最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

1章女神の願い

1章12話お願いします

　
　魔王が笑っている前のカウンターで、白豚の店長が腕を組み、険しい表情で、画面に向かって呟く。

「ひでぇもんだ……ゴーストタウン……西地区の方の民家は全焼で、ほとんどの奴が死んじまった。誰がこんなことをやったんだ」



　　　　　　　　　　＊

「お願いします！　英雄を倒しませんか？　見るだけでも！」

　また、アカリは路上でビラを配りながら、真剣に人々に訴える。
　そして、いつものように無視や罵詈雑言を浴びせられ、悲しく、帰って行く。
　折れそうになる心を奮起し、大依頼所へと足を運ぶ。
　そこは四階建ての格式ある、趣深い茶色の建物。
　そして、アカリはすぐさま、真ん中の円形のカウンターの受付へ向かう。
　顔馴染みの猫顔の受付嬢が対応する。

「あの、英雄を倒してくれる有力ギルドは見つかりましたか？」

「あっ。アカリさん……残念ながら、まだ連絡は来てません」

「もう、この際初心者冒険者でも構いません。また、募集を掛けてください」

「は……い」
　
「お願いします。時間がありません」

　熱心に迫るアカリ。
　すると、受付嬢は少し溜息を付き、意を決して、彼女に告げた。