最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

2章英雄闘拳地区予選

ゴブリンの襲撃3

　魔王はスキルを発動し、扉を破壊の弾丸でぶち壊し、中へ入る。
　全ての罠トラップが解除された。
　驚愕のような態度を取る老龍騎士から察するに、どうやらあらかじめゴブリン女王の居場所は知っていたようだ。
　しかし、今そんな詮索をしてる暇はない。
　とにかく、前へ進む。
　魔王が扉の中に足を踏み入れた途端に、老龍騎士に呼び止められた。

「待つのじゃ」

「なんだ……じじい」

「頼みがあるのじゃ」

　思い詰めたような老龍騎士の態度に、アカリは心配の眼差しで、囁く。
　ずっとそうしてれば、綺麗で、可愛いらしい性格の奴なのだが。

「体調が悪いんですか？」

「大丈夫じゃよ……魔王よ……聞いてくれるか？」

　魔王は冷徹な青眼で、振り返り、面倒くさいと云った口調で対応する。

「早く言え」

「ゴブリン女王を助けて欲しいのじゃ」

「何？」

「魔王の力でじゃ」

「詳しく話せ」

「現在ゴブリン女王は生殖器の機能が退化し、新たな強い遺伝子のゴブリンを産めなくなっているのじゃ。だから、その生殖器をお主に創造して欲しいのじゃ」

　生殖器を創造して欲しいという言い分は理解したが。
　なぜ、この老龍騎士は俺の創造特殊能力を知っている。
　ルル以外は誰にも見せた覚えはないはずだ。
　もしかしたら、特殊能力やスキルを判別できるスキルを持っているのか。
　いや、そんなもの俺のチートの右手以外は無い。