最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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2章英雄闘拳地区予選

ゴブリンの襲撃2

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 魔王は怒りを押し殺し、前へと進む。
 すると、アカリはこう言った。

「悪はいつか滅びるわ。歴史上の悪人は悲惨な死を遂げる」

 また、正義気取りの説教か。
 血反吐が出るぐらい鬱陶しい女だ。
 魔王は再度振り返り、嘲笑った顔で

「歴史が嘘であるとお前は疑ったことはないのか? 現にこの世を支配しているのは悪だ? 善良なる者は周囲から嫌われる。なぜなら、周りに何の恩恵をもたらさない。ただ、自己満足のために、正義を謳っているに過ぎない」

「そんなことはないわ!」

「……フフフ……」

「私は英雄を倒して、この世界を平和に導く」

「英雄?」

 魔王は女神の下界に降りてきた意味はまだ知らない。
 女神は魔王には絶対に頼らないと、決めていたので、真実は話さない。

「何でもないわ。ただ、あなたはいつか神に裁かれる。いや、その前に私が裁きを下すわ。女神の名において」

「フフフ……それは楽しみだ」

         *

 そして、砂で構築されたと見られる、螺旋状の地下階段にたどり着く。
 近い。
 そこを魔王は興奮気味に降りて行く、その後に追随するのが不安げなアカリと足取りの重い老龍騎士。
 そして、ようやく行き止まりの扉が待っていた。
 一際白い石で作製された、特殊な施しのある扉。
 取っ手もなく、どうやって開閉すれば良いか分からない。
 試しに、右手にやや大きめなミミズを出現させ、その扉に放つと、強烈な雷が幾重にも走り、ミミズを消失させた。
 この程度の雷の魔力なら、無効スキルで対処出来る。
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