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3章魔王軍団編成前編
3章6話迎える化け物の魔獣
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右には白蛇を髪からうじゃうじゃと蠢かせ、気味悪い白い鱗を身体にまとわりつかせた、人型の白蛇女。
【白蛇女(メデューサ)】
そのメデューサは蛇と同化した指をかぶりつきながら、恐ろしい奥の黒瞳で、舐め回すように見えてくる。
「あんた……誰だい? 見ない顔だね」
気持ち悪い蛇だ。
下には小さな子供の蛇達が死んだような黒眼で、魔王を睨みつけ、舌をペロペロと出し、今にも噛みつこうかという勢い。
「おいおい! こいつワチキの獲物ですぜ?」
また、左側にも、コウモリの身体をした人間の吸血鬼。
酷く曲がった鹿の角、毛量の多い黒髪を逆立たせ、赤い両眼でこちらを睨み、牙を光らせる。
【吸血鬼(バンパイア)】
真ん中には、緑色のガラスを身に纏い、企みのある巨大な赤い単眼、腕を組む、一応理性がありそうな単眼魔獣。
【単眼魔獣(サイクロン)】
「まあまあ、待て。こいつの話を聞いてからでも遅くはないだろう。この世界最強の悪魔と称された七魔神王アロンダイト・ピロロ様の御屋敷に侵入した訳を聞かせてもらおうか」
単眼魔獣が魔王の顔に近づき、黒い鼻息を鳴らし、挑発するように吹きかけた。
やっぱり、理性は無いようだ。
その瞬間、魔王の破壊の左拳が単眼魔獣の顔面に炸裂し、歪んだ顔と共に、空に吹き飛ばす。
「化け物が息を吹きかけるな!」
「オォォォォォェェェェ!!」
そして、単眼魔獣は血反吐を吐いて、その落下した向こうの場で、ひん曲がった顔で叫ぶ。
「なななんだお前」
生意気な口を訊きおって。
更に、破壊の弾丸を放出し、単眼魔獣の顔面にぶち込み、気絶させた。
魔王は一部始終を見届けた震えと絶句する残りの魔獣達に不敵な笑みを送る。
「さあ? お待らはどうする?」
その時、メデューサが蛇の強烈な牙を右手から発生させ、魔王に噛みつこうとする。
「舐めるんじゃないよぉぉぉぉ!!」
「宣戦布告と受け取るぞ……」
魔王はそのメデューサの蛇の牙を瞬時に避け、
「ほう、女にしてやるな。だが」
代わりに、左手の炎の拳をメデューサの顔面にお見舞いし、向こうへ吹き飛ばす。
「ぁぁぁぁぁあああ!!?!」
落下したその場でメデューサは凹み、血に染まった顔を触り、激しく泣き叫ぶ。
すると、主の悲しみに呼応した、蛇の子供達が怒りの唸りを上げる。
が、魔王は蛇達を思いっ切り、踏み潰し、瞬殺する。
「キモイわ!」
その瞬間、背後を取った吸血鬼は巨大な牙を剥きし出しにする。
「血頂きますぜ」
吸血鬼が魔王の頭をかぶりつこうとした瞬間、魔王の背後から黒影の巨人が発生する。
「行け……魔影」
暗闇が蠢く巨人が強靭な黒手の左手を掲げ、吸血鬼を顔面から垂直に潰した。
「ああああ……やややめ」
物凄い衝撃と地割れと共に、吸血鬼は気絶し、地中へと埋まった。
「……もう、少し頭を使え」
そして、赤いカーペットの階段を登り、ようやく城の扉を開け、中へ入る。
そこは巨大な玄関だった。
魔王が入ったことで、松明の火がボワッ灯り、暗い玄関を照らす。
そして、松明の火は奥まで伸びる横幅のある通路まで続く。
脇にはそれぞれの部屋があるようだ。
悪魔の顔が入った黒い絨毯や金龍の絵が描かれた天井などを見ながら、周囲を確認する。
途中から太い白い円柱が等間隔に並べられている。
その円柱の吹き抜けの間を見ると、巨木が一本植えられていた。
その葉っぱは緑ではなく、青色だった。
異様に光る粉を舞い上がらせ、神秘性を増す。
その葉は天井から漏れる青い光を求めて、上に上にと伸びる。
その時、青の葉っぱから、白い骸骨人間が出現する。
魔王はハッと驚き、扉に背をつける。
「なんだ」
気づくと周囲には銀色の剣を持った無数のスケルトンに現れる。
死の呪いを唱えているような目つきで、睨み、一斉に襲いかかる。
