163 / 214
第二部 魔法少女は、ふたつの世界を天秤にかける
第2話 3キログラムの引きこもり その二
しおりを挟む
付近に仲間たちがいれば気づいてくれるように、白音は定期的に大きな魔力波を放出していた。
その『魔力ののろし』をできるだけ強力にするために、白音は二重増幅強化を使う。
「じゃあ、行くね。二重増幅強化!!」
だがその瞬間、スライムが悲鳴を上げた。
「ビヤャャャャャャ!!」
スライムが巨大な魔力に当てられて痙攣していた。
「え……、あれ?」
白音の魔法を最も間近で感じ続けてきて慣れているはずなのに、この反応はなんだろうか……。
考えて白音はハッとした。
『黙リーパー』という言葉を想い出す。
よく莉美が言っていた事なのだが、黙って急にリーパーで能力を強化されると、突然自分の能力が跳ね上がってびっくりするらしいのだ。
今まではそもそもこのスライムの存在自体白音は知らなかったのだから、リーパーで強化したことは無い。
そして今は……。今は本当に何も意識せずにリーパーの魔法を投射してしまっていた。
リーパーはどうやら白音が『仲間』だと思っているものに効果を発揮するらしく、だからはっきりと意識せずにやると、『白音の気持ち』を素直に反映した効果範囲になってしまう。
今はしっかりとこの子にもリーパーが効果を発揮していた。
白音は、多分この子は初めての『黙リーパー』にびっくりしているんだろうと思った。
スライムは『魔物』に分類されている魔力を持った生物だ。
それに少なくともこの子は『異世界事案』として現世にやって来たのだから、それに耐えるだけの魔核を持っているばずだ。
その魔核がリーパーで強化されて、魔法力が大幅に上昇しているのだろう。
びっくりするだけで悪いものではない……と白音は思う。
スライムの痙攣が激しくなり、だんだん形状が維持できなくなってきたようで大きくうねり始めた。
一瞬一瞬で様々な形状を取り、体色も七色の変化を見せる。
綺麗なのだが、さすがに白音もちょっと心配になってきた。
白音がリーパーを止めようとした最後の一瞬、スライムは多分人間の女の子の姿を取った。
そして表面張力を無くしたかのように、べちゃああっと液状化して地面に拡がってしまった。
「ちょ、ごめ。ごめんね。大丈夫?」
白音は自分の魔法を信じていたのだが、ただの水たまりのようになってしまったスライムを見てさすがに不安になった。
すると、水たまりの一部がずずず、と持ち上がり、またずるむけの頭部が形成された。
「ヘーキ。ビックリスル。気持チイイ」
気持ち良かったらしい。
白音もほっとした。
ふと気になって、白音は徐々に人の形を取り戻していくスライムの顔に手を触れ、先程一瞬見えた女の子の形と比較してみる。
「ンン? ドシタノ?」
リーパーは、決してありもしない虚構を作り出したりはしない。
様々な能力を強化することによって、いずれ至るであろう道、ほんの少し先の未来を見せてくれるのだ。
もしかしたらこの子が歩みを止めなければ、あんな風になるのかもしれない。
(この子、女の子だったんだ…………)
それともうひとつ、魔力ののろしと共にやっておくべき事がある。
白音はその翼を使い、一度上空から周囲を確認しておきたいと考えていた。
地上からは分からなくとも空高くからなら、もしかしたら町などが見つかるかもしれない。
ただ事前の情報で、こちらでは魔族は人族との戦いに破れ、既に滅ぼされたと聞いている。
翼を生やして空を飛ぶ姿は、あまり人に見られない方が良いだろう。
ひとまず目撃者のいなさそうなこの場所で一度だけ、慎重に飛んでみることにする。
「ちょっと空から周りを見ておこうと思うんだけど、一緒に来る?」
今までの経験だと、白音がこんなことを言えば、みんな先を争って白音に乗っかろうとする。
しかしスライムは意外なことに、と言うべきだろうか、首を横に振った。
「寒イ。凍ル」
真冬にミニスカートで高速飛行など、魔法少女にしかできない芸当なのだと白音は今更ながらに思い知る。
この子は白音の視覚を通してその飛行を見ていただろう。
そしてそれが自分にとっては過酷な状況になると知っているのだ。
白音は、自分も莉美のように魔力障壁を自在に操れれば良かったのにと申し訳なく思う。
莉美の魔力障壁は変態が過ぎて、もはや固有魔法と呼べる域に達している。
変幻自在のあのバリアなら、スライムを寒さから守ってやることも簡単だったろう。
「ごめんね。じゃあちょっと上から見てくるね。待ってて」
「ハーイ」
白音はスマホを手にして舞い上がった。
ついでに上空から周囲の景色を撮影しておくつもりだった。
こうしておけば後から位置関係の把握に役立つはずだ。
まずは一枚、手を振って見送るスライムを上から撮影してみる。
なかなか良い感じに撮れたと思うが、現世に持ち帰ったらこれは確実に『心霊写真』と言われる奴だ。
白音はスライムが『凍る』という事実にも実はこっそり興味をそそられていたが、そんな邪念を振り払うようにして大空へと顔を向ける。
久しぶりの異世界の空だった。
血まみれの薔薇とあだ名されていた前世なら、白銀の翼を煌めかせたこの姿を見ただけで皆恐怖し、震え上がった。
味方が震え上がるのはちょっとどうにかして欲しかったが、敵ならば死を覚悟するような光景だったことだろう。
そして今の白音は、桜の色を得てさらに強くなった。
あの頃よりも多くのものに手を届かせることができるのだ。
白音は写真を撮りながら、慎重に高度を上げていった。
しかし100メートルも行かないうちに慌てて上昇を止める。
朝日の昇る方、まだ遠方に何かがいることに気がついた。
逆光になっていて少し見にくいが、目を凝らせば隊商の一団のように見える。
距離は多分数十キロメートルというところだろう。
こちらに向かって行進しているため、このまま飛んでいれば見つかる可能性が高い。
それは、ようやく見つけた手がかりである。
接触しない手はない。
しかし少なくともファーストコンタクトは翼を生やして空から挨拶するよりも、人族として穏便に進めた方が上手くいくだろう。
白音はそっと地上へと降りた。
「オカエリー」
「ただいま」
そう言って元気よく迎えてくれたが、スライムは食べきれなくてのこっていたランドルメアの肉を、丸呑みにしているところだった。
白音は一瞬、早く帰りすぎて見てはいけないものを見てしまったのかと思った。
巨大化して次々と大きな肉の塊を呑み込んでいく迫力に白音はちょっと驚いたが、それはそれで良かったと思った。
さすがに全部は持ち運べない。
動物の命を奪ってしまったのに、無駄にせざるを得ないことを心苦しく思っていたのだ。
「生でも平気なの?」
「違ウ!!」
何故だかスライムが猛抗議した。
生で食べると思われたのは心外だったらしい。
そして先程取り込んだかたまり肉をいくつか、目の前に出してみせる。
まったく消化されている様子はなかった。
「あっ! 運ぼうとしてたのね?」
「モッタイナイ」
巨牛よりも大きくぷくーっと丸く膨れ上がっているスライムが頷いて肯定した。
白音の中にずっと居て、多分白音イズムとでも言えばいいのか、そんな共通の価値観のようなものが心の中に継承されているみたいだった。
仮にどこかで魔物が知的に進化したとして、「モッタイナイ」はそうそう出てくる言葉ではないだろう。
「でも、大きさとか大変じゃない? 重たくない?」
「問題ナイ」
ふたりが韻を踏んで下手なラップみたいなやり取りをしていると、見る間にスライムが縮んでいつもの大きさになってみせた。
大きくなって取り込んでから、小さくなれば本当に何の問題も無いらしかった。
中の物も一緒に縮むらしい。
理屈はよく分からないが、そこは魔法と言うしかないだろう。
魔法に現代物理は通用しない。
質量やエネルギーが保存されないのは白音も身に染みてよく知っている。
魔法少女たちだって変身すれば、着ている服やリュックはどこかへ消えてしまう。
「そのままじゃ腐らない?」
白音が至極真っ当な疑問を口にする。
大きさは変化できても、胎内に収まっていることに変わりあるまい。
それにこの子にはちゃんと人肌の体温がある。
それはひと晩その中でぬくぬくとしていた白音はよく知っている。
白音は腐らないが、生肉が長時間ぬくぬくとしているのはまずいように思える。
スライムは少しの間考えたが、その答えはやはり、
「腐ル」
だった。
スライムはクールな黒い猫の運び屋とは違う。
さすがにそんなに便利にはいかないらしい。
「じゃあ冷やしてみよっか?」
白音の基礎魔法で肉を凍結してしまえば、少しは日持ちするだろう。
「オナカ、冷エる……イヤ」
まあそれはそうかと白音も思う。
この子がおなかを壊したら、中身が全部出て干からびてしまうんじゃないだろうか。
その『魔力ののろし』をできるだけ強力にするために、白音は二重増幅強化を使う。
「じゃあ、行くね。二重増幅強化!!」
だがその瞬間、スライムが悲鳴を上げた。
「ビヤャャャャャャ!!」
スライムが巨大な魔力に当てられて痙攣していた。
「え……、あれ?」
白音の魔法を最も間近で感じ続けてきて慣れているはずなのに、この反応はなんだろうか……。
考えて白音はハッとした。
『黙リーパー』という言葉を想い出す。
よく莉美が言っていた事なのだが、黙って急にリーパーで能力を強化されると、突然自分の能力が跳ね上がってびっくりするらしいのだ。
今まではそもそもこのスライムの存在自体白音は知らなかったのだから、リーパーで強化したことは無い。
そして今は……。今は本当に何も意識せずにリーパーの魔法を投射してしまっていた。
リーパーはどうやら白音が『仲間』だと思っているものに効果を発揮するらしく、だからはっきりと意識せずにやると、『白音の気持ち』を素直に反映した効果範囲になってしまう。
今はしっかりとこの子にもリーパーが効果を発揮していた。
白音は、多分この子は初めての『黙リーパー』にびっくりしているんだろうと思った。
スライムは『魔物』に分類されている魔力を持った生物だ。
それに少なくともこの子は『異世界事案』として現世にやって来たのだから、それに耐えるだけの魔核を持っているばずだ。
その魔核がリーパーで強化されて、魔法力が大幅に上昇しているのだろう。
びっくりするだけで悪いものではない……と白音は思う。
スライムの痙攣が激しくなり、だんだん形状が維持できなくなってきたようで大きくうねり始めた。
一瞬一瞬で様々な形状を取り、体色も七色の変化を見せる。
綺麗なのだが、さすがに白音もちょっと心配になってきた。
白音がリーパーを止めようとした最後の一瞬、スライムは多分人間の女の子の姿を取った。
そして表面張力を無くしたかのように、べちゃああっと液状化して地面に拡がってしまった。
「ちょ、ごめ。ごめんね。大丈夫?」
白音は自分の魔法を信じていたのだが、ただの水たまりのようになってしまったスライムを見てさすがに不安になった。
すると、水たまりの一部がずずず、と持ち上がり、またずるむけの頭部が形成された。
「ヘーキ。ビックリスル。気持チイイ」
気持ち良かったらしい。
白音もほっとした。
ふと気になって、白音は徐々に人の形を取り戻していくスライムの顔に手を触れ、先程一瞬見えた女の子の形と比較してみる。
「ンン? ドシタノ?」
リーパーは、決してありもしない虚構を作り出したりはしない。
様々な能力を強化することによって、いずれ至るであろう道、ほんの少し先の未来を見せてくれるのだ。
もしかしたらこの子が歩みを止めなければ、あんな風になるのかもしれない。
(この子、女の子だったんだ…………)
それともうひとつ、魔力ののろしと共にやっておくべき事がある。
白音はその翼を使い、一度上空から周囲を確認しておきたいと考えていた。
地上からは分からなくとも空高くからなら、もしかしたら町などが見つかるかもしれない。
ただ事前の情報で、こちらでは魔族は人族との戦いに破れ、既に滅ぼされたと聞いている。
翼を生やして空を飛ぶ姿は、あまり人に見られない方が良いだろう。
ひとまず目撃者のいなさそうなこの場所で一度だけ、慎重に飛んでみることにする。
「ちょっと空から周りを見ておこうと思うんだけど、一緒に来る?」
今までの経験だと、白音がこんなことを言えば、みんな先を争って白音に乗っかろうとする。
しかしスライムは意外なことに、と言うべきだろうか、首を横に振った。
「寒イ。凍ル」
真冬にミニスカートで高速飛行など、魔法少女にしかできない芸当なのだと白音は今更ながらに思い知る。
この子は白音の視覚を通してその飛行を見ていただろう。
そしてそれが自分にとっては過酷な状況になると知っているのだ。
白音は、自分も莉美のように魔力障壁を自在に操れれば良かったのにと申し訳なく思う。
莉美の魔力障壁は変態が過ぎて、もはや固有魔法と呼べる域に達している。
変幻自在のあのバリアなら、スライムを寒さから守ってやることも簡単だったろう。
「ごめんね。じゃあちょっと上から見てくるね。待ってて」
「ハーイ」
白音はスマホを手にして舞い上がった。
ついでに上空から周囲の景色を撮影しておくつもりだった。
こうしておけば後から位置関係の把握に役立つはずだ。
まずは一枚、手を振って見送るスライムを上から撮影してみる。
なかなか良い感じに撮れたと思うが、現世に持ち帰ったらこれは確実に『心霊写真』と言われる奴だ。
白音はスライムが『凍る』という事実にも実はこっそり興味をそそられていたが、そんな邪念を振り払うようにして大空へと顔を向ける。
久しぶりの異世界の空だった。
血まみれの薔薇とあだ名されていた前世なら、白銀の翼を煌めかせたこの姿を見ただけで皆恐怖し、震え上がった。
味方が震え上がるのはちょっとどうにかして欲しかったが、敵ならば死を覚悟するような光景だったことだろう。
そして今の白音は、桜の色を得てさらに強くなった。
あの頃よりも多くのものに手を届かせることができるのだ。
白音は写真を撮りながら、慎重に高度を上げていった。
しかし100メートルも行かないうちに慌てて上昇を止める。
朝日の昇る方、まだ遠方に何かがいることに気がついた。
逆光になっていて少し見にくいが、目を凝らせば隊商の一団のように見える。
距離は多分数十キロメートルというところだろう。
こちらに向かって行進しているため、このまま飛んでいれば見つかる可能性が高い。
それは、ようやく見つけた手がかりである。
接触しない手はない。
しかし少なくともファーストコンタクトは翼を生やして空から挨拶するよりも、人族として穏便に進めた方が上手くいくだろう。
白音はそっと地上へと降りた。
「オカエリー」
「ただいま」
そう言って元気よく迎えてくれたが、スライムは食べきれなくてのこっていたランドルメアの肉を、丸呑みにしているところだった。
白音は一瞬、早く帰りすぎて見てはいけないものを見てしまったのかと思った。
巨大化して次々と大きな肉の塊を呑み込んでいく迫力に白音はちょっと驚いたが、それはそれで良かったと思った。
さすがに全部は持ち運べない。
動物の命を奪ってしまったのに、無駄にせざるを得ないことを心苦しく思っていたのだ。
「生でも平気なの?」
「違ウ!!」
何故だかスライムが猛抗議した。
生で食べると思われたのは心外だったらしい。
そして先程取り込んだかたまり肉をいくつか、目の前に出してみせる。
まったく消化されている様子はなかった。
「あっ! 運ぼうとしてたのね?」
「モッタイナイ」
巨牛よりも大きくぷくーっと丸く膨れ上がっているスライムが頷いて肯定した。
白音の中にずっと居て、多分白音イズムとでも言えばいいのか、そんな共通の価値観のようなものが心の中に継承されているみたいだった。
仮にどこかで魔物が知的に進化したとして、「モッタイナイ」はそうそう出てくる言葉ではないだろう。
「でも、大きさとか大変じゃない? 重たくない?」
「問題ナイ」
ふたりが韻を踏んで下手なラップみたいなやり取りをしていると、見る間にスライムが縮んでいつもの大きさになってみせた。
大きくなって取り込んでから、小さくなれば本当に何の問題も無いらしかった。
中の物も一緒に縮むらしい。
理屈はよく分からないが、そこは魔法と言うしかないだろう。
魔法に現代物理は通用しない。
質量やエネルギーが保存されないのは白音も身に染みてよく知っている。
魔法少女たちだって変身すれば、着ている服やリュックはどこかへ消えてしまう。
「そのままじゃ腐らない?」
白音が至極真っ当な疑問を口にする。
大きさは変化できても、胎内に収まっていることに変わりあるまい。
それにこの子にはちゃんと人肌の体温がある。
それはひと晩その中でぬくぬくとしていた白音はよく知っている。
白音は腐らないが、生肉が長時間ぬくぬくとしているのはまずいように思える。
スライムは少しの間考えたが、その答えはやはり、
「腐ル」
だった。
スライムはクールな黒い猫の運び屋とは違う。
さすがにそんなに便利にはいかないらしい。
「じゃあ冷やしてみよっか?」
白音の基礎魔法で肉を凍結してしまえば、少しは日持ちするだろう。
「オナカ、冷エる……イヤ」
まあそれはそうかと白音も思う。
この子がおなかを壊したら、中身が全部出て干からびてしまうんじゃないだろうか。
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説


悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる