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第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第44話 白音、波に消ゆ その三
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白音目がけて何本もの槍が飛来した。
飛行中の白音は運んでいた佳奈と莉美を庇って必死で避けるが、そのうちの一本が白音の身体を貫く。
華奢な身体を突き通して、背中から穂先が顔を出す。
「白音っ!!」
「白音ちゃんっ!!」
全員が同時に叫んだ。
白音は咄嗟にぐるっと体を回転させると、その勢いを利用して両手で吊り下げていた佳奈と莉美を放り投げる。
「後はお願い、佳奈…………」
ふたりがどうにか無事に海岸に届いたのを確認すると、失速した白音は海へと落下した。
白音が水面から見えなくなるのと同時に、佳奈たちはリーパーの効果が消えるのを感じた。
「白音ちゃん!!」
莉美が取り乱して海へ入っていこうとする。
しかし佳奈がそれを制止する。
「そっちじゃない莉美っ! 林の中へ走れっ!!」
「佳奈ちゃん酷いっ!!!」
莉美が叫ぶがその鼻先で、飛んできた槍を佳奈が素手で掴んで止める。
そんな芸当は佳奈以外にはできないだろう。
魔力障壁が易々と破られてしまった以上、莉美たちには対抗する手段が無いのだ。
「隠れてろ、動いたらお前まで狙われる」
瑠奏もリーパーの補助を失ってふたり分の重量を支えきれなくなったが、ふらふらとどうにかギリギリで海岸線に軟着陸した。
槍がすべて佳奈たちの方を狙っていてくれたおかげで無傷だ。
ひとまず五人で、槍を撃ってきた方向からは死角になる斜面に身を隠す。
「さっき見たあの能力だよね………」
言いながら莉美は、まだ白音が落下した海の方を見ている。
金属製の槍を飛ばすのは、多分展望台の手前で高谷たちと戦っていたあの巫女と同じ能力だ。
「コピーじゃない方、本物ってことかしら」
一恵がそらに確認する。
「うん、その槍に多分魔法のキャンセラーが付いてたの」
「魔法を無効化する飛び道具ってこと?! 厄介ね…………」
一恵とて白音を最優先にしたいのだろうが、今はパニックになるのが一番良くない。
莉美の震える両肩をしっかりと抱き留めている。
「白音は絶対平気だ。アタシたちは頼むって言われただろ? そら、指揮所で全部見えてるんだよな?」
佳奈の問いかけにそらが頷く。
「もう救助を要請してあるの。道はある。でも時間との勝負…………」
その時、橘香の声が聞こえた。
[敵確認。そらちゃん、星石の位置分かる?]
[さっきのコピーと同じなら分かる]
橘香の脳裏に、先程大きい方の島で槍使いと戦った時の静止画が映る。
星石の位置を示す赤い点が確認できる
[さすがそらちゃん]
ちゅん。
風を切る音がして何かが潰れる音が聞こえた。
遅れてその直後に銃声が一発、遠くに轟く。
[槍使いは仕留めたわ。マジックキャンセラーと思われる巫女は逃走。そっちを狙っている戦力はもう無いと思う。でも油断はしないで]
[仕留めたって、まださっきの展望台にいるんだよな。どんだけ離れて……]
佳奈も舌を巻く。
橘香ってほんとに鬼だと思う。
[1キロちょっとだけど、観測手をそらちゃんがやってくれてるから完璧。方角補正、風向補正オッケー。気温も安定。今日は風がそんなに無いから余裕ね]
橘香は白音たちが先程までいた展望台のベンチで、長さ1・5メートルを超す大型の狙撃銃を構えていた。
二脚銃架で銃身を固定して、立て膝で光学照準器を覗いている。
魔法少女の防御力をもってすれば、拳銃弾くらいなら当たってもどうということはない。
しかし軽装甲車両を易々と貫通してくるような対物ライフルともなれば、話は変わってくる。
