最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

1章女神の願い

1章26話脅し1

　その時、三人組の男達がやってきた。
　魔王とアカリは木から降りる。
　魔王は不敵に笑い、装束を翻し、手を出す。

「金をよこせ」
　
　この魔王……本当に最低な男かもしれない。
　なぜ、こいつにあの話を打ち明けたのだろうか。
　今になってとんでもなく後悔するとは。
　アカリは魔王の悪業を平気で行う姿に唖然とする。
　すると、洒落た銀髪、黒服、V字の黒サングラス、黒色マスクに身を包み、強力なスナイパーを携え、スコープで眺める男。
　次は山男と云った印象の、大柄な体格で、汚い茶髪、もじゃもじゃとした茶髭、質素な藁の装束の男。
　最後は、ワックスで光沢されたオールバックの赤髪、強めな眼力、自信過剰な表情、赤黒の防具一式に身を包んだ男。
　リーダーと思われる赤髪の男が指を指して、鬱陶しい大声で、

「誰やぁぁぁぁぁ！　金を寄越せやと言ったのは？」

「やかましい奴らだ。いいから、金を俺の口座に振り込め、クリムトと検索すれば、出てくる」

「そんなふざけた要求飲める訳ないやろ」

「ふざけた？　こちらは至って真剣だ」

　この魔王の暴走を止めれるのは私しかいない。
　アカリは魔王を制止しようと、口を挟もうとするが。

「こんな卑怯なやり方……」

「鬱陶しい。下がれ」

　魔王はアカリを横に突き飛ばす。

「痛っ」