191 / 214
第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第9話 奪う魔法、与える魔法 その四
しおりを挟む
魔族夫婦との別れを惜しみつつ、白音はいつきを抱きかかえ、白銀の翼を羽ばたかせて上空へと舞い上がる。
地上ではアレイセスとリビアラが手を振ってくれていた。
リビアラの胸で眠るアーリエの姿もしっかりと見える。
常に人族に追われる身ではあるが、なんとかアーリエを無事育てて欲しい。
白音は三人の幸せを祈らずにはいられなかった。
その時、アレイセスとリビアラが大きな声で叫んだ。
「なに味なのよー!!」
「え……?」
魔族夫婦に変な言葉を教えた犯人、リプリンがいつきのポシェットに収まったまま、悪そうな顔をしてにやりと笑う。
そうして白音たちは、大魔道の研究施設を後にした。
◇
いつきが幻覚魔法でごまかしてくれるおかげで、白音は魔族の姿のまま町の中まで飛んで行くことができた。
人々の真横をその翼で横切っても、つむじ風でも吹いたのかと思われるだけだろう。
誰にも見咎められる心配はない。
直接目的地まで飛ぶのなら、白音の飛行速度では一時間もかからない。
本当にあっという間だった。
仲間が支えてくれることで不可能だったことがどんどん可能になる。
白音は恵まれた仲間がいてくれることに感謝の気持ちでいっぱいだった。
白音たちは奴隷商の重厚な両開き扉の真正面に降り立った。
そのままほんの少しだけ待つと、いつきがこくりと頷く。
僅かの時間でいつきが、飛んできたことを誤魔化して不自然のないような幻覚を差し挟んでくれているのだ。
いつきは魔法少女の変身を解くと幻覚魔法が使えなくなるが、自身の変身を解きながら不自然のないように幻覚を上手く終息させていっているらしい。
器用なものだ
白音とリプリンは黎鳳女学院のセーラー服に、いつきは曙台中学のイートンジャケットの制服姿になる。
少なくとも白音とリプリンはすでにこの町の有名人になってしまっているらしいので、今更正体を隠したところで意味は無いだろう。
白音は堂々として、奴隷商の扉を開く。
奴隷商の『ててて店主』改め『店主』は、白音たちが入って来るのを見ると少し驚いた顔をしたが、すぐにこう言った。
「いくら何でも早すぎるだろ」
案の定、何もしてないんじゃないかと疑っていた。
元々鋭い眼光をより一層鋭くしている。
しかし白音たちもそれは想定済みで、落ち着き払っていつきが撮影してくれた証拠動画を見せる。
「向こうの世界の魔法技術って奴だな……」
店主もスマホやそれが持つ機能のことは知っているらしかった。
白音が強いことは噂である程度は知っていたのだろうが、動画の中で戦う彼女は明らかにその想定を超えて強かったらしい。
目に見えて店主が及び腰になる。
「うへぇ、魔族の野郎ども、とんでもない怪物を置き土産にして行きやがったな……。しかしあんた、こんな馬鹿でかい奴を苦もなく倒すなんて、凄まじいな。この血まみれの姿なんてまるで伝説のゾア……」
白音が唇に人差し指を当てるポーズをして、それ以上は言わせないようにする。
人族の間にまでその話が伝わっているなんて困ったものだ。
怪物が倒されて、白音の凛としたきめ顔で動画が終了した。
怪物は有毒な毒素を含んでいたので、安全のためリプリンが魔法で分解してしまったと伝える。
これも事前に打ち合わせをしておいた内容だ。
「分かった。確かに討伐してくれたんだな。ありがとう」
映像を見て店主は納得してくれたらしい。
いや納得せざるを得なかったと言うべきだろうか。
ここで納得しないと、動画の中の怪物のように自分の首が刎ね飛ばされる心配をしなければならない。
そんな凄みが映像にはあった。
「…………しかし、なんでこんなに早いんだ?」
ただ、商人としての勘が囁くのか、こんなに早く依頼を終えることができた秘密は知りたいようだった。
「わたしたちには高速で移動できる魔法があるって言ったでしょ」
そう言って白音は、背中から白銀の翼を生やしてちらりと見せる。
