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第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第13話 狩る側の魔法少女たち その三
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リプリンは合計3トンに迫る巨大ボルークの亡骸の前で張り切っていた。
このボルークの肉はビタミンの補給にいいらしいと聞いている。
リプリンにとってビタミンとは、美味しい食べ物に入っているもののことなのだ。
是非とも全部持って帰りたいと考えていた。
リプリンが大型バスくらいの大きさに膨れあがり、ボルーク二体を見事に完食、もとい完全に呑み込んでしまった。
そして何事もなかったかのように元の大きさに戻る。
以前リプリンは、呑み込めるのは無生物だけだと言っていたことがある。
白音たちをスライム毛布で包み込んだ時は、呑み込むのではなく自分が大きくなって包み込んでいただけなのだそうだ。
従って白音を呑み込んで小さくするようなことはできないらしい。
もっとも、「生きていても食べちゃえば、最終的には呑み込むのと一緒」と悪い顔をして物騒なことも言っていた。
ボルークが呑み込めたということは、きっちりとどめを刺せていたということだろう。
リプリンが躍り食いをしたのでなければ、だ。
ちびそらもその一部始終を、白音の胸の谷間から見ていた。
リプリンの圧巻とも言える魔法にちょっと理解が追いつかなかったようで、口を開けて呆然としている
「あ、ああ。あの子、スライムなのよ」
白音がそう説明してやると、ちびそらは少し考え込んだ。
スライムを検索しているのだろう。
「スライム……。検索に該当無し」
クラウドが利用できないので、内部にあるデータしか参照できないのだろう。
それになんだか以前よりスムーズに喋れていない気もする。
感情があまりこもっていなくて、まるでAIアシスタントみたいになってる。
それで白音は、スタンドアローン状態だからちびそらの処理能力が落ちているのだと気がついた。
白音は自分のスマホを取り出してちびそらと連携させた。
やり方はそらから聞いている。
並列、分散処理をさせることでちびそらの演算能力が上がるのだ。
「いつきちゃんのスマホともリンクさせていい?」
「もちろんっす」
二台のスマホとちびそらを連携させることで、少しは性能が向上したと思う。
しかしクラウドを利用することはできないので、膨大な知識は失われたままだ。
「最適化処理開始」
そう宣言してちびそらは大人しくなった。
ネットワークに本人とスマホ二台という環境において、最適なアルゴリズムを構築しているのだろう。
「さてと」
ようやくひと息ついて、白音は辺りを見回した。
「何か探してるんすか?」
その様子を見て、いつきか尋ねた。
「綺麗な水辺がどこかにないかなと思って」
濁っていない川か泉のようなものがあれば、白音はそこで体を綺麗にしたいと考えていた。
実は湿地帯に来ると決まった時から企んでいたことなのだが、戦いを終えてみんな酷い有様になってしまった。
このまま帰ったらゾンビの行進みたいに見えるだろう。
もちろんちびそらだって一緒に胸の谷間にいたから血まみれだ。
メイアが見たら心配してしまう。
「わたしが泉に化けよっか?」
多分ひとりだけ、いつでも清潔でいられるリプリンが提案した。
「いや、それ……。めちゃくちゃ恐いトラップよね……。昔話かホラー映画にでも出てきそうだわ……」
そもそも、リプリンの中に泥や血の汚れを洗い流すなんて酷いこと、白音たちにできるわけがないのだ。
背の高い葦の群生林が一番目につくが、葦原はその足下に泥が溜まると聞いた覚えがある。
綺麗な水があるとすれば、やはり樹林帯の方だろう。
「リプリン!」
はっと何かに気づいた白音が、リプリンの両肩を掴む。
「あい!?」
「新鮮な水の匂い、どこかからしない? 淀んでない奴」
「あっちかな?」
リプリンは匂いを嗅ぎもせず、すぐに一方を指さした。
初めからそちらに綺麗な水があることを知っていたのだろう。
動物には多かれ少なかれ、水を探し出す能力が備わっている。
