラウスの頭部を足で地面に押さえつける。
「ぐはっ……ああああ!! あああああ!」
「大人しくしろ。そして、貴様は王神と戦い、敗北した」
「オレは英雄だ、負けるはずがない、神の英雄だ、神の英雄だ」
「貴様はただの人間だ」
すると、既に剣闘士を倒したシラユキがたったいま救出したアカリを抱えて、戻ってきた。
「魔王様、お怪我は大丈夫なのですか?」
「ああ」
既に敗北は分かりきってるはずなのに、抵抗を続けるシュトラウス。
「オレは英雄だ! オレは英雄だ! オレは英雄なんだぁぁぁぁぁぁぁ!」
哀れな叫びだった。
だが、魔王は冷徹を崩さない。
闘いはまだ終わってはいない。
真の敵はまだいるのだ。
「話には続きがある」
「勝者王神は敗北者の英雄を殺さず、あることを命じた。それは、まず女神全員を殺すこと。そして、世界の民衆を全て殺すことを命じた」
「そうだ。オレは神の犬になった。あいつは……」
その時、空からシュトラウスに向けて、金の龍の魔力が襲ってきた。
瞬時に、魔王は黒影で、シラユキとアカリも含めて、移動し、回避する。
凄まじい光の魔力が発生し、轟音が鳴る。
シュトラウスは黒焦げになり、確実に死んだ。
「口封じか」
魔王は冷徹な両眼で見上げ、その人物はある程度予測はついていた。
会った時から、そんな予感はしていたのだ。
意識を取り戻したアカリはその人物に驚愕の紫眼を向ける。
「どうして」
シラユキは会った時から危険視していたため、合点がいったという表情。
「魔王様の推測通りでしたね」
その人物は古びた鎧を纏った、老いた龍の男。
老龍聖霊騎士(オッデセイ)。
「やはり、強いのぉ? 魔王いや、クリムトという男よ」
「貴様が王神だな?」
「正式名称は龍王神ドラグロワ」
「何が目的……」
魔王がドラグロワに真意を問おうした瞬間、アカリが背後から何者かに光のレーザー剣で心臓を貫かれ、倒れた。
「アカリ!」
光のレーザー剣で刺したのは翼の生えた小さな少女だった。
魔王よりも先にシラユキは反応するが、既に遅く、少女の右手による見えない力によって、消失した。
魔王は動揺し、ドラグロワに問いた。
「何の真似だ」
「人間であるお主に王神への挑戦権を与えたのじゃ」
「神との勝負に俺は興味は無い。答えろ、貴様の目的はなんだ?」
「ゴブリアと生きることじゃ」
あの少女をよく見ると、緑色の翼、緑髪。
女神のようであり、天使のようでもあるが、何か異様さを感じた。
すると、その少女と目が合う。
その瞬間、魔王は、恐怖で震える。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
その少女の両眼はカマキリのような大きさのピンク色の目玉、エルフのような両耳。
どこかで見たことがあるような顔だ。
あのコブミの顔がちらつく。
魔王は床に尻餅をつき、恐怖で、その場から離れようとする。
ドラグロワは軽蔑の黄色の両眼で、魔王を見下す。
「お主が殺したゴブリン女王じゃよ」
「そうだ。俺は偽者の魔王だ」
「はははははは。やはりな。やっと合点がいった。ニ百年前に、オレは七魔神王を倒そうとしていたが、しかし魔王は部下に殺され、完全に死に、永久に封印された。そして、我々英雄が天下を握った。だから、魔王は生きているはずはない、復活するはずはないのだ。魔王は英雄を倒すことは出来ない
そういう運命なのだ! 勝者はオレだ!」
「……クククククク」
「何がおかしい?」
魔王は腹を抱えて、奇怪に笑い声を漏らす。
シュトラウスは睨み、苛立ちを覚える。
そして、魔王は嘲笑いを含めた笑みで、返答する。
「敗北者である貴様がその台詞を吐くか。王神に平伏した貴様に」
「何を……」
動揺するシュトラウス。
追い詰める魔王。
「俺は知っている」
「何をだ!」
「貴様は数年前、一人の女神を取り逃がし、王神世界には行けず、王神を倒すことが出来なかったというのが世界の認識、歴史だ。しかし、それは嘘だ」
「黙れ!」
急に頭を抱え、崩れ落ちるシュトラウス。
尋常ではなく怯えている。
両眼はより一層虚ろになり、髪の毛はだんだんと抜け落ち、薄くなっている。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
