最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

一色

文字の大きさ
上 下
47 / 140
1章女神の願い

1章40話衝撃

しおりを挟む
 場と相手が悪いのは確かだろう。
 アカリは店が崩壊するのを危惧し、あえて力を抑え、なかなか強い攻撃に至れない。
 一方、デストロは防御に徹していれば、後はじわりじわりと相手が弱るのを待てばいいだけだ。
 勝負あったな。
 そして、三度目のアカリの攻撃の瞬間、火力が不十分なためか、デストロは簡単に回避し、速効の反撃の右手で、アカリの細い首を掴み、締め上げる。

「あっああああ」
 
「ギャハハハハハ……雑魚が粋がってるからこうなる」

「早く……この店から出て行きなさい」

「口だけは達者だな……なら、その生意気な口が出来ないようにしてやる」

 醜悪に満ちた左目が笑みを浮かべ、開いた左手で、アカリの胸に近づく。
 ヒヨリの穏やかな表情が一変し、目を見張る。

「アカリ!」

 そして、デストロの左手がアカリの天衣に触れようとした瞬間、右方向から凄まじい左手の拳が顔面に炸裂し、

「あ?」

「邪魔だ」

 入口の店ごと破壊し、圧倒的な爆発音共にデストロを吹き飛ばした。
 場内は騒然となる。
 アカリは咳をしながら、放心状態で崩れ落ちる。
 魔王はアカリに心配の情を掛ける訳でもなく、鼠に企みの笑みを漏らす。

「鼠!」

「はぁぁい……」

 あたふたしながら、恥ずかしい声を上げる鼠。

「俺が今日からこの店のオーナーとなってやる。いいな?」

「えええ……いや、でも……」

「まさか、拒否する気か? 何なら、この店潰してやってもいいぞ?」

「いえいえ……そんなことはありません」

「クックックックッ」

 そして、魔王はヒヨリや他の従業員美女にも促す。
 
「というわけだ……」
 
 皆は訳も分からず、ただ頷く。
 ヒヨリだけは、悲しげに黙っていたが、やはり、奴隷の素質のある奴は手中に治めるのが容易い。 
 奴隷はどこいっても一生奴隷なのだ。
 俺の下で、立派に一生奴隷として務めを果たせ雑魚共。
 円形の破壊現場からデストロが顔面に血を流しながら、立ち上がる。

「てめぇ……良くもやってくれたな」

「まだ、生きてたのか」

 次の瞬間、魔王は今度は強力な破壊の巨大左拳で、デストロの顔にぶち込み、天井を貫き、天へ吹き飛ばした
 瞬殺だった。

「ガガガガガガガガ」

 凄まじい音が鳴り響き、天井には歪な形状の巨大な穴が出来た。

「フハハハハハハハ……弱過ぎる……弱過ぎる……弱過ぎる……こんな奴が英雄なのか……がっかりだ」


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

処理中です...