最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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1章女神の願い

1章16話牙を向ける

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「ど、どうしてです!?」

「当たり前のことでしょ……世界十聖鬼傑団(セカイジュウセイキケツダン)の一つである正義の神英雄団を敵に回す馬鹿な奴なんてどこにいる? わざわざ、世界や民衆の怨みを買った悪敵になり、倒されにいくようなもんだ」

「このままでは、世界は滅びてしまいます」

「世界? 滅びた同然のうちには関係ないね……あっ」

 今まで、険しい態度を維持してきた金髪の男が顔を歪める。
 アカリは怪訝になり、首を傾げる。

「痛ぁい」

「はい?」

「痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」

 金髪の男はわんわんと喚き、動かしながら、激痛が走る脚を押さえる。
 緊張感が解け、唖然とするアカリ。
 そして、金髪の男が落ち着き、話が再開される。

「悪かったね」

「いえ」

「うちら弱小団(ギルド)が神英雄団と対立するなんてことは絶対に承諾はしない。これは僕団長の意向さ。でも、君がうちのギルドに加入するのは認めよう。君が勝手に英雄でも魔王でも倒すんなら、大歓迎だ。倒せば、ウチとしては、名誉なことだし、寄付金も増えるかもしれない。けど、最悪な事態や敗北したりすれば、うちらは知らぬ存せずを通すよ」

 アカリは挑戦的な紫眼は変わらず、不満は口に現す。

「それじゃ。私一人で戦ってるのと変わらないじゃないですか!?」

「うちのギルドはね待遇はいいんだよ……出来高制だ」

「毎月の固定の報酬は?」

 金髪の男はそっぽを向き、顎を掻く。

「まあ、昔はあげてたんだけどね。またご時世になっちゃうけどさ? 分かるよね?」

「……」

「まあまあ、とにかくさ。うちで地道にサークル活動とやらを頑張ってよ。あっ僕は団長のライトハイザー」

「いや、サークル活動と一緒にしないでください」

 金髪の男は立ち上がり、不満げなアカリの肩を叩く。
 しかし、アカリはその手を振り払い、疑問を解消するために立ち上がる。

「他に団員がいると聞きましたが、お留守ですか?」

「あ……今日、みんなで魔獣狩り行こうって召集掛けたんだけど、このように一人も集まらなくてさ。はぁ、参っちゃうね。本当は他に五人メンバーがいるんだけどね。なかなか、曲者揃いで、困ってた所に、君のような優秀で、真面目な女神ちゃんが来てくれて大歓迎だよ」
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