莉美のように強力な防御手段を持つ者は別格として、チーム白音のような高い魔力を持つ者でも、気合いを入れなければこれを止めることは難しいだろう。
それを1キロメートル以上離れた位置から撃ってくるのだ。
『対物ライフル』というものが一般の軍隊でも持ちうる兵器であることを考えれば、魔法少女たちへの注意喚起としても十分な効力があっただろう。
橘香は海上にスコープを向けてみるが、白音の姿は既に見えない。
炎熱の魔法少女、高谷が背後で橘香を守っている。
それを咲沙が隠形の忍術によって見えなくしてしまっている。
狙撃手としてはこれ以上無い完璧な布陣だ。
そらは既に白音の救出プランを指揮所に伝達し、今は橘香の狙撃弾道にのこった水蒸気の痕を観測してさらにデータを微修正している。
この空色の小さな魔法少女は、現在発生しているほぼすべての戦場で戦闘の補助を行っているのだが、まったくそうは見えず普通に佳奈たちとも会話している。
多分マインドリンクであれば複数の人と同時に会話することもできているのだろう。
[白音のことは任せろ。間もなく到達する]
リンクスの声だった。
飛行できる魔法少女は多くない。
海中に潜って助け出すなら適任はリンクスしかあるまい。
そう思ってそらはリンクスに救助を要請したのだが、実はその時には既にリンクスは動いていた。
白音が海に落ちた時にはもう指揮所を飛び出している。
だから救出開始がそらの予測よりも数十秒早い。
「アタシたちは……進むぞっ!!」
佳奈が斜面を登り始めると、もう誰も異論は挟まず後に続いた。
本当は佳奈が一番、白音を救いに飛び出したいと思っているのだ。
それを知っているだけに皆、佳奈の決断に従う。
全員が今取り得る最良の選択をしておかないと、必ず後悔することになるだろう。
「伏兵がいたら橘香が見ててくれるからな。けど、随分静かになってるな?」
慎重に進んではいるが、佳奈の視界に動くもの捉えられない。
「ええ、良くない兆候ね。ここの捜索を受け持ってくれていた子たちが心配だわ」
一恵が最後尾について後方を警戒してくれている。
「やっぱり、資料のデータよりもかなり巫女たちの能力が上がってるの。マジックキャンセラーは触れた魔法を解除するだけの能力だったはず」
そらは悔しそうに言う。
どのように能力が向上するのかの予測が困難を極めている。
さらにはこの小島にいた部隊だけ、恐らくはマジックキャンセラーの影響でマインドリンクが不安定になってしまっている。
本物と思われる巫女たちが出現して以降の戦局が、うまくモニターできていなかった。
「他の巫女は玉砕覚悟なのに、マジックキャンセラーだけは逃走させてる。だから親通もその巫女を切り札にしてるんだと思うの。気をつけてね」
それほど大きくもないこちらの島の頂上には、海岸から100メートルも歩けば着いてしまう。
少し開けたところに出ると、そこにはあちらこちらにギルドの魔法少女が倒れていた。
「?! 遅かったかっ!」
事前の資料によれば、この場所は木々で覆われていたはずだ。
しかし到着してみると、木々が切り倒されて拓かれている。
報告が上がっていなかったということは、何らかの隠蔽魔法が施されていたのだろう。
「まだ遠隔鑑定のオーラ、広げ切れてないけど、彼女たち多分生きてるの」
「なんで分かるんだ?」
少し険のある聞き方になってしまったが、そらの言葉に佳奈は心底ほっとしていた。
「死んだら多分操られてしまうから」
「くっ…………」
突然、ふわあっと莉美の魔力が皆を包み込んだ。
倒れている魔法少女たちに魔力を分け与え、極度の緊張状態にあった佳奈、そら、一恵、瑠奏の体にも温かい魔力が満ちて行く。
そらを真似て莉美もオーラを拡げ、そこに濃密な魔力を乗せてみたのだ。
理屈は知らないが、マインドリンクの力を借りればこういうことができるのではないかと、今し方思いついたのだ。
何となくそういう事が今できたらいいなと思った。
そしてやってみたらできた。
莉美は何も言わなかったが、皆少し気持ちが落ち着くのを感じた。
