最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

1章女神の願い

1章36話魔王緊張

　店内は青いライトに包まれた心地良い部屋だった。
　観賞用植物の隙間から見える黒いソファー。
　支配人らしき背の低い鼠の男がいた。
　丸眼鏡を掛け、びくびくと怯えた様子で、話し掛ける。

「お一人様でしょうか？」

「ああ。早く案内をしろ」

「あれ？　VIP様……」

「鼠！　早く案内しろ」

　魔王は強烈な青眼で、鼠男を恐怖で震えさせる。
　
「ああ。申し訳こざいません。すぐに案内致します」

　鼠男はすぐさま、低姿勢にひれ伏した。
　こいつは、奴隷にするのは容易いな。
　そして、魔王は隅にある座席に座った。
　Ｌ字の大型の黒ソファー。周囲のレンガ調の壁には女神の肖像画飾られている。
　天井には、青い光を放ち、くるくると回る電灯。
　すると、可愛いらしい女の子が右隣に座って来た。

「すいません～」

　気の抜けたような声。
　座った瞬間、魅惑的な女の匂いがし、興奮がマックスになる。
　同時になんか、緊張してきて、手や脚が震える。
　馬鹿野郎。何を緊張する？
　俺は魔王だぞ？
　震える手を押し殺し、少し声を裏返しながら、顔を上げる。

「あっ」