それが生死を分けることになるからだ。
殊に嗅覚が鋭敏なリプリンは、無意識のうちに匂いでその存在に気づいていたらしい。
おそらくは本能のなせる業なのだろう。
しかしそうするとやはり、さきほどの泉に化ける話は、ホラー演出をしたかっただけなのか……。
「ま、まあいいわ。ありがとっ! これで魔法少女の体面は保てそうね」
リプリンが教えてくれた方向に少し歩くと、果たして流れの穏やかな清流が見えてきた。
おあつらえ向きに沐浴できそうな深さもある。
「ほんとにありがとっ!!」
白音はリプリンに感謝して抱きしめた。半ば乾きつつある泥と血が、ぐっちゃりとリプリンに移る。
先程水のありかを教えてくれた時にも抱きつきたかったのだが、汚しては悪いと思って遠慮していた。
しかしもう我慢することはない。
白音は汚れをなすりつけ合ったままリプリンを抱え上げ、そのまま清流へざぶざぶと入って行く。
「んひゃぁ!!」
リプリンが嬉しそうな悲鳴を上げる。
「姐さん、寒くないんすか……」
ちびそらはどうやらいつきのもとが落ち着くらしく、今は彼女の手の中にいる。
そのちびそらを大事そうに抱えたまま、いつきが恐る恐るといった感じで清流に手を漬けてみる。
「変身してれば平気よ。冷たくないでしょ? 」
確かに氷水のような水温なのに手は平気みたいだった。
「でも変身解かないと、体が洗えないっすよ」
いつきがそんな風に言うのを聞いて、白音は「あれ?」と思った。
まあ体験してみれば早いかと考えて、白音はいつきの手を取った。
「ん、ちょっ……?! うわっす!!」
そのまま腕を引っ張って、清流に引き込む。
水の中から引っ張られたいつきは白音の引力に抗う術もなく、頭から水の中へと飛び込んだ。
いつきの手の中にいたちびそらは、一緒に飛び込まされる前にぴょんと跳んで岸辺に逃れる。
最適化中でぼうっとしていたはずだが、こういう時は緊急回避プログラムが働くらしい。
白音は水中でもがくいつきから、魔法少女のコスチュームを手際よく剥ぎ取っていく。
抵抗する弟妹を風呂に入れるのは、白音の得意技だった。
「え、あれ……? いや…………」
水面から顔を出したいつきは、一糸纏わぬ素っ裸にされていた。
「これ、脱げるんすね…………」
「ふふ。変身したまま脱がされたことないから知らなかったのね」
笑いながら白音も自分のコスチュームを脱いでいく。
普通に変身を解いただけだったなら、寒くて凍えてしまうところだ。
「ちびそらちゃんもおいで。洗ってあげる。水に濡れても平気なんでしょ?」
ちびそらはやや考えた後、白音の肩を目がけてぴょんと跳んだ。
白音は、ちびそらのコスチュームも脱がせて丁寧に洗っていく。
千切れた右腕の痕が痛々しかったが、傷は塞がり始めているようだった。
自然治癒できるらしい。
やはりちびそらはただの人造物ではない。
生命と呼べるような存在であるらしかった。
綺麗に治りますようにと白音は願う。
いつきも自分の体を綺麗にしながら、ふと尋ねた。
「そう言えば姐さんは、変身したままコスチュームを脱がされたことあるんすね」
「え?」
どうやら白音は失言をしてしまっていたらしい。
返答に詰まってしまう。
「……あ。や…………」
白音は既に、追い込まれていた。
「それはねー」
リプリンが平泳ぎをしながら事の詳細を説明しようとした。
白音は慌ててリプリンに飛びかかり、水に沈める。
またどこかから口が生えてきても喋れないように、隈なく沈める。
あの時も、リプリンは白音の胎内ですべてを見ていたのだ。
絶対に語らせるわけにはいかない。
「検証をね、したのよ。検証。魔法少女って色々分からないことが多かったから。どうやったら変身が解けるのか、とか、解けないのか、とか……。検証よ? 検証」
「何回検証って言うんすか…………」
その時水の中からリプリンの声が聞こえてきた。
一体どうやっているのかまったく分からないが、水中で声を出しているらしかった。
少しくぐもっているだけで普通に聞き取れる声だった。
「わたし、白音ちゃんの内緒のこといっぱい知ってるから、あまり言えないの。詳しくはリンクスさんに聞いてね」
「あ、あー………………」
「……………………」
白音が真っ赤な顔をしていつきを見ると、いつきはついっと目を逸らした。
「よく、分かんないっすね」
年下の女の子に気を遣わせてしまった。
このボルークの肉はビタミンの補給にいいらしいと聞いている。
リプリンにとってビタミンとは、美味しい食べ物に入っているもののことなのだ。
是非とも全部持って帰りたいと考えていた。
リプリンが大型バスくらいの大きさに膨れあがり、ボルーク二体を見事に完食、もとい完全に呑み込んでしまった。
そして何事もなかったかのように元の大きさに戻る。
以前リプリンは、呑み込めるのは無生物だけだと言っていたことがある。
白音たちをスライム毛布で包み込んだ時は、呑み込むのではなく自分が大きくなって包み込んでいただけなのだそうだ。
従って白音を呑み込んで小さくするようなことはできないらしい。
もっとも、「生きていても食べちゃえば、最終的には呑み込むのと一緒」と悪い顔をして物騒なことも言っていた。
ボルークが呑み込めたということは、きっちりとどめを刺せていたということだろう。
リプリンが躍り食いをしたのでなければ、だ。
ちびそらもその一部始終を、白音の胸の谷間から見ていた。
リプリンの圧巻とも言える魔法にちょっと理解が追いつかなかったようで、口を開けて呆然としている
「あ、ああ。あの子、スライムなのよ」
白音がそう説明してやると、ちびそらは少し考え込んだ。
スライムを検索しているのだろう。
「スライム……。検索に該当無し」
クラウドが利用できないので、内部にあるデータしか参照できないのだろう。
それになんだか以前よりスムーズに喋れていない気もする。
感情があまりこもっていなくて、まるでAIアシスタントみたいになってる。
それで白音は、スタンドアローン状態だからちびそらの処理能力が落ちているのだと気がついた。
白音は自分のスマホを取り出してちびそらと連携させた。
やり方はそらから聞いている。
並列、分散処理をさせることでちびそらの演算能力が上がるのだ。
「いつきちゃんのスマホともリンクさせていい?」
「もちろんっす」
二台のスマホとちびそらを連携させることで、少しは性能が向上したと思う。
しかしクラウドを利用することはできないので、膨大な知識は失われたままだ。
「最適化処理開始」
そう宣言してちびそらは大人しくなった。
ネットワークに本人とスマホ二台という環境において、最適なアルゴリズムを構築しているのだろう。
「さてと」
ようやくひと息ついて、白音は辺りを見回した。
「何か探してるんすか?」
その様子を見て、いつきか尋ねた。
「綺麗な水辺がどこかにないかなと思って」
濁っていない川か泉のようなものがあれば、白音はそこで体を綺麗にしたいと考えていた。
実は湿地帯に来ると決まった時から企んでいたことなのだが、戦いを終えてみんな酷い有様になってしまった。
このまま帰ったらゾンビの行進みたいに見えるだろう。
もちろんちびそらだって一緒に胸の谷間にいたから血まみれだ。
メイアが見たら心配してしまう。
「わたしが泉に化けよっか?」
多分ひとりだけ、いつでも清潔でいられるリプリンが提案した。
「いや、それ……。めちゃくちゃ恐いトラップよね……。昔話かホラー映画にでも出てきそうだわ……」
そもそも、リプリンの中に泥や血の汚れを洗い流すなんて酷いこと、白音たちにできるわけがないのだ。
背の高い葦の群生林が一番目につくが、葦原はその足下に泥が溜まると聞いた覚えがある。
綺麗な水があるとすれば、やはり樹林帯の方だろう。
「リプリン!」
はっと何かに気づいた白音が、リプリンの両肩を掴む。
「あい!?」
「新鮮な水の匂い、どこかからしない? 淀んでない奴」
「あっちかな?」
リプリンは匂いを嗅ぎもせず、すぐに一方を指さした。
初めからそちらに綺麗な水があることを知っていたのだろう。
動物には多かれ少なかれ、水を探し出す能力が備わっている。
それが生死を分けることになるからだ。
殊に嗅覚が鋭敏なリプリンは、無意識のうちに匂いでその存在に気づいていたらしい。
おそらくは本能のなせる業なのだろう。
しかしそうするとやはり、さきほどの泉に化ける話は、ホラー演出をしたかっただけなのか……。
「ま、まあいいわ。ありがとっ! これで魔法少女の体面は保てそうね」
リプリンが教えてくれた方向に少し歩くと、果たして流れの穏やかな清流が見えてきた。
おあつらえ向きに沐浴できそうな深さもある。
「ほんとにありがとっ!!」
白音はリプリンに感謝して抱きしめた。半ば乾きつつある泥と血が、ぐっちゃりとリプリンに移る。
先程水のありかを教えてくれた時にも抱きつきたかったのだが、汚しては悪いと思って遠慮していた。
しかしもう我慢することはない。
白音は汚れをなすりつけ合ったままリプリンを抱え上げ、そのまま清流へざぶざぶと入って行く。
「んひゃぁ!!」
リプリンが嬉しそうな悲鳴を上げる。
「姐さん、寒くないんすか……」
ちびそらはどうやらいつきのもとが落ち着くらしく、今は彼女の手の中にいる。
そのちびそらを大事そうに抱えたまま、いつきが恐る恐るといった感じで清流に手を漬けてみる。
「変身してれば平気よ。冷たくないでしょ? 」
確かに氷水のような水温なのに手は平気みたいだった。
「でも変身解かないと、体が洗えないっすよ」
いつきがそんな風に言うのを聞いて、白音は「あれ?」と思った。
まあ体験してみれば早いかと考えて、白音はいつきの手を取った。
「ん、ちょっ……?! うわっす!!」
そのまま腕を引っ張って、清流に引き込む。
水の中から引っ張られたいつきは白音の引力に抗う術もなく、頭から水の中へと飛び込んだ。
いつきの手の中にいたちびそらは、一緒に飛び込まされる前にぴょんと跳んで岸辺に逃れる。
最適化中でぼうっとしていたはずだが、こういう時は緊急回避プログラムが働くらしい。
白音は水中でもがくいつきから、魔法少女のコスチュームを手際よく剥ぎ取っていく。
抵抗する弟妹を風呂に入れるのは、白音の得意技だった。
「え、あれ……? いや…………」
水面から顔を出したいつきは、一糸纏わぬ素っ裸にされていた。
「これ、脱げるんすね…………」
「ふふ。変身したまま脱がされたことないから知らなかったのね」
笑いながら白音も自分のコスチュームを脱いでいく。
普通に変身を解いただけだったなら、寒くて凍えてしまうところだ。
「ちびそらちゃんもおいで。洗ってあげる。水に濡れても平気なんでしょ?」
ちびそらはやや考えた後、白音の肩を目がけてぴょんと跳んだ。
白音は、ちびそらのコスチュームも脱がせて丁寧に洗っていく。
千切れた右腕の痕が痛々しかったが、傷は塞がり始めているようだった。
自然治癒できるらしい。
やはりちびそらはただの人造物ではない。
生命と呼べるような存在であるらしかった。
綺麗に治りますようにと白音は願う。
いつきも自分の体を綺麗にしながら、ふと尋ねた。
「そう言えば姐さんは、変身したままコスチュームを脱がされたことあるんすね」
「え?」
どうやら白音は失言をしてしまっていたらしい。
返答に詰まってしまう。
「……あ。や…………」
白音は既に、追い込まれていた。
「それはねー」
リプリンが平泳ぎをしながら事の詳細を説明しようとした。
白音は慌ててリプリンに飛びかかり、水に沈める。
またどこかから口が生えてきても喋れないように、隈なく沈める。
あの時も、リプリンは白音の胎内ですべてを見ていたのだ。
絶対に語らせるわけにはいかない。
「検証をね、したのよ。検証。魔法少女って色々分からないことが多かったから。どうやったら変身が解けるのか、とか、解けないのか、とか……。検証よ? 検証」
「何回検証って言うんすか…………」
その時水の中からリプリンの声が聞こえてきた。
一体どうやっているのかまったく分からないが、水中で声を出しているらしかった。
少しくぐもっているだけで普通に聞き取れる声だった。
「わたし、白音ちゃんの内緒のこといっぱい知ってるから、あまり言えないの。詳しくはリンクスさんに聞いてね」
「あ、あー………………」
「……………………」
白音が真っ赤な顔をしていつきを見ると、いつきはついっと目を逸らした。
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年下の女の子に気を遣わせてしまった。
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