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第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第12話 ボスボルーク(特殊個体) その一
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白音たちは、群れを率いるという巨大なボルークの討伐を引き受けることにした。
そのまま放置しておけば荒野にある小さな開拓村など、簡単に滅ぼされてしまいそうだった。
「今日はもうすぐ日が暮れます。ボルークは昼間活動しますので、明日にされるのがよろしいかと。今晩は私の家でお泊まり下さい」
開拓村の村長、アルノーがそう言ってくれた。
「ありがとうございます。でもその前に少しメイアちゃんと話がしたいのですが」
「メ、メイアが何かいたしましたでしょうか?!」
村長が慌てた。
この世界の住人からすれば、白音たちのような異世界人は皆、強大な力を持っている。
もし何か粗相があれば、大変危うい立場となってしまうだろう。
「いえいえ、そうじゃないです。お話がしたいだけです。ちょっと聞きたいことがありまして」
「そうですか……」
村長は幾分かほっとした様子で、メイアの家のことを教えてくれた。
「メイアは父親のニコラス、母親のペルネルと三人で暮らしています。ニコラスは、先程お話しした巨大ボルークを討伐しようとした際に大きな怪我をしまして、今は動けない状態です」
ニコラスは腕のいい狩人だったのだそうだ。
しかしボルークとやり合った際に脚に重傷を負い、寝たきりになってしまったらしい。
「病気や怪我で療養している者には村の共用分から食料を分け与えるのですが、今はこのような状態でして、十分なことがしてやれません。数が少ない肉は渡すことができず、小麦の配給だけになってしまっています」
白音はなるほど、それで村長の息子がメイアに「村のお荷物」と言っていたのだなと思い返す。
確かにここに来るまでの間に見かけた村人には栄養不良の兆候が見て取れたし、村長自身もやせ細って頬がこけてしまっている。
働くことができない者にそこまで構っている余裕はもうないのだろう。
村長からメイアの家の場所を聞いて、会いに行くことにした。
狩人である父親のニコラスなら、巨大ボルークのことも何か参考になる情報を持っているかもしれない。
◇
ここの村の人たちは皆、いわゆる開拓移民という奴だ。
それは『再開発』とでも言うべきだろうか。
魔族がいなくなって更地にされたこの土地を、再び人が住めるよう拓きに来たのだ。
現世界での各地の移民や開拓の歴史については、学校の授業でも時折教わる。
白音はその度に感じていた。
身ひとつで新天地へと移民して、そこでもし働けなくなるような怪我や病気をしてしまったらどうなるのだろう。
自分の体だけが資本の未開地で、動けなくなったらその人は一体どうなってしまうのだろうかと。
この村の周辺の地域は、元々魔族の国でも有数の穀倉地帯だったと白音は記憶している。
一旦荒野になったことで気候にどのような影響が出るのかは分からない。
しかしいずれはまた元の緑豊かな土地に戻るのではないかと白音は思っている。
川が流れ始めているのもそうなのだろう。
平地に水が浸入し、そこからやがて緑が広がっていくのだ。
もちろん自然の回復力に任せているだけでは、人が住むのに適した土地にはならない。
これから長い歳月をかけて、血の滲むような努力をしなければならないのだ。
それは魔族が何万年もかけて歩んできた発展の歴史を、この村の人族たちだけで再現するような作業なのだ。
白音は当然、この土地は魔族のものだと思っている。
しかし一方で、こうやって誰かが血や汗を流さなければ、自然はあっという間に魔族や人族の手を離れて、本当の意味での自然に還ってしまうだろう。
彼らは人の生存権を拡大していくために、命を懸けて過酷な仕事に従事しているのだ。
◇
「姐さん?」
「ああ、ええ。何?」
いつきに声をかけられて、白音は現実に引き戻された。
少し考え事に気をとられてしまっていたらしい。
「ボルークってそんな恐ろしい相手なのに、みんな食料にしてるんすか?」
「んー、本来はそこまで手強い相手じゃないのよ。大きさもイノシシよりは少し大きいかなって程度」
三人でメイアの家に向かっているのだが、リプリンを真ん中にして三人で手を繋いで歩いている。
リプリンのたっての希望でそうなっている。
「この前ランドルメアって食べたでしょ? 牛みたいな味のお肉。あれは結構凶暴で力も強いから、単独で狩るには人族だとちょっときついのよ。それと比べるとバアム……ボルークは手頃な獲物だと思うわ」
「そうなんすね……」
言いながらいつきは、ちらりとリプリンの横顔を見た。
確かそのランドルメアは、彼女がひとりで倒したと言っていた気がする。
「でも今回の、群れを率いてるっていうボルークはちょっと例外ね。魔核を持つ魔獣とは限らないと思うけど、特殊なのは間違いなさそう。大きくて凶暴な特殊個体だとすると、多分魔族でも相手をするのは手こずると思うわ。人族からしたらもう魔獣と大差ないわよね、そんなの」
そう言いながら、白音は少しも恐れている様子はがない。
気分は『食材調達』という雰囲気だ。
いつきはぶるぶるっと身震いをする。
白音がいなかったら、一体この村はどうなっていたのだろうか。
「村長さんが、カルチェジャポネに助けを求めたって言ってたっすよね。そこからイノシシ狩りのために、召喚英雄が派遣されてくるのを待ってたってことっすよね?」
「多分そうよね」
「よく分かんないんすけど、そういう助け合い制度みたいなのがあるんすか?」
「助け合うというか、この村がカルチェジャポネの傘下に入ってるってことだと思うわ」
「手下、みたいなことっすか?」
「んー……、まあ近いけど、もう少し薄い繋がりかな。税金か何かを納める代わりに、組織力で守ってもらえるって感じじゃないかな」
「そのやり口って、なんだかすごく裏社会っぽいんすけど……」
「……言われてみれば、確かにそうかも…………」
近隣の開拓村は荒事や困りごとの対策のために、召喚英雄の派遣を要請できる。
これはすなわち、カルチェジャポネが軍事力によって守ってくれているということだ。
そしてもちろん慈善事業でそんなことをやってもらえるはずがない。
代償に税として、金品を納めるよう要求されているのだろう。
これは、領主による統治と同義だ。
カルチェジャポネを盟主とする支配体制が周辺地域にまで及び、そして徐々に確立し始めている。
白音はそう感じた。
メイアの家を訪ねると、庭の方で彼女が独りで遊んでいるのが見えた。
彼女の家も、他の村人の家と似たような造りだった。
ただ狩人らしく、中庭には獲物を解体するための小屋が建てられている。
その小屋の前でメイアが、数え歌のようなものを歌っていた。
小さな布袋をふたつ、交互に上へと放り投げてお手玉をしている。
袋には何か粒のようなものが詰められているらしく、メイアが掴む度に小気味よくしゃりしゃりと音を立てている。
そしてすぐ傍に、木でできた小さな小さな手作りの椅子が置かれていて、そこに物言わぬちびそらが座っていた。
「メイアちゃん」
白音が声をかけると、メイアがはっとして振り向いた。
そしてちびそらを手に包み込むようにすると、慌てて家の中に引っ込んでしまった。
「あー…………」
三人の嘆息が揃った。
しかしメイアは、すぐに大人の女性を伴って戻ってきた。
多分母親のペルネルだろう。
「娘から聞いています。お手数をかけまして、申し訳ありません。中へどうぞ」
母親と一緒に、メイアもぺこりと頭を下げた。
母親は白音たちを居間に案内すると、水を出してくれた。
怪我をしているのは父親だと聞いていたが、母親の方もほんの僅かだか足を引きずるようにしている。
白音はそれが少し気になった。
母親はメイアと共に食卓につき、そしてメイアはちびそらを食卓の上に座らせた。
それはあたかもこの話し合いにちびそらも参加してもらおう、そう考えているような位置取りだった。
てっきり白音は、メイアから敵意を向けられるものと思っていたのだが、そうではなかった。
白音たちはちびそらの友人だと、ちゃんと認めてくれているようだった。
しっかりと白音たちの話に耳を傾け、理解しようとしてくれる。
だから白音の方もできるだけ分かりやすく丁寧に、ちびそらが置かれている状況を説明した。
母親のペルネルもちびそらが動いて喋っているところを見ていたそうで、『ちびそらは生きていて、ただの人形ではない』ということを知っていた。
つまり、娘が拾ってきたペットに本当の飼い主が現れた、という感覚でいるらしい。
ちびそらが聞いたら怒りそうだが、その点は話が早くて助かった。
「ちびそらちゃんを動けるようにしてあげたいんだけど、いいかな?」
白音は早くちびそらの無事が確認したくて内心焦っていたのだが、できるだけ落ち着いた口調でそう言った。
ちびそらが「電気さえあればまた話せるようになる」と言っていたらしいから、それは自己診断の結果だったのだろう。
魔力を込めてやれば、それが電力に変換されて充電される。
それでちびそらは無事意識を取り戻してくれるはずだ。
「うん。さっきはじゃましてごめんなさい。ちびそらちゃんをたすけてあげて」
メイアがちびそらをそっと手にとって白音に託す。
「ありがとう、メイアちゃん。じゃあ、やるね。驚かないでね」
そのまま放置しておけば荒野にある小さな開拓村など、簡単に滅ぼされてしまいそうだった。
「今日はもうすぐ日が暮れます。ボルークは昼間活動しますので、明日にされるのがよろしいかと。今晩は私の家でお泊まり下さい」
開拓村の村長、アルノーがそう言ってくれた。
「ありがとうございます。でもその前に少しメイアちゃんと話がしたいのですが」
「メ、メイアが何かいたしましたでしょうか?!」
村長が慌てた。
この世界の住人からすれば、白音たちのような異世界人は皆、強大な力を持っている。
もし何か粗相があれば、大変危うい立場となってしまうだろう。
「いえいえ、そうじゃないです。お話がしたいだけです。ちょっと聞きたいことがありまして」
「そうですか……」
村長は幾分かほっとした様子で、メイアの家のことを教えてくれた。
「メイアは父親のニコラス、母親のペルネルと三人で暮らしています。ニコラスは、先程お話しした巨大ボルークを討伐しようとした際に大きな怪我をしまして、今は動けない状態です」
ニコラスは腕のいい狩人だったのだそうだ。
しかしボルークとやり合った際に脚に重傷を負い、寝たきりになってしまったらしい。
「病気や怪我で療養している者には村の共用分から食料を分け与えるのですが、今はこのような状態でして、十分なことがしてやれません。数が少ない肉は渡すことができず、小麦の配給だけになってしまっています」
白音はなるほど、それで村長の息子がメイアに「村のお荷物」と言っていたのだなと思い返す。
確かにここに来るまでの間に見かけた村人には栄養不良の兆候が見て取れたし、村長自身もやせ細って頬がこけてしまっている。
働くことができない者にそこまで構っている余裕はもうないのだろう。
村長からメイアの家の場所を聞いて、会いに行くことにした。
狩人である父親のニコラスなら、巨大ボルークのことも何か参考になる情報を持っているかもしれない。
◇
ここの村の人たちは皆、いわゆる開拓移民という奴だ。
それは『再開発』とでも言うべきだろうか。
魔族がいなくなって更地にされたこの土地を、再び人が住めるよう拓きに来たのだ。
現世界での各地の移民や開拓の歴史については、学校の授業でも時折教わる。
白音はその度に感じていた。
身ひとつで新天地へと移民して、そこでもし働けなくなるような怪我や病気をしてしまったらどうなるのだろう。
自分の体だけが資本の未開地で、動けなくなったらその人は一体どうなってしまうのだろうかと。
この村の周辺の地域は、元々魔族の国でも有数の穀倉地帯だったと白音は記憶している。
一旦荒野になったことで気候にどのような影響が出るのかは分からない。
しかしいずれはまた元の緑豊かな土地に戻るのではないかと白音は思っている。
川が流れ始めているのもそうなのだろう。
平地に水が浸入し、そこからやがて緑が広がっていくのだ。
もちろん自然の回復力に任せているだけでは、人が住むのに適した土地にはならない。
これから長い歳月をかけて、血の滲むような努力をしなければならないのだ。
それは魔族が何万年もかけて歩んできた発展の歴史を、この村の人族たちだけで再現するような作業なのだ。
白音は当然、この土地は魔族のものだと思っている。
しかし一方で、こうやって誰かが血や汗を流さなければ、自然はあっという間に魔族や人族の手を離れて、本当の意味での自然に還ってしまうだろう。
彼らは人の生存権を拡大していくために、命を懸けて過酷な仕事に従事しているのだ。
◇
「姐さん?」
「ああ、ええ。何?」
いつきに声をかけられて、白音は現実に引き戻された。
少し考え事に気をとられてしまっていたらしい。
「ボルークってそんな恐ろしい相手なのに、みんな食料にしてるんすか?」
「んー、本来はそこまで手強い相手じゃないのよ。大きさもイノシシよりは少し大きいかなって程度」
三人でメイアの家に向かっているのだが、リプリンを真ん中にして三人で手を繋いで歩いている。
リプリンのたっての希望でそうなっている。
「この前ランドルメアって食べたでしょ? 牛みたいな味のお肉。あれは結構凶暴で力も強いから、単独で狩るには人族だとちょっときついのよ。それと比べるとバアム……ボルークは手頃な獲物だと思うわ」
「そうなんすね……」
言いながらいつきは、ちらりとリプリンの横顔を見た。
確かそのランドルメアは、彼女がひとりで倒したと言っていた気がする。
「でも今回の、群れを率いてるっていうボルークはちょっと例外ね。魔核を持つ魔獣とは限らないと思うけど、特殊なのは間違いなさそう。大きくて凶暴な特殊個体だとすると、多分魔族でも相手をするのは手こずると思うわ。人族からしたらもう魔獣と大差ないわよね、そんなの」
そう言いながら、白音は少しも恐れている様子はがない。
気分は『食材調達』という雰囲気だ。
いつきはぶるぶるっと身震いをする。
白音がいなかったら、一体この村はどうなっていたのだろうか。
「村長さんが、カルチェジャポネに助けを求めたって言ってたっすよね。そこからイノシシ狩りのために、召喚英雄が派遣されてくるのを待ってたってことっすよね?」
「多分そうよね」
「よく分かんないんすけど、そういう助け合い制度みたいなのがあるんすか?」
「助け合うというか、この村がカルチェジャポネの傘下に入ってるってことだと思うわ」
「手下、みたいなことっすか?」
「んー……、まあ近いけど、もう少し薄い繋がりかな。税金か何かを納める代わりに、組織力で守ってもらえるって感じじゃないかな」
「そのやり口って、なんだかすごく裏社会っぽいんすけど……」
「……言われてみれば、確かにそうかも…………」
近隣の開拓村は荒事や困りごとの対策のために、召喚英雄の派遣を要請できる。
これはすなわち、カルチェジャポネが軍事力によって守ってくれているということだ。
そしてもちろん慈善事業でそんなことをやってもらえるはずがない。
代償に税として、金品を納めるよう要求されているのだろう。
これは、領主による統治と同義だ。
カルチェジャポネを盟主とする支配体制が周辺地域にまで及び、そして徐々に確立し始めている。
白音はそう感じた。
メイアの家を訪ねると、庭の方で彼女が独りで遊んでいるのが見えた。
彼女の家も、他の村人の家と似たような造りだった。
ただ狩人らしく、中庭には獲物を解体するための小屋が建てられている。
その小屋の前でメイアが、数え歌のようなものを歌っていた。
小さな布袋をふたつ、交互に上へと放り投げてお手玉をしている。
袋には何か粒のようなものが詰められているらしく、メイアが掴む度に小気味よくしゃりしゃりと音を立てている。
そしてすぐ傍に、木でできた小さな小さな手作りの椅子が置かれていて、そこに物言わぬちびそらが座っていた。
「メイアちゃん」
白音が声をかけると、メイアがはっとして振り向いた。
そしてちびそらを手に包み込むようにすると、慌てて家の中に引っ込んでしまった。
「あー…………」
三人の嘆息が揃った。
しかしメイアは、すぐに大人の女性を伴って戻ってきた。
多分母親のペルネルだろう。
「娘から聞いています。お手数をかけまして、申し訳ありません。中へどうぞ」
母親と一緒に、メイアもぺこりと頭を下げた。
母親は白音たちを居間に案内すると、水を出してくれた。
怪我をしているのは父親だと聞いていたが、母親の方もほんの僅かだか足を引きずるようにしている。
白音はそれが少し気になった。
母親はメイアと共に食卓につき、そしてメイアはちびそらを食卓の上に座らせた。
それはあたかもこの話し合いにちびそらも参加してもらおう、そう考えているような位置取りだった。
てっきり白音は、メイアから敵意を向けられるものと思っていたのだが、そうではなかった。
白音たちはちびそらの友人だと、ちゃんと認めてくれているようだった。
しっかりと白音たちの話に耳を傾け、理解しようとしてくれる。
だから白音の方もできるだけ分かりやすく丁寧に、ちびそらが置かれている状況を説明した。
母親のペルネルもちびそらが動いて喋っているところを見ていたそうで、『ちびそらは生きていて、ただの人形ではない』ということを知っていた。
つまり、娘が拾ってきたペットに本当の飼い主が現れた、という感覚でいるらしい。
ちびそらが聞いたら怒りそうだが、その点は話が早くて助かった。
「ちびそらちゃんを動けるようにしてあげたいんだけど、いいかな?」
白音は早くちびそらの無事が確認したくて内心焦っていたのだが、できるだけ落ち着いた口調でそう言った。
ちびそらが「電気さえあればまた話せるようになる」と言っていたらしいから、それは自己診断の結果だったのだろう。
魔力を込めてやれば、それが電力に変換されて充電される。
それでちびそらは無事意識を取り戻してくれるはずだ。
「うん。さっきはじゃましてごめんなさい。ちびそらちゃんをたすけてあげて」
メイアがちびそらをそっと手にとって白音に託す。
「ありがとう、メイアちゃん。じゃあ、やるね。驚かないでね」
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