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4章神英雄団討伐
4章3話激突
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吹き荒れる嵐の中、睨み合う両者。
そして、シュトラウスは右手を振り上げ、その場に最強の臣下を召還する。
「駆逐しろ」
真ん中の十頭龍の王獣(ドサギンドス)が青色マントを翻す。
赤い巨躯には鋭く、分厚いトゲを密集させている。
凶暴な槍をクルクルと豪快に回し、とんでもない十のワニ顔の口で咆哮し、威嚇する。
「ガァァァァァァァァァ!!!!」
右側には巨大な黒盾を持った黒い大鬼神(ブラックオーク)。
鬼は死んだ、暗い両眼で、人見知りなのか、巨大な盾に隠れる。
「エェ」
左側には全身の白い鎧を纏い、片目の赤眼が妖しく光る孤高の剣闘士(ロンリーグラディエーター)。
「孤独だ」
三体共、3Sのレア度を誇る聖霊。
すると、魔王の後ろから遅れてやってくる怒りの二人。
長年の経験を纏った存在である老龍聖霊騎士。
次にロングの銀髪の雪のような女。
不敵な笑みを浮かべる大神英雄。
笑みを受けてか魔王は、即座に攻撃を仕掛ける。
「まず、スキル合成を完了させる。破壊の巨大弾丸スキルと引力スキルを合成させ、大月丸を完成」
瞬間的に、魔王の右手には巨大な黄金の月が創造された。
「更に、チート(改造)を完了。そして、百段階発展を完了し、範囲拡大微増、威力最大級に更新する。さらに、炎属性を付加し、砲撃開始」
放たれた燃え上がる月が大神英雄の頭上に落下しようとする。
しかし、大神英雄はゆっくり立ち上がり、無表情で、
「鬼神は巨大盾を展開し、攻撃を吸収。剣闘士は空を飛び、その均衡状態に陥る月を死の光線で破壊しろ」
次の瞬間、予想は的中し、月と盾が均衡し、巨大な爆風が発生した。
そして、剣闘士が黒い光線で月を途轍もない魔力で破壊し、飛び散る月の破片は黄金のダイヤの輝きを煌めかせる。
そして、魔王と大神英雄は敵の力量を計り、笑みを浮かべた。
*
その時、シュトラウスの波動弾が一直線に、青い軌跡を描きながら、魔王は狙う。
しかし、魔王は即座に、無効スキルで解除。
けれど、それはシュトラウスにとって思惑通りだった。
無効スキルを発動後、インターバル時間に、白い剣闘士が高速で駆け、魔王の懐に入り、剣を斜めに斬り下げようとする。
「速い」
驚愕の速さ。
魔王は不死身の能力の発動は不安なため、もろに受ける危険だと判断。
だから、少し、身体を動かし、軌道をずらすのが精一杯。
回避は成功だと思ったが、剣闘士の片眼が赤い急な軌道を描き、修正を施し、斜め切り下げ、血飛沫が飛び、その後、黒い影が高速で蠢き、甲高い金属音が鳴り響く応酬が繰り広げられる。
気づくと、白い剣闘士の片赤眼と銀髪の雪女の群青の両眼が睨み合い、剣と氷で押し合っていた。
「なかなかの女だ」
「誘ってるのか? 私の愛は魔王様だけに捧げている」
「そういう意味ではない」
シラユキは無駄話をすぐ中断し、黒影で回避した魔王を確認する。
すると、魔王は右肩に傷を負い、出血していた。
「魔王様!」
「よそを見をするな。俺は大丈夫だ」
魔王は今までにない程ピンチの状態だった。
不死身の能力は発動していたが、どうやら、高い光属性の攻撃は不死身は適用しないらしい。
いや、もしくは、身体が完全復活を遂げていないから、光耐性が弱いことも考えられる。
そんな思考中に、ドサキントスが十のワニ口を開きながら、魔王に留めを刺そうとする。
そこへ、老龍騎士が長刀で援護する。
「ここ任せるのじゃ」
老龍騎士はドサキントスを挑発しながら、別の方角へ走って行く。
いい判断だろう。
正直、シュトラウスだけでも手一杯な上に、盾の黒鬼もいる。
一斉に全員同時に攻撃を仕掛けるのが可能な一番厄介なドサキントスがいなくれば、負担が減る。
そして、シュトラウスは高らかに叫ぶ。
「ははははは……ここまで、神英雄団を苦しめたことは賞賛に値しよう。しかし、我々正義の英雄の前では悪は滅びるのだ」
自信を取り戻したシュトラウスは前へ出て、剣を魔王に向ける。
「いつ何時も魔王は英雄の前で滅ぼされる。それは、歴代の魔王が負った末路だ」
魔王は黒衣を翻し、笑みを浮かべる。
「ならば、俺がその運命を変えてやろう。歴代の魔王の悲惨な末路は絶対負わないからだ。なぜなら俺は魔王ではない、偽者だからだ」
そして、シュトラウスは右手を振り上げ、その場に最強の臣下を召還する。
「駆逐しろ」
真ん中の十頭龍の王獣(ドサギンドス)が青色マントを翻す。
赤い巨躯には鋭く、分厚いトゲを密集させている。
凶暴な槍をクルクルと豪快に回し、とんでもない十のワニ顔の口で咆哮し、威嚇する。
「ガァァァァァァァァァ!!!!」
右側には巨大な黒盾を持った黒い大鬼神(ブラックオーク)。
鬼は死んだ、暗い両眼で、人見知りなのか、巨大な盾に隠れる。
「エェ」
左側には全身の白い鎧を纏い、片目の赤眼が妖しく光る孤高の剣闘士(ロンリーグラディエーター)。
「孤独だ」
三体共、3Sのレア度を誇る聖霊。
すると、魔王の後ろから遅れてやってくる怒りの二人。
長年の経験を纏った存在である老龍聖霊騎士。
次にロングの銀髪の雪のような女。
不敵な笑みを浮かべる大神英雄。
笑みを受けてか魔王は、即座に攻撃を仕掛ける。
「まず、スキル合成を完了させる。破壊の巨大弾丸スキルと引力スキルを合成させ、大月丸を完成」
瞬間的に、魔王の右手には巨大な黄金の月が創造された。
「更に、チート(改造)を完了。そして、百段階発展を完了し、範囲拡大微増、威力最大級に更新する。さらに、炎属性を付加し、砲撃開始」
放たれた燃え上がる月が大神英雄の頭上に落下しようとする。
しかし、大神英雄はゆっくり立ち上がり、無表情で、
「鬼神は巨大盾を展開し、攻撃を吸収。剣闘士は空を飛び、その均衡状態に陥る月を死の光線で破壊しろ」
次の瞬間、予想は的中し、月と盾が均衡し、巨大な爆風が発生した。
そして、剣闘士が黒い光線で月を途轍もない魔力で破壊し、飛び散る月の破片は黄金のダイヤの輝きを煌めかせる。
そして、魔王と大神英雄は敵の力量を計り、笑みを浮かべた。
*
その時、シュトラウスの波動弾が一直線に、青い軌跡を描きながら、魔王は狙う。
しかし、魔王は即座に、無効スキルで解除。
けれど、それはシュトラウスにとって思惑通りだった。
無効スキルを発動後、インターバル時間に、白い剣闘士が高速で駆け、魔王の懐に入り、剣を斜めに斬り下げようとする。
「速い」
驚愕の速さ。
魔王は不死身の能力の発動は不安なため、もろに受ける危険だと判断。
だから、少し、身体を動かし、軌道をずらすのが精一杯。
回避は成功だと思ったが、剣闘士の片眼が赤い急な軌道を描き、修正を施し、斜め切り下げ、血飛沫が飛び、その後、黒い影が高速で蠢き、甲高い金属音が鳴り響く応酬が繰り広げられる。
気づくと、白い剣闘士の片赤眼と銀髪の雪女の群青の両眼が睨み合い、剣と氷で押し合っていた。
「なかなかの女だ」
「誘ってるのか? 私の愛は魔王様だけに捧げている」
「そういう意味ではない」
シラユキは無駄話をすぐ中断し、黒影で回避した魔王を確認する。
すると、魔王は右肩に傷を負い、出血していた。
「魔王様!」
「よそを見をするな。俺は大丈夫だ」
魔王は今までにない程ピンチの状態だった。
不死身の能力は発動していたが、どうやら、高い光属性の攻撃は不死身は適用しないらしい。
いや、もしくは、身体が完全復活を遂げていないから、光耐性が弱いことも考えられる。
そんな思考中に、ドサキントスが十のワニ口を開きながら、魔王に留めを刺そうとする。
そこへ、老龍騎士が長刀で援護する。
「ここ任せるのじゃ」
老龍騎士はドサキントスを挑発しながら、別の方角へ走って行く。
いい判断だろう。
正直、シュトラウスだけでも手一杯な上に、盾の黒鬼もいる。
一斉に全員同時に攻撃を仕掛けるのが可能な一番厄介なドサキントスがいなくれば、負担が減る。
そして、シュトラウスは高らかに叫ぶ。
「ははははは……ここまで、神英雄団を苦しめたことは賞賛に値しよう。しかし、我々正義の英雄の前では悪は滅びるのだ」
自信を取り戻したシュトラウスは前へ出て、剣を魔王に向ける。
「いつ何時も魔王は英雄の前で滅ぼされる。それは、歴代の魔王が負った末路だ」
魔王は黒衣を翻し、笑みを浮かべる。
「ならば、俺がその運命を変えてやろう。歴代の魔王の悲惨な末路は絶対負わないからだ。なぜなら俺は魔王ではない、偽者だからだ」
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