185 / 214
第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第8話 空(から)の棺 その一
しおりを挟む
アレイセス、リビアラの魔族夫婦は我が子を守るため、魔法研究施設に潜伏していた。
白音たちはそんな夫婦から、ここに至るまでの経緯や事情を聞かせてもらうことにする。
その時研究施設の一角で、いつきが夫婦も知らなかった隠し部屋を発見した。
そしてさらにまだその隠し部屋には秘密があるようで、いつきが鋭い目を向けている。
「ここ怪しいっす」
そう言っていつきが指さした床には、うっすらと何か白いものがこびり付いたような跡があった。
しかもそれは、よく見れば壁に遮られて途切れていた。
「この壁が動くってことなのかしら? でないとこんな風にはならないわよね」
白音の言葉に、いつきも同意して頷く。
白い汚れのようなものはおそらく、壁の向こうへと続いているのだろう。
「今度は幻覚じゃなさそうっす。壁はちゃんとそこにあるっすね」
リプリンが体をネオングリーンに輝かせてくれているので、明るい視界は確保できている。
とはいえ、よくそんな繊細なところにまで気がつくものだと白音は感服する。
いつきは幻覚魔法だけではない、そういう人の目を誤魔化すような仕掛けにも目端が利くようだった。
「またわたしが見てこよっか?」
そう言いながら、リプリンがどこかに入れる隙間がないかと探している。
既に若干その体がひしゃげているように見える。
しかし先程とは違い、いくら探しても髪の毛ほどの隙も見つからなかった。
「まったく継ぎ目のない扉なんて、有り得ないっすよね?」
いつきも慎重に怪しい部分を探しているが、同じくお手上げのようだった。
「そうね…………。だとすると、幻覚でも、開閉する扉でもない、けれどそこを通過できる仕掛け…………。あ、待って。これってひょっとして……」
白音はその壁の構造が、チーム白音のアジトにあった扉となんだか似ていると感じた。
白音たちは莉美の父親が所有する倉庫を借りて、魔法少女チームの活動拠点として使っていた。
その一角に、一恵が造ってくれた異空間の部屋がある。
その部屋へと繋がる扉が、ちょうどこんな感じだった。
閉じていればそもそも扉として存在しないのだから、隙間などできようはずもない。
白音は試しに、ポスターに向かって魔力を流し込んでみた。
アジトのものと同じ仕組みならば、それで作動するはずだ。
「おー…………」
見守っていたいつきとリプリンが同時に声を上げた。
にこやかに笑いかけている露出過多のデイジーが、輝きを放ち始めている。
なんだか後光を背負って神々しくすらあるその絵姿に、ふたりとも魅入っていた。
「もう……なんなのよ…………」
無駄に凝った演出が入ったものの、やはり白音の睨んだとおりだった。
流し込まれた魔力に反応してポスターの貼ってあった壁が消失する。
チーム白音のアジトにあったものと同じ仕組みなら、壁の一部、扉ほどの大きさの部分だけが別の次元と入れ替わったのだろう。
特定の者にしか開けないような仕掛けがなかったのは幸いだった。
もしアジトの扉と同じようなセキュリティが設定されていれば、予め登録された魔力紋を持つ魔力以外には反応しなかっただろう。
白音は少し警戒して、慎重に消失した壁の向こう側を覗き込んでみた。
白音の顔に、ひいやりとした空気が触れる。
ここまでは暖房もされていて、快適な普通の生活空間といった印象だった。
しかし壁の向こうは明らかに雰囲気が違っていた。
素人目には随分と広い理科の実験室のように見える。
ただし置かれた器具や装置は、何に使うのかさっぱり分からない。
異世界魔法文明の所産がほとんどである。
そしておそらくはこの空間全体が、しっかりとした防爆構造になっているのだろう。
頑丈な壁の造りや、厳重な防護結界のせいで音の反響が異質なものになった。
音が変わるせいで、白音は突然別世界に迷い込んだような気にすらなる。
しかし広いとはいえ、白音が把握していた王立の魔法研究所のものよりはかなり規模が小さかった。
聞いていた予算配分や構成人員の数からすると、もっと大きな施設であってしかるべきなのだ
「大魔道の私的な研究施設のようね」
「まあそれは……、そっすよねぇ……」
いつきは先程の白音一色に埋め尽くされた部屋を思い出す。
もしこれが公的なものなら、魔法研究所は白音の公式ファンクラブということになってしまうだろう。
研究室の中からはぶーんという低く唸るような音が聞こえ続けていた。
明かりも付いていて、いまだに魔力が供給され続けているらしい。
白音を先頭にして、いつき、リプリン、アレイセスの四人で研究室に足を踏み入れた。
いつきはあまり戦闘が得意ではないため、本来なら危険な場所へ連れて来るべきではない。
しかし彼女以上に怪しいものを見つける能力に秀でた者はいないだろう。
リプリンとアレイセスにいつきの護衛をお願いして、後ろからついてきてもらうことにした。
大量に置かれた資材や装置類のせいで、広いはずの空間が迷路のようになっている。
その間を縫うようにして進んでいくと、ひときわ大きく取られたスペースに大きな棺のようなものが置かれているのを発見した。
跳ね上げ式になっているらしい蓋が、大きく開け放たれている。
「うわぁ……」
白音といつきが顔を見合わせた。
中身が入っていたらどうしよう、とふたりとも同じことを考えた。
「わたしが見てくるから、みんなはそこで…………」
さすがに白音も、これには不気味なものを感じる。
三人には待っていてもらおうと思ったのだが、リプリンがぴったりと寄り添うようにして白音のコスチュームの裾を掴んた。
「ん。じゃあ一緒に確認しよっか。気を付けてね」
「あい」
ふたりがそっと音を立てないように近づいて、一緒に棺の中を覗き込む。
いつきとアレイセスは少し離れてそれを見守っている。
「………………、何も入ってないわ」
白音がそう言うと、その場の全員がほっとした。
いつきは我知らず掴んでいたアレイセスの黒翼を慌てて放す。
棺の中は琺瑯のようなつるつるとした素材でできていた。
そしてそこに、何か白いものがびっしりとこびり付いている。
「お風呂?」
リプリンがそう尋ねた。
リプリン自身は入ったことがないはずだが、白音の体内にいた時に見て知っているのだろう。
確かに大きさといい、質感といい、バスタブのように見える。
それだと平和でいいなと白音も思った。
だったら白いものは、石けんか入浴剤が乾いているだけだろうきっと。
でもこれがお風呂だったら周りも水浸しに……。
そう思いながらバスタブ周辺の床を見た白音は、そこにも白いものが大量にこびりついているのを見つけた。
そして白音は、気づいた。
その白い汚れは、足跡が大量に重なり合ってできたものなのではないだろうか……。
よくよく見れば、それらはすべて人間の裸足の形をしており、それが何度も往復することによって付いたものではないかと思えるのだ。
その事実に思い当たってしまった瞬間、白音は思わず戦慄していた。
風呂上がりだか、蘇りだか知らないが、その人型をした生物は周囲をあちこちうろついた後、どうやら白音たちが入ってきた入り口から出て行ったらしい。
足跡を追えば、その者の動きが鮮明に浮かび上がってくる。
多分さきほどの居住空間の壁際でいつきが見つけた白いものの正体も、この足跡の続きに違いあるまい。
液体に満たされていたこの棺の中から、何かが這い出して歩いて行った。
あまり想像したくないがそういうことだろう。
これが映画とかだと、目を覚ました怪物がここから抜け出してどこかに潜んでいるのだ。
そしてひとりずつ襲われて……。
「いやいや……」
「ん-?」
白音が頭を振ってホラーな妄想を頭から追い払いっていると、リプリンがその顔を覗き込むようにする。
変な妄想よりも、目の前の可愛い現実の方がよほどいいに決まっている。
白音はリプリンの頬をぷにっと突っつくと、この施設の探索を開始した。
ホラーかどうかはともかく、魔族親子が安心して暮らせるよう、徹底して安全確保はしておかなければならない。
みんなで手分けをして、隅々まで調べていく。
この随分と大きな『理科実験室』には、棺とそれに関連する設備以外にも実に様々な実験装置が置かれていた。
これだけの規模の研究を『個人的』に行っていたのだとしたら本当に驚きだ。
白音は魔法技術にはあまり詳しくない。
しかし前世と今世と、ふたつの記憶がある彼女の目からすれば、どうもそれらの装置には魔法と科学と、両方の技術が取り入れられているように感じられた。
調べれば調べるほど、やはり大魔道は現世界から来た人間、つまり召喚英雄なのではないか? そう思えるのだった。
「姐さん、姐さん」
いつきが何かを見つけたらしく、手招きして白音を呼ぶ。
「こっちに何か書いたものがあるっす。僕には読めないんすけど」
たくさんあるテーブルやデスクは、どれも上に様々なものが置かれてごちゃごちゃしている。
しかしひとつのデスクだけ綺麗に片付けられて、一枚の紙切れが置かれていた。
文鎮代わりに何か得体の知れない金属の塊が載せられている。
そこには、魔族語の文字でメッセージが綴られていた。
白音たちはそんな夫婦から、ここに至るまでの経緯や事情を聞かせてもらうことにする。
その時研究施設の一角で、いつきが夫婦も知らなかった隠し部屋を発見した。
そしてさらにまだその隠し部屋には秘密があるようで、いつきが鋭い目を向けている。
「ここ怪しいっす」
そう言っていつきが指さした床には、うっすらと何か白いものがこびり付いたような跡があった。
しかもそれは、よく見れば壁に遮られて途切れていた。
「この壁が動くってことなのかしら? でないとこんな風にはならないわよね」
白音の言葉に、いつきも同意して頷く。
白い汚れのようなものはおそらく、壁の向こうへと続いているのだろう。
「今度は幻覚じゃなさそうっす。壁はちゃんとそこにあるっすね」
リプリンが体をネオングリーンに輝かせてくれているので、明るい視界は確保できている。
とはいえ、よくそんな繊細なところにまで気がつくものだと白音は感服する。
いつきは幻覚魔法だけではない、そういう人の目を誤魔化すような仕掛けにも目端が利くようだった。
「またわたしが見てこよっか?」
そう言いながら、リプリンがどこかに入れる隙間がないかと探している。
既に若干その体がひしゃげているように見える。
しかし先程とは違い、いくら探しても髪の毛ほどの隙も見つからなかった。
「まったく継ぎ目のない扉なんて、有り得ないっすよね?」
いつきも慎重に怪しい部分を探しているが、同じくお手上げのようだった。
「そうね…………。だとすると、幻覚でも、開閉する扉でもない、けれどそこを通過できる仕掛け…………。あ、待って。これってひょっとして……」
白音はその壁の構造が、チーム白音のアジトにあった扉となんだか似ていると感じた。
白音たちは莉美の父親が所有する倉庫を借りて、魔法少女チームの活動拠点として使っていた。
その一角に、一恵が造ってくれた異空間の部屋がある。
その部屋へと繋がる扉が、ちょうどこんな感じだった。
閉じていればそもそも扉として存在しないのだから、隙間などできようはずもない。
白音は試しに、ポスターに向かって魔力を流し込んでみた。
アジトのものと同じ仕組みならば、それで作動するはずだ。
「おー…………」
見守っていたいつきとリプリンが同時に声を上げた。
にこやかに笑いかけている露出過多のデイジーが、輝きを放ち始めている。
なんだか後光を背負って神々しくすらあるその絵姿に、ふたりとも魅入っていた。
「もう……なんなのよ…………」
無駄に凝った演出が入ったものの、やはり白音の睨んだとおりだった。
流し込まれた魔力に反応してポスターの貼ってあった壁が消失する。
チーム白音のアジトにあったものと同じ仕組みなら、壁の一部、扉ほどの大きさの部分だけが別の次元と入れ替わったのだろう。
特定の者にしか開けないような仕掛けがなかったのは幸いだった。
もしアジトの扉と同じようなセキュリティが設定されていれば、予め登録された魔力紋を持つ魔力以外には反応しなかっただろう。
白音は少し警戒して、慎重に消失した壁の向こう側を覗き込んでみた。
白音の顔に、ひいやりとした空気が触れる。
ここまでは暖房もされていて、快適な普通の生活空間といった印象だった。
しかし壁の向こうは明らかに雰囲気が違っていた。
素人目には随分と広い理科の実験室のように見える。
ただし置かれた器具や装置は、何に使うのかさっぱり分からない。
異世界魔法文明の所産がほとんどである。
そしておそらくはこの空間全体が、しっかりとした防爆構造になっているのだろう。
頑丈な壁の造りや、厳重な防護結界のせいで音の反響が異質なものになった。
音が変わるせいで、白音は突然別世界に迷い込んだような気にすらなる。
しかし広いとはいえ、白音が把握していた王立の魔法研究所のものよりはかなり規模が小さかった。
聞いていた予算配分や構成人員の数からすると、もっと大きな施設であってしかるべきなのだ
「大魔道の私的な研究施設のようね」
「まあそれは……、そっすよねぇ……」
いつきは先程の白音一色に埋め尽くされた部屋を思い出す。
もしこれが公的なものなら、魔法研究所は白音の公式ファンクラブということになってしまうだろう。
研究室の中からはぶーんという低く唸るような音が聞こえ続けていた。
明かりも付いていて、いまだに魔力が供給され続けているらしい。
白音を先頭にして、いつき、リプリン、アレイセスの四人で研究室に足を踏み入れた。
いつきはあまり戦闘が得意ではないため、本来なら危険な場所へ連れて来るべきではない。
しかし彼女以上に怪しいものを見つける能力に秀でた者はいないだろう。
リプリンとアレイセスにいつきの護衛をお願いして、後ろからついてきてもらうことにした。
大量に置かれた資材や装置類のせいで、広いはずの空間が迷路のようになっている。
その間を縫うようにして進んでいくと、ひときわ大きく取られたスペースに大きな棺のようなものが置かれているのを発見した。
跳ね上げ式になっているらしい蓋が、大きく開け放たれている。
「うわぁ……」
白音といつきが顔を見合わせた。
中身が入っていたらどうしよう、とふたりとも同じことを考えた。
「わたしが見てくるから、みんなはそこで…………」
さすがに白音も、これには不気味なものを感じる。
三人には待っていてもらおうと思ったのだが、リプリンがぴったりと寄り添うようにして白音のコスチュームの裾を掴んた。
「ん。じゃあ一緒に確認しよっか。気を付けてね」
「あい」
ふたりがそっと音を立てないように近づいて、一緒に棺の中を覗き込む。
いつきとアレイセスは少し離れてそれを見守っている。
「………………、何も入ってないわ」
白音がそう言うと、その場の全員がほっとした。
いつきは我知らず掴んでいたアレイセスの黒翼を慌てて放す。
棺の中は琺瑯のようなつるつるとした素材でできていた。
そしてそこに、何か白いものがびっしりとこびり付いている。
「お風呂?」
リプリンがそう尋ねた。
リプリン自身は入ったことがないはずだが、白音の体内にいた時に見て知っているのだろう。
確かに大きさといい、質感といい、バスタブのように見える。
それだと平和でいいなと白音も思った。
だったら白いものは、石けんか入浴剤が乾いているだけだろうきっと。
でもこれがお風呂だったら周りも水浸しに……。
そう思いながらバスタブ周辺の床を見た白音は、そこにも白いものが大量にこびりついているのを見つけた。
そして白音は、気づいた。
その白い汚れは、足跡が大量に重なり合ってできたものなのではないだろうか……。
よくよく見れば、それらはすべて人間の裸足の形をしており、それが何度も往復することによって付いたものではないかと思えるのだ。
その事実に思い当たってしまった瞬間、白音は思わず戦慄していた。
風呂上がりだか、蘇りだか知らないが、その人型をした生物は周囲をあちこちうろついた後、どうやら白音たちが入ってきた入り口から出て行ったらしい。
足跡を追えば、その者の動きが鮮明に浮かび上がってくる。
多分さきほどの居住空間の壁際でいつきが見つけた白いものの正体も、この足跡の続きに違いあるまい。
液体に満たされていたこの棺の中から、何かが這い出して歩いて行った。
あまり想像したくないがそういうことだろう。
これが映画とかだと、目を覚ました怪物がここから抜け出してどこかに潜んでいるのだ。
そしてひとりずつ襲われて……。
「いやいや……」
「ん-?」
白音が頭を振ってホラーな妄想を頭から追い払いっていると、リプリンがその顔を覗き込むようにする。
変な妄想よりも、目の前の可愛い現実の方がよほどいいに決まっている。
白音はリプリンの頬をぷにっと突っつくと、この施設の探索を開始した。
ホラーかどうかはともかく、魔族親子が安心して暮らせるよう、徹底して安全確保はしておかなければならない。
みんなで手分けをして、隅々まで調べていく。
この随分と大きな『理科実験室』には、棺とそれに関連する設備以外にも実に様々な実験装置が置かれていた。
これだけの規模の研究を『個人的』に行っていたのだとしたら本当に驚きだ。
白音は魔法技術にはあまり詳しくない。
しかし前世と今世と、ふたつの記憶がある彼女の目からすれば、どうもそれらの装置には魔法と科学と、両方の技術が取り入れられているように感じられた。
調べれば調べるほど、やはり大魔道は現世界から来た人間、つまり召喚英雄なのではないか? そう思えるのだった。
「姐さん、姐さん」
いつきが何かを見つけたらしく、手招きして白音を呼ぶ。
「こっちに何か書いたものがあるっす。僕には読めないんすけど」
たくさんあるテーブルやデスクは、どれも上に様々なものが置かれてごちゃごちゃしている。
しかしひとつのデスクだけ綺麗に片付けられて、一枚の紙切れが置かれていた。
文鎮代わりに何か得体の知れない金属の塊が載せられている。
そこには、魔族語の文字でメッセージが綴られていた。
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説


転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる