196 / 214
第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第11話 開拓村の小さなお友達 その一
しおりを挟む
白音、いつき、リプリンの三人は、召喚英雄たちの街『カルチェジャポネ』を目指し、馬車で荒野を旅している。
途中の村々に立ち寄り、はぐれた仲間たちの情報を求めながらの旅は、三日目の昼を迎えていた。
雑貨店の店主から安く売ってもらった馬車は、驚くほど乗り心地が良い。
はぐれ召喚者が金に飽かせて作った、というのはどうやら本当だったらしい。
板バネ式のサスペンションまで備えている豪華仕様だ。
御者を務める白音の両脇に陣取り、いつきとリプリンが眠りこけているのは乗り心地のせいだろう。
ふたりとも白音にしなだれかかっている。
白音はふたりを起こさないようにそっとブランケットを取り出すと、彼女たちに掛けてやる。
白音自身は魔法少女に変身した上でローブを纏っているのでまったく寒くはない。
しかし変身を解いてしまっているいつきは、風邪を引いてしまわないか少し心配だった。
リプリンの方は……風邪を引くことがあるのかどうかよく分からないが、念のためだ。
見張りの他に特にすることもないので、白音はちょっと試しに能力強化の魔法を使ってみた。
馬車を牽いてくれている二頭の重種の馬と、ついでに馬車自体も魔法の対象に含めてみる。
白音の固有魔法である能力強化は、白音が仲間だと認識していれば動物であろうと無生物であろうと効果を及ぼすことができる。
魔法にかけられた二頭の馬は、白音の方をちらりと見て小さく嘶いた。
馬車がぐいっと力強く牽かれて速度が上がる。
馬たちがアイコンタクトを取ったのは偶然ではないと思う。
能力強化によって彼らの知性も強化されているのだ。
二頭が互いにタイミングを合わせるようにしてくれるので、ほとんど御者の仕事がいらなくなってしまった。
これなら彼らと仲良くさえしておけば、誰が手綱を取っても平気だろう。
馬車の方はサスペンションの性能が相当上がっているらしい。
乗り心地が格段に良くなった。
それに確かめてはいないが多分、強度の方も戦車並みになっているはずだ。
しかしそれにしても、ほとんど路面からの振動が伝わってこなくなってしまった。
馬車の能力強化だけでここまで静粛になるものだろうか。
白音が不思議に思って観察していると、どうやら馬の方でも、あまり揺れないように気を遣ってくれているらしかった。
路面の凹凸や小石を巧妙に避けている。
「眠っているふたりを起こさないように走ってやろう」、そんな優しさすら伝わってくるようで、白音はちょっと感動してしまった。
◇
「フガッ!」
馬車に優しく揺られて眠りこけていたリプリンが、突然変な声を出して飛び起きた。
そして少し辺りを見回した後、口を大きく開けた。
ずおーーーっと大量の息を吸って口を膨らませる。
白音が呆気にとられて見ていると、隣で寝ていたいつきも目を覚ましたらしい。
「リプリンちゃん、どしたんすか?」
「さ、さあ…………」
まるで吸い込んだ息を咀嚼するかのように、口をもごもごと動かしている。
「何か食べる夢でも見てる……のかしら?」
しばらくそうやっていると、今度は唐突に白音の方を向いて叫んだ。
「あの腕と同じ匂いがする。ちびそらちゃんの匂い」
「!!」
どうやら寝ぼけていたわけではないらしい。
その言葉に、慌てて白音といつきも辺りを見回す。
しかしふたりには何も感じられなかった。
いくら眺めてみたところで、茫漠たる荒野がうんざりするほど続いているだけだ。
リプリンが今度は鼻をすんすんと鳴らし始めた。
匂いの来る方向を辿っているみたいだった。
「微かだけどあっちの方から漂ってくるの。他の人とか、いろんな匂いも混じってるけど」
白音は急いで地図を取り出した。
リプリンの指し示した方向には、どうやら小さな開拓村があるらしい。
「行ってみましょう」
「あい!」
「はいっす!」
乾いた荒野の地面を見れば、確かに人が往来している形跡が見て取れた。
数は多くないが、商路から逸れて蹄の跡や馬車の轍がつけられている。
リプリンの誘導に任せて、白音たちはその方向へと向かった。
轍を踏む形で馬車を走らせる。
すると、すぐに集落らしきものが見えてきた。
試しに白音も鼻をすんすんと鳴らしてみたのだが、匂いなどまったく分からなかった。
だいたい「ちびそらちゃんの匂いがする」と言われたところで、それが一体どんなものなのか想像もつかない。
魔族の国では、魔物の研究はそれなりに行われていた。
現世界ほど理論立てられた調査ではないが、通説ではスライムには視覚が無いとされていた。
明るさ程度なら感じているが、獲物などを見つけるのはそれ以外の感覚に頼っているらしい。
魔力か、振動か、匂いあたりを感じているのだろうと考えられている。
もちろん今のリプリンには明らかに視覚がある。
ただ生来の性質としてやはり、嗅覚もかなり優れているのではないだろうか。
リプリンがグルメな秘密がひとつ分かった気がする。
その集落の周囲は地面が削られて堀になっており、さらにその内側には盛り土がされていた。
だが入り口を見張る者は誰もいない。
いささか不用心に思えるが、簡素な木製の門は開け放たれたままになっている。
白音が門の付近に馬車を停めていると、
「こっち!!」
そう言ってリプリンが四つん這いになって、地面をクンクンと嗅いでいた。
彼女の鼻が、少し伸びて長くなっている。
内部の表面積を増やして感度を上げているのだろう。
実に理にかなっている、と白音は感心する。
感心はするが見た目がちょっと、人には見せない方がいいのかなと思った。
「犬じゃないんだから……」
それにそもそも、鼻で嗅がなくてもいいような気がする。
変幻自在の体を持つリプリンなら、たとえ足からでも匂いは嗅げるだろう。
だからこれは、気分の問題なのかもしれない。
「こっち、こっち!!」
リプリンが四つん這いで走っていくので、白音はちょっと人目を気にしながらついて行った。
「大丈夫っす。三人で普通に歩いてるだけに見せかけてるっす」
素早く魔法少女に変身したいつきが、既に幻覚魔法を使ってくれているようだった。
「ありがとう。さすがね」
幻覚で姿を見えなくして、村に入ったこと自体を知られないようにする選択肢もあったと思う。
しかし自分たちに疚しいところはないと示すためにも、堂々としていた方が良いだろう。
いつきが咄嗟にそう判断してくれたのだ。
堀に囲まれた集落はそう広くはない印象だった。
白音たちはその中を警察犬顔負けのリプリンに導かれて、あちらこちらと連れ回される。
何度も同じところを右往左往させられてその末に、民家が建ち並んでいる区画からは少し離れた場所へと出た。
居住用ではなさそうな単純な造りの丸太小屋があり、その向こうには村の外へと続く門が見える。
入ってきたのとはちょうど反対の方向へと抜ける道が続いているらしい。
「子供たちが遊んでるっすね」
いつきの言うとおり、何人かの子供がその小屋の前の空き地にたむろしていた。
寄せ集めの廃材や柴のようなものを燃やしている焚き火があり、どうやらその周囲で遊んでいるらしかった。
廃材とはいえ、この荒れ果てた土地では貴重な資源である。
当然再利用するべきものであり、子供が勝手に燃やしていいものではない。
彼らが親の目を盗んで火遊びをしているのだろう。
白音はそれを見て、どこの世界にも困った子供はいるもんだなと思った。
魔族だろうと人族だろうと、その辺りの事情は似たようなものだ。
しかし実のところ、白音からすればこの程度の悪戯は可愛いものだった。
ご近所から『ちびマフィア』と呼ばれていた佳奈や莉美、自分たちの幼少期はおよそこんなものではなかった。
白音たちの遊び方は、決して真似をしてはいけないものばかりだったと思う。
苦笑いしながらも白音はつい癖で、焚き火が小屋などに燃え移ったりしないかどうかにだけ目を走らせた。
若葉会で弟妹たちの見守りをしていた時の白音は、基本的に放任主義であった。
「嘘つき!!」
その時男の子の大きな声が響いた。
そして小さな女の子が男の子に突き飛ばされるのが見えた。
突き飛ばされた女の子は、手に人形を握りしめている。青いコスチュームを着ていて、片腕のない…………。
(ちびそらちゃん!!)
途中の村々に立ち寄り、はぐれた仲間たちの情報を求めながらの旅は、三日目の昼を迎えていた。
雑貨店の店主から安く売ってもらった馬車は、驚くほど乗り心地が良い。
はぐれ召喚者が金に飽かせて作った、というのはどうやら本当だったらしい。
板バネ式のサスペンションまで備えている豪華仕様だ。
御者を務める白音の両脇に陣取り、いつきとリプリンが眠りこけているのは乗り心地のせいだろう。
ふたりとも白音にしなだれかかっている。
白音はふたりを起こさないようにそっとブランケットを取り出すと、彼女たちに掛けてやる。
白音自身は魔法少女に変身した上でローブを纏っているのでまったく寒くはない。
しかし変身を解いてしまっているいつきは、風邪を引いてしまわないか少し心配だった。
リプリンの方は……風邪を引くことがあるのかどうかよく分からないが、念のためだ。
見張りの他に特にすることもないので、白音はちょっと試しに能力強化の魔法を使ってみた。
馬車を牽いてくれている二頭の重種の馬と、ついでに馬車自体も魔法の対象に含めてみる。
白音の固有魔法である能力強化は、白音が仲間だと認識していれば動物であろうと無生物であろうと効果を及ぼすことができる。
魔法にかけられた二頭の馬は、白音の方をちらりと見て小さく嘶いた。
馬車がぐいっと力強く牽かれて速度が上がる。
馬たちがアイコンタクトを取ったのは偶然ではないと思う。
能力強化によって彼らの知性も強化されているのだ。
二頭が互いにタイミングを合わせるようにしてくれるので、ほとんど御者の仕事がいらなくなってしまった。
これなら彼らと仲良くさえしておけば、誰が手綱を取っても平気だろう。
馬車の方はサスペンションの性能が相当上がっているらしい。
乗り心地が格段に良くなった。
それに確かめてはいないが多分、強度の方も戦車並みになっているはずだ。
しかしそれにしても、ほとんど路面からの振動が伝わってこなくなってしまった。
馬車の能力強化だけでここまで静粛になるものだろうか。
白音が不思議に思って観察していると、どうやら馬の方でも、あまり揺れないように気を遣ってくれているらしかった。
路面の凹凸や小石を巧妙に避けている。
「眠っているふたりを起こさないように走ってやろう」、そんな優しさすら伝わってくるようで、白音はちょっと感動してしまった。
◇
「フガッ!」
馬車に優しく揺られて眠りこけていたリプリンが、突然変な声を出して飛び起きた。
そして少し辺りを見回した後、口を大きく開けた。
ずおーーーっと大量の息を吸って口を膨らませる。
白音が呆気にとられて見ていると、隣で寝ていたいつきも目を覚ましたらしい。
「リプリンちゃん、どしたんすか?」
「さ、さあ…………」
まるで吸い込んだ息を咀嚼するかのように、口をもごもごと動かしている。
「何か食べる夢でも見てる……のかしら?」
しばらくそうやっていると、今度は唐突に白音の方を向いて叫んだ。
「あの腕と同じ匂いがする。ちびそらちゃんの匂い」
「!!」
どうやら寝ぼけていたわけではないらしい。
その言葉に、慌てて白音といつきも辺りを見回す。
しかしふたりには何も感じられなかった。
いくら眺めてみたところで、茫漠たる荒野がうんざりするほど続いているだけだ。
リプリンが今度は鼻をすんすんと鳴らし始めた。
匂いの来る方向を辿っているみたいだった。
「微かだけどあっちの方から漂ってくるの。他の人とか、いろんな匂いも混じってるけど」
白音は急いで地図を取り出した。
リプリンの指し示した方向には、どうやら小さな開拓村があるらしい。
「行ってみましょう」
「あい!」
「はいっす!」
乾いた荒野の地面を見れば、確かに人が往来している形跡が見て取れた。
数は多くないが、商路から逸れて蹄の跡や馬車の轍がつけられている。
リプリンの誘導に任せて、白音たちはその方向へと向かった。
轍を踏む形で馬車を走らせる。
すると、すぐに集落らしきものが見えてきた。
試しに白音も鼻をすんすんと鳴らしてみたのだが、匂いなどまったく分からなかった。
だいたい「ちびそらちゃんの匂いがする」と言われたところで、それが一体どんなものなのか想像もつかない。
魔族の国では、魔物の研究はそれなりに行われていた。
現世界ほど理論立てられた調査ではないが、通説ではスライムには視覚が無いとされていた。
明るさ程度なら感じているが、獲物などを見つけるのはそれ以外の感覚に頼っているらしい。
魔力か、振動か、匂いあたりを感じているのだろうと考えられている。
もちろん今のリプリンには明らかに視覚がある。
ただ生来の性質としてやはり、嗅覚もかなり優れているのではないだろうか。
リプリンがグルメな秘密がひとつ分かった気がする。
その集落の周囲は地面が削られて堀になっており、さらにその内側には盛り土がされていた。
だが入り口を見張る者は誰もいない。
いささか不用心に思えるが、簡素な木製の門は開け放たれたままになっている。
白音が門の付近に馬車を停めていると、
「こっち!!」
そう言ってリプリンが四つん這いになって、地面をクンクンと嗅いでいた。
彼女の鼻が、少し伸びて長くなっている。
内部の表面積を増やして感度を上げているのだろう。
実に理にかなっている、と白音は感心する。
感心はするが見た目がちょっと、人には見せない方がいいのかなと思った。
「犬じゃないんだから……」
それにそもそも、鼻で嗅がなくてもいいような気がする。
変幻自在の体を持つリプリンなら、たとえ足からでも匂いは嗅げるだろう。
だからこれは、気分の問題なのかもしれない。
「こっち、こっち!!」
リプリンが四つん這いで走っていくので、白音はちょっと人目を気にしながらついて行った。
「大丈夫っす。三人で普通に歩いてるだけに見せかけてるっす」
素早く魔法少女に変身したいつきが、既に幻覚魔法を使ってくれているようだった。
「ありがとう。さすがね」
幻覚で姿を見えなくして、村に入ったこと自体を知られないようにする選択肢もあったと思う。
しかし自分たちに疚しいところはないと示すためにも、堂々としていた方が良いだろう。
いつきが咄嗟にそう判断してくれたのだ。
堀に囲まれた集落はそう広くはない印象だった。
白音たちはその中を警察犬顔負けのリプリンに導かれて、あちらこちらと連れ回される。
何度も同じところを右往左往させられてその末に、民家が建ち並んでいる区画からは少し離れた場所へと出た。
居住用ではなさそうな単純な造りの丸太小屋があり、その向こうには村の外へと続く門が見える。
入ってきたのとはちょうど反対の方向へと抜ける道が続いているらしい。
「子供たちが遊んでるっすね」
いつきの言うとおり、何人かの子供がその小屋の前の空き地にたむろしていた。
寄せ集めの廃材や柴のようなものを燃やしている焚き火があり、どうやらその周囲で遊んでいるらしかった。
廃材とはいえ、この荒れ果てた土地では貴重な資源である。
当然再利用するべきものであり、子供が勝手に燃やしていいものではない。
彼らが親の目を盗んで火遊びをしているのだろう。
白音はそれを見て、どこの世界にも困った子供はいるもんだなと思った。
魔族だろうと人族だろうと、その辺りの事情は似たようなものだ。
しかし実のところ、白音からすればこの程度の悪戯は可愛いものだった。
ご近所から『ちびマフィア』と呼ばれていた佳奈や莉美、自分たちの幼少期はおよそこんなものではなかった。
白音たちの遊び方は、決して真似をしてはいけないものばかりだったと思う。
苦笑いしながらも白音はつい癖で、焚き火が小屋などに燃え移ったりしないかどうかにだけ目を走らせた。
若葉会で弟妹たちの見守りをしていた時の白音は、基本的に放任主義であった。
「嘘つき!!」
その時男の子の大きな声が響いた。
そして小さな女の子が男の子に突き飛ばされるのが見えた。
突き飛ばされた女の子は、手に人形を握りしめている。青いコスチュームを着ていて、片腕のない…………。
(ちびそらちゃん!!)
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説


転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる