最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

1章女神の願い

1章43話許さない

　すると、アカリは驚愕した紫眼で、赤箱を目にし、声を震わしながら、魔王に問い掛ける。

「……今王国中で話題になってる大規模な大火事の犯人って……まさか……あなた」

「だとしたら、証拠はあるのか？」

「あなた……私は事件のあった日にその周辺にいたわ。その時、空からこんなものが落ちてきた」

　アカリがアイテムボックスから転出したのは、あの赤箱だった。
　中には一つの火弾が残っていた。
　魔王は冷静さを装う、
　
「このぐらいアイテムならどこにでも売っている。それで、俺を犯人扱いするのは浅はかじゃないか？」

「どこにでもですって？　このアイテムは特注よ。威力も相当あるようだし。そこら辺りのアイテム師じゃまず作製出来ない。考えられるのは、あなたと意志疎通をしているルルという謎の妖精ね。実体があるかどうか分からないけど」

　魔王は一転して、開き直る。

「ふんっ。俺が犯人だとして、こんなゴミクズの国を燃やして何が悪い？　俺は破壊という変革しているのだ！　寧ろ感謝するべきだ」

　その時、激情したアカリは魔王の脇腹に剣を突き刺す。
　しかし、魔王から血が流れないどころか、痛みも感じないどころか、不敵に笑っていた。

「貴様は今、咎め人と同等の行為をした。自覚はあるのか？」

「あるわ。今から神聖騎士団に自主してもいいわ」

「ふんっ……弱い癖に意地を張って、滑稽だぞ？」

「ところで、あなたはなぜ、血が流れないの？　確実に急所を狙い、前のめりに、倒れるはずだった」

「フフフ……知りたいか？」

「不死身？」

「さて、俺は帰る」

　次の瞬間、魔王は飛行スキルで上昇する。

「あっ！　待ちなさい！」

「命拾いしたな……じゃあな」