魔王は即座に、左手で破壊の弾丸で一網打尽にしようと思ったが、突如、煙と背後から誰かの声がし、その方角へと逃げる。
【白蛇女(メデューサ)】
そのメデューサは蛇と同化した指をかぶりつきながら、恐ろしい奥の黒瞳で、舐め回すように見えてくる。
「あんた……誰だい? 見ない顔だね」
気持ち悪い蛇だ。
下には小さな子供の蛇達が死んだような黒眼で、魔王を睨みつけ、舌をペロペロと出し、今にも噛みつこうかという勢い。
「おいおい! こいつワチキの獲物ですぜ?」
また、左側にも、コウモリの身体をした人間の吸血鬼。
酷く曲がった鹿の角、毛量の多い黒髪を逆立たせ、赤い両眼でこちらを睨み、牙を光らせる。
【吸血鬼(バンパイア)】
真ん中には、緑色のガラスを身に纏い、企みのある巨大な赤い単眼、腕を組む、一応理性がありそうな単眼魔獣。
【単眼魔獣(サイクロン)】
「まあまあ、待て。こいつの話を聞いてからでも遅くはないだろう。この世界最強の悪魔と称された七魔神王アロンダイト・ピロロ様の御屋敷に侵入した訳を聞かせてもらおうか」
単眼魔獣が魔王の顔に近づき、黒い鼻息を鳴らし、挑発するように吹きかけた。
やっぱり、理性は無いようだ。
その瞬間、魔王の破壊の左拳が単眼魔獣の顔面に炸裂し、歪んだ顔と共に、空に吹き飛ばす。
「化け物が息を吹きかけるな!」
「オォォォォォェェェェ!!」
そして、単眼魔獣は血反吐を吐いて、その落下した向こうの場で、ひん曲がった顔で叫ぶ。
「なななんだお前」
生意気な口を訊きおって。
更に、破壊の弾丸を放出し、単眼魔獣の顔面にぶち込み、気絶させた。
魔王は一部始終を見届けた震えと絶句する残りの魔獣達に不敵な笑みを送る。
「さあ? お待らはどうする?」
その時、メデューサが蛇の強烈な牙を右手から発生させ、魔王に噛みつこうとする。
「舐めるんじゃないよぉぉぉぉ!!」
「宣戦布告と受け取るぞ……」
魔王はそのメデューサの蛇の牙を瞬時に避け、
「ほう、女にしてやるな。だが」
代わりに、左手の炎の拳をメデューサの顔面にお見舞いし、向こうへ吹き飛ばす。
「ぁぁぁぁぁあああ!!?!」
落下したその場でメデューサは凹み、血に染まった顔を触り、激しく泣き叫ぶ。
すると、主の悲しみに呼応した、蛇の子供達が怒りの唸りを上げる。
が、魔王は蛇達を思いっ切り、踏み潰し、瞬殺する。
「キモイわ!」
その瞬間、背後を取った吸血鬼は巨大な牙を剥きし出しにする。
「血頂きますぜ」
吸血鬼が魔王の頭をかぶりつこうとした瞬間、魔王の背後から黒影の巨人が発生する。
「行け……魔影」
暗闇が蠢く巨人が強靭な黒手の左手を掲げ、吸血鬼を顔面から垂直に潰した。
「ああああ……やややめ」
物凄い衝撃と地割れと共に、吸血鬼は気絶し、地中へと埋まった。
「……もう、少し頭を使え」
そして、赤いカーペットの階段を登り、ようやく城の扉を開け、中へ入る。
そこは巨大な玄関だった。
魔王が入ったことで、松明の火がボワッ灯り、暗い玄関を照らす。
そして、松明の火は奥まで伸びる横幅のある通路まで続く。
脇にはそれぞれの部屋があるようだ。
悪魔の顔が入った黒い絨毯や金龍の絵が描かれた天井などを見ながら、周囲を確認する。
途中から太い白い円柱が等間隔に並べられている。
その円柱の吹き抜けの間を見ると、巨木が一本植えられていた。
その葉っぱは緑ではなく、青色だった。
異様に光る粉を舞い上がらせ、神秘性を増す。
その葉は天井から漏れる青い光を求めて、上に上にと伸びる。
その時、青の葉っぱから、白い骸骨人間が出現する。
魔王はハッと驚き、扉に背をつける。
「なんだ」
気づくと周囲には銀色の剣を持った無数のスケルトンに現れる。
死の呪いを唱えているような目つきで、睨み、一斉に襲いかかる。
魔王は即座に、左手で破壊の弾丸で一網打尽にしようと思ったが、突如、煙と背後から誰かの声がし、その方角へと逃げる。
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