「オーラ展開完了。気をつけて、敵に囲まれてる!!」
そらが警告を発する。
「まあ、隠蔽魔法があるなら、当然そうよね」
莉美のおかげでいつもの冷静さを取り戻した一恵が、莉美とそらを守るように動く。
瑠奏がどの程度戦えるのかは知らなかったが、ふたりで防御に徹して佳奈をフリーにさえできれば、後は何とでもなると読んでいた。
「んん? 初めからみんないたよね? ぼやけててすごい見にくくはなってるけど」
莉美にだけは、ずっと巫女の姿が見えていたらしい。
当たり前のこと過ぎて莉美は何も言わなかっただけだ。
「アタシたちは気配も何もまったく気づけなかったし、なのに莉美が騙されてないってことは、精神操作系だよな?」
「そうね。莉美ちゃんにはそういうの効いてるとこ見たことないから」
佳奈も一恵も、莉美が不屈の精神の持ち主、びっくりするくらい精神的な揺さぶりには強いことを知っている。
但し白音の事に関しては除く、なのだが。
「光学系と精神操作系を複合させてる。遠目には光学系で、近づいたら精神操作で気配も認識できなくしてるの」
「複合ってのは厄介だなまったく」
そらの説明を聞いて佳奈がヤレヤレという顔をしたが、瑠奏としては、
(いや、チーム白音も…………)
と思うばかりである。
「あそこに小屋あるよ?」
みんなに見えていなかったとは衝撃であった。
なので莉美は目に付くものを指摘してみる。
他の魔法少女たちにはやはり何かがあるようには見えていない。
「そっちの方からは遠隔鑑定でもまったく何も感じない。感じないってことは精神操作以外にもマジックキャンセルされてると思う。すなわち本命」
そらの言葉に魔法少女たちがそちらを見据えた。
飛行中の白音は運んでいた佳奈と莉美を庇って必死で避けるが、そのうちの一本が白音の身体を貫く。
華奢な身体を突き通して、背中から穂先が顔を出す。
「白音っ!!」
「白音ちゃんっ!!」
全員が同時に叫んだ。
白音は咄嗟にぐるっと体を回転させると、その勢いを利用して両手で吊り下げていた佳奈と莉美を放り投げる。
「後はお願い、佳奈…………」
ふたりがどうにか無事に海岸に届いたのを確認すると、失速した白音は海へと落下した。
白音が水面から見えなくなるのと同時に、佳奈たちはリーパーの効果が消えるのを感じた。
「白音ちゃん!!」
莉美が取り乱して海へ入っていこうとする。
しかし佳奈がそれを制止する。
「そっちじゃない莉美っ! 林の中へ走れっ!!」
「佳奈ちゃん酷いっ!!!」
莉美が叫ぶがその鼻先で、飛んできた槍を佳奈が素手で掴んで止める。
そんな芸当は佳奈以外にはできないだろう。
魔力障壁が易々と破られてしまった以上、莉美たちには対抗する手段が無いのだ。
「隠れてろ、動いたらお前まで狙われる」
瑠奏もリーパーの補助を失ってふたり分の重量を支えきれなくなったが、ふらふらとどうにかギリギリで海岸線に軟着陸した。
槍がすべて佳奈たちの方を狙っていてくれたおかげで無傷だ。
ひとまず五人で、槍を撃ってきた方向からは死角になる斜面に身を隠す。
「さっき見たあの能力だよね………」
言いながら莉美は、まだ白音が落下した海の方を見ている。
金属製の槍を飛ばすのは、多分展望台の手前で高谷たちと戦っていたあの巫女と同じ能力だ。
「コピーじゃない方、本物ってことかしら」
一恵がそらに確認する。
「うん、その槍に多分魔法のキャンセラーが付いてたの」
「魔法を無効化する飛び道具ってこと?! 厄介ね…………」
一恵とて白音を最優先にしたいのだろうが、今はパニックになるのが一番良くない。
莉美の震える両肩をしっかりと抱き留めている。
「白音は絶対平気だ。アタシたちは頼むって言われただろ? そら、指揮所で全部見えてるんだよな?」
佳奈の問いかけにそらが頷く。
「もう救助を要請してあるの。道はある。でも時間との勝負…………」
その時、橘香の声が聞こえた。
[敵確認。そらちゃん、星石の位置分かる?]
[さっきのコピーと同じなら分かる]
橘香の脳裏に、先程大きい方の島で槍使いと戦った時の静止画が映る。
星石の位置を示す赤い点が確認できる
[さすがそらちゃん]
ちゅん。
風を切る音がして何かが潰れる音が聞こえた。
遅れてその直後に銃声が一発、遠くに轟く。
[槍使いは仕留めたわ。マジックキャンセラーと思われる巫女は逃走。そっちを狙っている戦力はもう無いと思う。でも油断はしないで]
[仕留めたって、まださっきの展望台にいるんだよな。どんだけ離れて……]
佳奈も舌を巻く。
橘香ってほんとに鬼だと思う。
[1キロちょっとだけど、観測手をそらちゃんがやってくれてるから完璧。方角補正、風向補正オッケー。気温も安定。今日は風がそんなに無いから余裕ね]
橘香は白音たちが先程までいた展望台のベンチで、長さ1・5メートルを超す大型の狙撃銃を構えていた。
二脚銃架で銃身を固定して、立て膝で光学照準器を覗いている。
魔法少女の防御力をもってすれば、拳銃弾くらいなら当たってもどうということはない。
しかし軽装甲車両を易々と貫通してくるような対物ライフルともなれば、話は変わってくる。
莉美のように強力な防御手段を持つ者は別格として、チーム白音のような高い魔力を持つ者でも、気合いを入れなければこれを止めることは難しいだろう。
それを1キロメートル以上離れた位置から撃ってくるのだ。
『対物ライフル』というものが一般の軍隊でも持ちうる兵器であることを考えれば、魔法少女たちへの注意喚起としても十分な効力があっただろう。
橘香は海上にスコープを向けてみるが、白音の姿は既に見えない。
炎熱の魔法少女、高谷が背後で橘香を守っている。
それを咲沙が隠形の忍術によって見えなくしてしまっている。
狙撃手としてはこれ以上無い完璧な布陣だ。
そらは既に白音の救出プランを指揮所に伝達し、今は橘香の狙撃弾道にのこった水蒸気の痕を観測してさらにデータを微修正している。
この空色の小さな魔法少女は、現在発生しているほぼすべての戦場で戦闘の補助を行っているのだが、まったくそうは見えず普通に佳奈たちとも会話している。
多分マインドリンクであれば複数の人と同時に会話することもできているのだろう。
[白音のことは任せろ。間もなく到達する]
リンクスの声だった。
飛行できる魔法少女は多くない。
海中に潜って助け出すなら適任はリンクスしかあるまい。
そう思ってそらはリンクスに救助を要請したのだが、実はその時には既にリンクスは動いていた。
白音が海に落ちた時にはもう指揮所を飛び出している。
だから救出開始がそらの予測よりも数十秒早い。
「アタシたちは……進むぞっ!!」
佳奈が斜面を登り始めると、もう誰も異論は挟まず後に続いた。
本当は佳奈が一番、白音を救いに飛び出したいと思っているのだ。
それを知っているだけに皆、佳奈の決断に従う。
全員が今取り得る最良の選択をしておかないと、必ず後悔することになるだろう。
「伏兵がいたら橘香が見ててくれるからな。けど、随分静かになってるな?」
慎重に進んではいるが、佳奈の視界に動くもの捉えられない。
「ええ、良くない兆候ね。ここの捜索を受け持ってくれていた子たちが心配だわ」
一恵が最後尾について後方を警戒してくれている。
「やっぱり、資料のデータよりもかなり巫女たちの能力が上がってるの。マジックキャンセラーは触れた魔法を解除するだけの能力だったはず」
そらは悔しそうに言う。
どのように能力が向上するのかの予測が困難を極めている。
さらにはこの小島にいた部隊だけ、恐らくはマジックキャンセラーの影響でマインドリンクが不安定になってしまっている。
本物と思われる巫女たちが出現して以降の戦局が、うまくモニターできていなかった。
「他の巫女は玉砕覚悟なのに、マジックキャンセラーだけは逃走させてる。だから親通もその巫女を切り札にしてるんだと思うの。気をつけてね」
それほど大きくもないこちらの島の頂上には、海岸から100メートルも歩けば着いてしまう。
少し開けたところに出ると、そこにはあちらこちらにギルドの魔法少女が倒れていた。
「?! 遅かったかっ!」
事前の資料によれば、この場所は木々で覆われていたはずだ。
しかし到着してみると、木々が切り倒されて拓かれている。
報告が上がっていなかったということは、何らかの隠蔽魔法が施されていたのだろう。
「まだ遠隔鑑定のオーラ、広げ切れてないけど、彼女たち多分生きてるの」
「なんで分かるんだ?」
少し険のある聞き方になってしまったが、そらの言葉に佳奈は心底ほっとしていた。
「死んだら多分操られてしまうから」
「くっ…………」
突然、ふわあっと莉美の魔力が皆を包み込んだ。
倒れている魔法少女たちに魔力を分け与え、極度の緊張状態にあった佳奈、そら、一恵、瑠奏の体にも温かい魔力が満ちて行く。
そらを真似て莉美もオーラを拡げ、そこに濃密な魔力を乗せてみたのだ。
理屈は知らないが、マインドリンクの力を借りればこういうことができるのではないかと、今し方思いついたのだ。
何となくそういう事が今できたらいいなと思った。
そしてやってみたらできた。
莉美は何も言わなかったが、皆少し気持ちが落ち着くのを感じた。
「オーラ展開完了。気をつけて、敵に囲まれてる!!」
そらが警告を発する。
「まあ、隠蔽魔法があるなら、当然そうよね」
莉美のおかげでいつもの冷静さを取り戻した一恵が、莉美とそらを守るように動く。
瑠奏がどの程度戦えるのかは知らなかったが、ふたりで防御に徹して佳奈をフリーにさえできれば、後は何とでもなると読んでいた。
「んん? 初めからみんないたよね? ぼやけててすごい見にくくはなってるけど」
莉美にだけは、ずっと巫女の姿が見えていたらしい。
当たり前のこと過ぎて莉美は何も言わなかっただけだ。
「アタシたちは気配も何もまったく気づけなかったし、なのに莉美が騙されてないってことは、精神操作系だよな?」
「そうね。莉美ちゃんにはそういうの効いてるとこ見たことないから」
佳奈も一恵も、莉美が不屈の精神の持ち主、びっくりするくらい精神的な揺さぶりには強いことを知っている。
但し白音の事に関しては除く、なのだが。
「光学系と精神操作系を複合させてる。遠目には光学系で、近づいたら精神操作で気配も認識できなくしてるの」
「複合ってのは厄介だなまったく」
そらの説明を聞いて佳奈がヤレヤレという顔をしたが、瑠奏としては、
(いや、チーム白音も…………)
と思うばかりである。
「あそこに小屋あるよ?」
みんなに見えていなかったとは衝撃であった。
なので莉美は目に付くものを指摘してみる。
他の魔法少女たちにはやはり何かがあるようには見えていない。
「そっちの方からは遠隔鑑定でもまったく何も感じない。感じないってことは精神操作以外にもマジックキャンセルされてると思う。すなわち本命」
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