最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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2章英雄闘拳地区予選

ゴブリン文明2

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「その長い歴史の中で、地上に上がることなく、ただこの暗い地下で、辛い汗や涙を流し、そして、多くの仲間の命が淘汰されてきた。地下ゴブリンは悲しき存在よぉ」

「1000年も経過し、文明が見つからなければ、馬鹿でも諦めがつく。あるいは、何か新たな選択肢を模索してもいいはずだ? なのに、何故こいつらは文明を探すことに固執する? あるもはずも無い未来にどうしてそこまでする?」

 いつになく魔王はゴブリンの現状に、手を振り、激しく嘆く。
 アカリは魔王のその真剣な姿にじっと見つめ、普段は怖い人だけど、ゴブリンを思う優しい気持ちがあるのだと感じる。
 すると、老龍騎士は現状を再度説明する。

「言ったじゃろ。地下ゴブリンは文明を見つけ出すために、穴を掘る役割を全うするために、生まれたのだ。役割が終われば、こいつらは死を迎えるのじゃ」

「まるで……奴隷だな。悲しいな」

 魔王は悲しみの青眼で一考する。
 アカリもゴブリンの定められ運命に悲しい気持ちになり、言葉がうまく出ない。

「可哀想ね。私、ゴブリンを救いたい」

「ああ、そうだな」

 魔王とアカリは、優しく見つめ合う。
 ゴブリンを救い出したいという共通理解が二人に生まれた。
 初めて、意気投合したのだ。
 アカリは赤らめた頬を、両手で挟み。

「あなたとこんなにも分かり合えるなんて。なんか、恥ずかしい」

「俺もだ」


 
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