「貴様はある女神から王神世界へ行き先を知り、王神世界へ到達した」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
シュトラウスは我を忘れ、出鱈目に魔法の弾丸を魔王に放つ。
しかし、魔王はそれを無効し、黒影で移動し、シュトラウスの頭部を足で地面に押さえつける。
「ぐはっ……ああああ!! あああああ!」
「大人しくしろ。そして、貴様は王神と戦い、敗北した」
「オレは英雄だ、負けるはずがない、神の英雄だ、神の英雄だ」
「貴様はただの人間だ」
すると、既に剣闘士を倒したシラユキがたったいま救出したアカリを抱えて、戻ってきた。
「魔王様、お怪我は大丈夫なのですか?」
「ああ」
既に敗北は分かりきってるはずなのに、抵抗を続けるシュトラウス。
「オレは英雄だ! オレは英雄だ! オレは英雄なんだぁぁぁぁぁぁぁ!」
哀れな叫びだった。
だが、魔王は冷徹を崩さない。
闘いはまだ終わってはいない。
真の敵はまだいるのだ。
「話には続きがある」
「勝者王神は敗北者の英雄を殺さず、あることを命じた。それは、まず女神全員を殺すこと。そして、世界の民衆を全て殺すことを命じた」
「そうだ。オレは神の犬になった。あいつは……」
その時、空からシュトラウスに向けて、金の龍の魔力が襲ってきた。
瞬時に、魔王は黒影で、シラユキとアカリも含めて、移動し、回避する。
凄まじい光の魔力が発生し、轟音が鳴る。
シュトラウスは黒焦げになり、確実に死んだ。
「口封じか」
魔王は冷徹な両眼で見上げ、その人物はある程度予測はついていた。
会った時から、そんな予感はしていたのだ。
意識を取り戻したアカリはその人物に驚愕の紫眼を向ける。
「どうして」
シラユキは会った時から危険視していたため、合点がいったという表情。
「魔王様の推測通りでしたね」
その人物は古びた鎧を纏った、老いた龍の男。
老龍聖霊騎士(オッデセイ)。
「やはり、強いのぉ? 魔王いや、クリムトという男よ」
「貴様が王神だな?」
「正式名称は龍王神ドラグロワ」
「何が目的……」
魔王がドラグロワに真意を問おうした瞬間、アカリが背後から何者かに光のレーザー剣で心臓を貫かれ、倒れた。
「アカリ!」
光のレーザー剣で刺したのは翼の生えた小さな少女だった。
魔王よりも先にシラユキは反応するが、既に遅く、少女の右手による見えない力によって、消失した。
魔王は動揺し、ドラグロワに問いた。
「何の真似だ」
「人間であるお主に王神への挑戦権を与えたのじゃ」
「神との勝負に俺は興味は無い。答えろ、貴様の目的はなんだ?」
「ゴブリアと生きることじゃ」
あの少女をよく見ると、緑色の翼、緑髪。
女神のようであり、天使のようでもあるが、何か異様さを感じた。
すると、その少女と目が合う。
その瞬間、魔王は、恐怖で震える。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
その少女の両眼はカマキリのような大きさのピンク色の目玉、エルフのような両耳。
どこかで見たことがあるような顔だ。
あのコブミの顔がちらつく。
魔王は床に尻餅をつき、恐怖で、その場から離れようとする。
ドラグロワは軽蔑の黄色の両眼で、魔王を見下す。
「お主が殺したゴブリン女王じゃよ」
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました
竹桜
ファンタジー
いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。
だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。
そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。
これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?

伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる