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3章魔王軍団編成前編
3章9話デュランダル第一支部隊長
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「まず、味方につけるなら、デュラハン族のデュランダル……こいつは魔王軍の中でも一番強い武闘派や。だが、こいつは難儀な性格、まず魔王様以外と仲良くしようとはしないで……あっ……もちろん、あんたが……偽物魔王だってことはすぐ分かるで……あいつは魔王様を一番崇拝し、近くにおったからな」
「今の話で行くと、服従なんて難しいんじゃないか」
「まあ、普通はな」
マツタケは濡れた裸をタオルでごしごしと拭き、首に巻き、企みの細めで、人差し指を向ける。
魔王は一瞬で、黒装束に着替え、怪訝な顔をする。
「ここで、ワイの登場や。ワイはあいつの弱みを握ってるんや……」
「期待していいのか?」
「クリ坊……心配すんな……ワイが必ず魔王にしたるわ」
「クリ?」
「マツタケとクリやないか」
何の話をしているんだこいつは。
マツタケは魔王の肩を叩き、企みの笑みを漏らし、全裸で岩の隅へ向かう。
そこには濃緑の大きなバケツがあり、そこから骸骨の頭部を取り出した。
「何だそれ」
マツタケは頭蓋骨をポンポンと何の躊躇もなく叩き、
「これが鍵や……なぜスケルトンがこの屋敷で暴れてるか分かるか? デュランダルがこれを探してるんやで……くっくっくっくっ」
「お前……この頭蓋骨ってまさか」
「そうや。デュランダルのや。あいつはこの頭部が無いと、力を発揮できないんやで。おそらく、戦闘力はワイ以下やで」
お前の戦闘力を知らないんだが。
「まあ、そうやな。ワイの強さは不良の初心者冒険者ぐらいや」
例えがぱっとしないので、不良少年並みの強さということにするか。
「そもそも、この頭部をどういった経緯で盗んできた?」
「ちょっと、あいつと、管轄地の取り合いで、抗争してたんや。もちろん、デュランダル軍団に勝てる訳もなく、ワイは敗北寸前で殺されかけたんや。けど、ワイのお得意の忍術で、あいつの頭部を盗んで、この魔王邸の浴場に逃げ込んだ訳や」
「それで、どうやってデュランダルを説き伏せる?」
「そりゃ、交渉や。この頭蓋骨と引き換えに新生アロンダイト軍団の加入の取引を行うんや」
「果たして、上手く行くのか?」
「任せろや。さあ、行くぞ」
魔王は再び、浴場の外へと出る。
その次の瞬間、目の前を覆い尽くしたのはスケルトンの大群。
廊下中の白い骸骨が銀色の剣を掲げ、襲いかかる。
魔王は即時に、破壊の拳で、骸骨の顔面を殴り、粉砕し、後ろから襲いかかる骸骨の者には破壊の回し蹴りで、吹き飛ばす。
それにしても、倒しても、倒してもこいつらは、再び、骨を構築し、復活する。
少なくなったとはいえ、これではきりがない。
「こいつらは……倒しても、粉々に潰しても、すぐ再生する。不死身みたいなもんや」
鬱陶しい骸骨だ。いっそのこと……この家ごと……。
そして、今度は前方から一体の巨大スケルトンが咆哮しながら、襲ってくる。
すかさず、マツタケがデュランダルの骸骨の頭部で、その巨大なスケルトンの頭を思いっ切り直撃させ、鈍い音共に、前方へ倒した。
「しつこさでは群を抜いてるが、防御力や耐久力は雑魚や」
すると、デュランダルの頭部は前方の奥の廊下を転がっていき、身長2メートル級の頭部の無い骸骨人間の足にピタリと止まった。
弱々しい、どこか抜けた声で、その骸骨人間は拾い上げる。
「あ~~良かったぁぁぁ。もう駄目かもしれないと思っていた」
「今の話で行くと、服従なんて難しいんじゃないか」
「まあ、普通はな」
マツタケは濡れた裸をタオルでごしごしと拭き、首に巻き、企みの細めで、人差し指を向ける。
魔王は一瞬で、黒装束に着替え、怪訝な顔をする。
「ここで、ワイの登場や。ワイはあいつの弱みを握ってるんや……」
「期待していいのか?」
「クリ坊……心配すんな……ワイが必ず魔王にしたるわ」
「クリ?」
「マツタケとクリやないか」
何の話をしているんだこいつは。
マツタケは魔王の肩を叩き、企みの笑みを漏らし、全裸で岩の隅へ向かう。
そこには濃緑の大きなバケツがあり、そこから骸骨の頭部を取り出した。
「何だそれ」
マツタケは頭蓋骨をポンポンと何の躊躇もなく叩き、
「これが鍵や……なぜスケルトンがこの屋敷で暴れてるか分かるか? デュランダルがこれを探してるんやで……くっくっくっくっ」
「お前……この頭蓋骨ってまさか」
「そうや。デュランダルのや。あいつはこの頭部が無いと、力を発揮できないんやで。おそらく、戦闘力はワイ以下やで」
お前の戦闘力を知らないんだが。
「まあ、そうやな。ワイの強さは不良の初心者冒険者ぐらいや」
例えがぱっとしないので、不良少年並みの強さということにするか。
「そもそも、この頭部をどういった経緯で盗んできた?」
「ちょっと、あいつと、管轄地の取り合いで、抗争してたんや。もちろん、デュランダル軍団に勝てる訳もなく、ワイは敗北寸前で殺されかけたんや。けど、ワイのお得意の忍術で、あいつの頭部を盗んで、この魔王邸の浴場に逃げ込んだ訳や」
「それで、どうやってデュランダルを説き伏せる?」
「そりゃ、交渉や。この頭蓋骨と引き換えに新生アロンダイト軍団の加入の取引を行うんや」
「果たして、上手く行くのか?」
「任せろや。さあ、行くぞ」
魔王は再び、浴場の外へと出る。
その次の瞬間、目の前を覆い尽くしたのはスケルトンの大群。
廊下中の白い骸骨が銀色の剣を掲げ、襲いかかる。
魔王は即時に、破壊の拳で、骸骨の顔面を殴り、粉砕し、後ろから襲いかかる骸骨の者には破壊の回し蹴りで、吹き飛ばす。
それにしても、倒しても、倒してもこいつらは、再び、骨を構築し、復活する。
少なくなったとはいえ、これではきりがない。
「こいつらは……倒しても、粉々に潰しても、すぐ再生する。不死身みたいなもんや」
鬱陶しい骸骨だ。いっそのこと……この家ごと……。
そして、今度は前方から一体の巨大スケルトンが咆哮しながら、襲ってくる。
すかさず、マツタケがデュランダルの骸骨の頭部で、その巨大なスケルトンの頭を思いっ切り直撃させ、鈍い音共に、前方へ倒した。
「しつこさでは群を抜いてるが、防御力や耐久力は雑魚や」
すると、デュランダルの頭部は前方の奥の廊下を転がっていき、身長2メートル級の頭部の無い骸骨人間の足にピタリと止まった。
弱々しい、どこか抜けた声で、その骸骨人間は拾い上げる。
「あ~~良かったぁぁぁ。もう駄目かもしれないと思っていた」
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