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1章女神の願い

1章2話女神の職業を与える

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 目覚めた時、そこは眩い光が広がる空間だった。
 雲が絶え間なく流れ、風が優しく吹かれ、空を浮遊する。

「どこ?」

 すると、アカリの目の前に光の巨大な人型が現れる。
 見上げるのも疲れるぐらいの巨大な光。
 突如、X状に光が一段と光り、神の声が聞こえた。

「そなたは交通事故で不幸な死を遂げた」

「私が死んだ?」

 状況が掴めず、混乱するアカリ。
 すると、また光が一段と輝く。

「落ち着くが良い」 

 アカリはクリーム色の髪を揺らし、紫眼に涙を浮かべ悔しさを訴える。

「落ち着くですって!? そんなの無理よ! 死んでるのよ! まだ、私は高校生だったのに、やりたいことがまだまだいっぱいあったのに! 勉強やスポーツ、恋! 何で私が死なないといけないのよ!」
 
「可哀想な少女よ」

「私は……可哀想という哀れみの言葉はいらない! 私の命を返して!」

「落ち着くが良い」

「だから、落ち着ける訳ないでしょ! 何度も言わせんな!」

「あっ……そうか。それは、すまんな。では神の話を少し聞いてはくれぬか?」

「はぁ!? 神ですって!? 今そんな馬鹿馬鹿しい奴と話をしてる場合じゃないわ! いいから私の命を返してって言ってんのよぉ!!!!」

 アカリは悔しく仕方が無く、声を荒げる。

「いや、それは無理な相談なのじゃ」

「じゃあ! 話し掛けないでよ!」

「あっ……いや……そうじゃ。簡潔に話そうか。異世界で女神をやってみないか?」

「異世界? 女神? 私は馬鹿にする気? そんな出鱈目な空想で哀れむつもり!?」

「いや、そういう訳じゃないのだよ」

「あああ! もういいから消えてよ!」

「お嬢ちゃん? そんな邪険にしないでおくれ」

「はぁ……まあ、そうね」

「元の世界には戻れないが、異世界で女神として生きることは出来るのじゃ? 悪くない話じゃ」

「私は本当に元の世界には戻れないの?」

「そうじゃ」

「そう……」
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