これも想定していたことだ。
こうしないと信用してもらえないだろうと考えていた。
「な、なるほど。そりゃあ珍しい。うちに欲しいくらいの人材だな。うん、欲しい」
荒野のベースキャンプの商売人に、高速移動の魔法は何かと相性がいいのだろう。
店主は本当に羨ましそうな声でそう言った。
「しかし……ひとりでみんな抱えて飛べるのかい?」
商人としての嗅覚が、いらぬ想定外の疑問を生んでしまった。
詳細に踏み込んだ質問をされて、白音が少し言葉に詰まる。
「僕たちも飛べるっすよ」
いつきが横から口を挟むと、自分の背中に翼を生やして見せた。
同じくリプリンの背にも立派な翼が生える。
白音はちょっとびっくりしたが、いつきが話を合わせて幻覚魔法を使ってくれたのだろう。
「なるほど……」
希少な飛行魔法の使い手が目の前に三人もいることに、店主はちょっと呆然とする。
「それより、早くあの腕をちょうだい」
「あ、ああ。分かった」
店主が、丁寧にしまい込まれていた小さな布の包みを白音たちに手渡す。
「しかし、翼のある召喚英雄か。うちにいてくれたら無敵なんだが……。お前らうちで雇われる気はないか?」
店主が有能な人材のスカウトを始めた。
「わたしたちには、やらなければいけないことがあるのよ」
「時間のある時に依頼を受けてくれるだけでいいんだ。報酬は弾むぞ?」
たとえパートタイマーでも確保しておきたいと考えているようだった。
しかしあいにく白音はそんな店主を見て、「曙台高校の前で男子生徒にナンパされた時の事」を思い出していた。
申し訳ないけれど、あまりしつこいお誘いは適当にあしらっておくに限るのだ。
「都合が合えばやってもいいけど、期待はしないで」
小さくて、とても軽いその包みを大切に受け取ると、白音たちは足早に店を後にした。
まだ店主の熱い視線を背中に感じるが、気にしないことにする。
人通りの少ない裏路地に向かうと、白音が受け取った包みをそっと開けてみる。
無残に千切れたその腕には、やはり見覚えのある手袋が嵌められていた。
それに、コスチュームの切れ端と思われる布も傷口に僅かにのこっている。
「やっぱり、ちびそらちゃんのものみたいね……。いや、でもちょっと色が濃いような…………」
小さな布の切れ端だったが、それは白音の記憶にあるものより濃い色に見えた。
藍色に近いだろうか。
ちびそらのコスチュームはそらと同じで、もっと明るいスカイブルーだったと思う。
「ちびそらちゃんが一恵姐さんの記憶を預かった時に、なんでか分かんないんすけど、ちびそらちゃんのコスチュームがそんな色に変わったんす。なのでそれは、それは……、ちびそらちゃんの腕で間違いないと思うっす……」
いつきが絞り出すような声で、けれど白音たちにちゃんと伝わるように、しっかりとそう言った。
「僕が、僕がちゃんと守ってれば……」
「いつきちゃん、だめよ。自分を責めないで。それよりどうやって探し出すか考えよ?」
「はいっす……」
いつきが、空っぽのままの山吹色のポシェットをきゅっと握りしめる。
「ちびそらちゃんて、青いコスチュームのちっちゃい子だよね? 腕、取れちゃったの?」
リプリンが、白音の手の中にあるその腕を覗き込むようにして訊いた。
「多分、そう……」
リプリンなら、もし自分の腕が千切れても再構成できるだろう。
体積は減るかもしれないが、すぐにまた生やせるのだ。
痛みは理解できるだろうが、四肢の喪失感は実感できないかもしれない。
白音はそう思った。
「あの子にもまた会いたい。大切にするからわたしが預かっといていい?」
リプリンのその言葉に、白音ははっとした。
そしてちびそらの腕を自分のハンカチで大切に包み直して、彼女に託す。
リプリンは真剣な眼差しでその包みを受け取ると、自分の体内へと取り込んだ。
そこが絶対に無くすことのない、一番安全な保管場所なのだ。
確かにリプリンには喪失感は理解できないかもしれない。
けれど、お互いを思い合う気持ちは、ちゃんと理解してくれているようだった。
目に涙をためたいつきの頭を、リプリンがそっと撫でる。
地上ではアレイセスとリビアラが手を振ってくれていた。
リビアラの胸で眠るアーリエの姿もしっかりと見える。
常に人族に追われる身ではあるが、なんとかアーリエを無事育てて欲しい。
白音は三人の幸せを祈らずにはいられなかった。
その時、アレイセスとリビアラが大きな声で叫んだ。
「なに味なのよー!!」
「え……?」
魔族夫婦に変な言葉を教えた犯人、リプリンがいつきのポシェットに収まったまま、悪そうな顔をしてにやりと笑う。
そうして白音たちは、大魔道の研究施設を後にした。
◇
いつきが幻覚魔法でごまかしてくれるおかげで、白音は魔族の姿のまま町の中まで飛んで行くことができた。
人々の真横をその翼で横切っても、つむじ風でも吹いたのかと思われるだけだろう。
誰にも見咎められる心配はない。
直接目的地まで飛ぶのなら、白音の飛行速度では一時間もかからない。
本当にあっという間だった。
仲間が支えてくれることで不可能だったことがどんどん可能になる。
白音は恵まれた仲間がいてくれることに感謝の気持ちでいっぱいだった。
白音たちは奴隷商の重厚な両開き扉の真正面に降り立った。
そのままほんの少しだけ待つと、いつきがこくりと頷く。
僅かの時間でいつきが、飛んできたことを誤魔化して不自然のないような幻覚を差し挟んでくれているのだ。
いつきは魔法少女の変身を解くと幻覚魔法が使えなくなるが、自身の変身を解きながら不自然のないように幻覚を上手く終息させていっているらしい。
器用なものだ
白音とリプリンは黎鳳女学院のセーラー服に、いつきは曙台中学のイートンジャケットの制服姿になる。
少なくとも白音とリプリンはすでにこの町の有名人になってしまっているらしいので、今更正体を隠したところで意味は無いだろう。
白音は堂々として、奴隷商の扉を開く。
奴隷商の『ててて店主』改め『店主』は、白音たちが入って来るのを見ると少し驚いた顔をしたが、すぐにこう言った。
「いくら何でも早すぎるだろ」
案の定、何もしてないんじゃないかと疑っていた。
元々鋭い眼光をより一層鋭くしている。
しかし白音たちもそれは想定済みで、落ち着き払っていつきが撮影してくれた証拠動画を見せる。
「向こうの世界の魔法技術って奴だな……」
店主もスマホやそれが持つ機能のことは知っているらしかった。
白音が強いことは噂である程度は知っていたのだろうが、動画の中で戦う彼女は明らかにその想定を超えて強かったらしい。
目に見えて店主が及び腰になる。
「うへぇ、魔族の野郎ども、とんでもない怪物を置き土産にして行きやがったな……。しかしあんた、こんな馬鹿でかい奴を苦もなく倒すなんて、凄まじいな。この血まみれの姿なんてまるで伝説のゾア……」
白音が唇に人差し指を当てるポーズをして、それ以上は言わせないようにする。
人族の間にまでその話が伝わっているなんて困ったものだ。
怪物が倒されて、白音の凛としたきめ顔で動画が終了した。
怪物は有毒な毒素を含んでいたので、安全のためリプリンが魔法で分解してしまったと伝える。
これも事前に打ち合わせをしておいた内容だ。
「分かった。確かに討伐してくれたんだな。ありがとう」
映像を見て店主は納得してくれたらしい。
いや納得せざるを得なかったと言うべきだろうか。
ここで納得しないと、動画の中の怪物のように自分の首が刎ね飛ばされる心配をしなければならない。
そんな凄みが映像にはあった。
「…………しかし、なんでこんなに早いんだ?」
ただ、商人としての勘が囁くのか、こんなに早く依頼を終えることができた秘密は知りたいようだった。
「わたしたちには高速で移動できる魔法があるって言ったでしょ」
そう言って白音は、背中から白銀の翼を生やしてちらりと見せる。
これも想定していたことだ。
こうしないと信用してもらえないだろうと考えていた。
「な、なるほど。そりゃあ珍しい。うちに欲しいくらいの人材だな。うん、欲しい」
荒野のベースキャンプの商売人に、高速移動の魔法は何かと相性がいいのだろう。
