最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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2章英雄闘拳地区予選

不穏2

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 突如、魔王は感情が限界に来て、瞳を両手で隠す。
 あの極悪非道な魔王でも涙を流すことがある。
 本当に本気でゴブリンを救い出したいのね。
 しかし。
 魔王は唐突に笑い声を上げた。

「アハハハハハハハハ」

 
 突如、何の脈もなく、魔王は腹を抱えて、笑い出した。
 唖然とするアカリと老龍騎士。

「え……」

 魔王は驚くアカリに強く一喝。

「一々お前は……救うだの何だのと鬱陶しいわ! 黙ってろ!」

「え?」

 そして、魔王は冷徹な青眼で、老龍騎士を見据える。

「魔王である俺が? ゴブリン救う? 可哀想だと? ふざけるのも大概にしろよ。ゴブリンが死のうが、飢え死にしようが、そんなことはどうでもいいわ! そのゴブリン女王にどうやったら、奴隷を手玉に取り、効率良く、最大な成果を上げさせる人身掌握術の教えを請いたいから、謁見を求めたまでだ! 勘違いするな! バーカ!!」

 沸々と燃え上がるアカリ。
 両拳を作り、ムッとした紫眼と、揺れ、浮かぶクリーム色のロング髪。

「あなたって……なんて最低なの」

「元々俺こんな性格だ……何を勘違いしたか知らんが……卑しげな思いを俺に抱くな」

「はぁ? 卑しげですって? あんたね」

 アカリは怒りを露わにし、横柄な足取りで向かうが、老龍騎士に制止される。

「お嬢ちゃん……よしなさい」

「でもっ!」
          
 
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