最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

1章女神の願い

1章19話生意気な

「やかましいわ！！」

「えっ」

「黙れと言ってるのが聞こえないのか。下賊な女神め」

「はぁい？」

　この男何様なの。

「何だその挑発的な態度。新人の癖に、生意気だぞ」

　坊主男は陰険な顔で、見下す。
　あれ？
　称号がおかしい。
　アカリは挑戦的な紫眼のまま、右手を翳し、緑色の魔力を漂わせた。

「経営者ではなく、魔王？　しかも、なせだか、称号に改造（チート）がされている」

「貴様……俺様の改造を」

「……魔王ってニ年前に死んだはずよ。あなたが魔王であるはずはないわ」
　
　魔王は改造を見破られ、アカリの細い首を右手で掴み、上げる。
　アカリは苦しいはずなのに、抵抗の両眼は変わらない。

「殺せるものなら殺しなさいよ」

「ふてぶてしさは認めやろう。だが、答えろ。どうやってこの俺様が施した改造（チート）スキルを見破った？」

「やっぱり、あなたがやったのね。これは王神に対する畏敬よ。重罪に値する」

　魔王は更に強く締め上げ、本気で殺しにかかる。
　アカリは気を失いそうになるも、抵抗やめない。

「私の治癒特殊能力持ち主……治癒は生物を扱う能力。その特殊能力から派生したスキルに種族確認スキルというのがあるの。そこから、応用して、職業確認スキルを利用した」

「長々と。勝ったつもりか？」

　魔王は怒り青眼に込め、面倒臭くなったのか、アカリを解放し、押し飛ばした。
　アカリは息を整え、睨む。

「女だからって情を掛ける気？」

「治癒特殊能力者……ということは、ここで、俺様が貴様を殺したとしても、治癒スキルを使って、復活するのだろ？　だから、あのような挑発した態度を取った訳だ」