最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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1章女神の願い

峠2

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 そして、アカリはあの石の階段へと戻ることが出来た。

「ありがとう」

 目の前には身長1メートル80センチの黒装束を纏った、青眼の男。
 坊主頭が特徴的。
 陰気な眼差しで、こちらを見下ろす。
 階段の側に目を向けると、さっきの騎士一人が血を吐いて倒れていた。
 彼が退治してくれたのかしら。

「私はアカリ。あなた名は?」

「クリムト……いや、違うな。俺は今日魔王となる、だから、この名は捨てる」

「魔王? 魔王ってつい先日、死んだじゃないの?」

「魔王はまだ棺の中で、生きている。だから、魔王を殺して、代わりに俺が魔王となる」

「はい?」

 何を言ってるのこの人。
 突如、強烈な風が吹き、視界が不良となる。

「きゃぁ」

 そして、風が止むと男は消えていた。

「あれ、あの人……」
 
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