上 下
22 / 22
バーのメニュー表

第22話 ステータスウィンドウを手に入れろ⑦

しおりを挟む
 話を戻して

 博人は1階の掲示板前を後にして、《ベアーズ》に向かった。
 中を見ると、チャッピーが大急ぎで仕事をしている。

「ちょっとまってねー。今お金わたすヨー」
「チャッピーはやくー!」
「あわわわ。まってまってー」


 ここも大盛況のようだ。


 博人はチャッピーにも話しかけず、2階へ向かった。
 逆に2階にはあまり人がいなかった。

 それもそうだろう。ここは買う場所だ。
 今はみんなが売りたい時期だ。適していない。

 ―――だからこそ、ここに来る人は少ない。

 そう思い、会員制のバーがある方から探索を始めた。

 会員制バー。
 今は『OPEN』の文字が書いてある。プレートにはメニューが書かれている。

【観察眼(小)】メニュー表→メニュー表。

 会員制なのに、メニューが外に出ているのはレアなケースだ。
 この場所の価値は機密性、安全性、そして優越感だ。
 そこにわざわざ、身元の知れない客を呼び込む必要はない。


 博人は注意深く、メニュー表を読んだ。


『メニュー(本日のおすすめ)
 しか肉のジビエ
 かいそうサラダ
 しゅうまい
 えんどう豆のスープ   』


 わざわざ『本日のおすすめ』とつけているのがいやらしい。
 ――これは、下準備も必要になってくる。

 博人は一度その場は離れ、他の場所を見て回る。


 博人はトランが武器を売る《アクトル》を飛ばして、アイテムショップの1つに入った。

 ここを選んだのには理由があった。
 店前にビーカーやフラスコなど理科で使う道具が多く展示されていたからだ。


 ここならぼくの欲しかったアイテムが見つかるかもしれない。


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...