店主は本当に羨ましそうな声でそう言った。
「しかし……ひとりでみんな抱えて飛べるのかい?」
商人としての嗅覚が、いらぬ想定外の疑問を生んでしまった。
詳細に踏み込んだ質問をされて、白音が少し言葉に詰まる。
「僕たちも飛べるっすよ」
いつきが横から口を挟むと、自分の背中に翼を生やして見せた。
同じくリプリンの背にも立派な翼が生える。
白音はちょっとびっくりしたが、いつきが話を合わせて幻覚魔法を使ってくれたのだろう。
「なるほど……」
希少な飛行魔法の使い手が目の前に三人もいることに、店主はちょっと呆然とする。
「それより、早くあの腕をちょうだい」
「あ、ああ。分かった」
店主が、丁寧にしまい込まれていた小さな布の包みを白音たちに手渡す。
「しかし、翼のある召喚英雄か。うちにいてくれたら無敵なんだが……。お前らうちで雇われる気はないか?」
店主が有能な人材のスカウトを始めた。
「わたしたちには、やらなければいけないことがあるのよ」
「時間のある時に依頼を受けてくれるだけでいいんだ。報酬は弾むぞ?」
たとえパートタイマーでも確保しておきたいと考えているようだった。
しかしあいにく白音はそんな店主を見て、「曙台高校の前で男子生徒にナンパされた時の事」を思い出していた。
申し訳ないけれど、あまりしつこいお誘いは適当にあしらっておくに限るのだ。
「都合が合えばやってもいいけど、期待はしないで」
小さくて、とても軽いその包みを大切に受け取ると、白音たちは足早に店を後にした。
まだ店主の熱い視線を背中に感じるが、気にしないことにする。
人通りの少ない裏路地に向かうと、白音が受け取った包みをそっと開けてみる。
無残に千切れたその腕には、やはり見覚えのある手袋が嵌められていた。
それに、コスチュームの切れ端と思われる布も傷口に僅かにのこっている。
「やっぱり、ちびそらちゃんのものみたいね……。いや、でもちょっと色が濃いような…………」
小さな布の切れ端だったが、それは白音の記憶にあるものより濃い色に見えた。
藍色に近いだろうか。
ちびそらのコスチュームはそらと同じで、もっと明るいスカイブルーだったと思う。
「ちびそらちゃんが一恵姐さんの記憶を預かった時に、なんでか分かんないんすけど、ちびそらちゃんのコスチュームがそんな色に変わったんす。なのでそれは、それは……、ちびそらちゃんの腕で間違いないと思うっす……」
いつきが絞り出すような声で、けれど白音たちにちゃんと伝わるように、しっかりとそう言った。
「僕が、僕がちゃんと守ってれば……」
「いつきちゃん、だめよ。自分を責めないで。それよりどうやって探し出すか考えよ?」
「はいっす……」
いつきが、空っぽのままの山吹色のポシェットをきゅっと握りしめる。
「ちびそらちゃんて、青いコスチュームのちっちゃい子だよね? 腕、取れちゃったの?」
リプリンが、白音の手の中にあるその腕を覗き込むようにして訊いた。
「多分、そう……」
リプリンなら、もし自分の腕が千切れても再構成できるだろう。
体積は減るかもしれないが、すぐにまた生やせるのだ。
痛みは理解できるだろうが、四肢の喪失感は実感できないかもしれない。
白音はそう思った。
「あの子にもまた会いたい。大切にするからわたしが預かっといていい?」
リプリンのその言葉に、白音ははっとした。
そしてちびそらの腕を自分のハンカチで大切に包み直して、彼女に託す。
リプリンは真剣な眼差しでその包みを受け取ると、自分の体内へと取り込んだ。
そこが絶対に無くすことのない、一番安全な保管場所なのだ。
確かにリプリンには喪失感は理解できないかもしれない。
けれど、お互いを思い合う気持ちは、ちゃんと理解してくれているようだった。
目に涙をためたいつきの頭を、リプリンがそっと撫でる。
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説


魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる