117 / 217
第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第38話 魂の帰趨(きすう) その三
しおりを挟む
「大雅がそんなこと望んじゃいなかったのは、分かってるんだ。あの子は優しい。ワタシたちふたりで楽しく異世界を冒険して回って欲しかったんだろうね」
京香たち姉妹がこれまでやってきたことを、白音は到底許せない。
共感しないし、理解もできない。姉妹もそんなことは求めていないのだろうと思う。
ただやはり、何かが変わっていれば違う未来もあったのかな、と思わずにはいられなかった。
すべての人の願いが、すべて思い通りに行くほど、世界は上手に創られてはいないのだ。
いつの間にか佳奈と莉美も、暖かい隔離空間の中に入って来て話を聞いている。
京香に戦意がまったく見えないのと、既に一切魔力を感じられないので、危険は無いと判断したのだろう。
「あんたたち全然違うようで、似てるよね」
京香の言う「あんたたち」とは白音と佳奈のことだ。
「どこが!!」
ふたりの反論が綺麗にハモった。
「そういうとこじゃない?」
莉美が魔法少女をダメにする危険なもちふわクッションを、そらの下に敷いてやりながら突っ込む。
「最初にお前の腹狙った時、結構焦らされたから」
切り落とされた耳を指さす。
白音からスコーピオンキックを食らった時の話だろう。
「お前の時はちょっと変化付けて手刀でやってみたんだけど、結局似たような返され方してそれで負けたしね」
自爆覚悟で腕を固めて、反撃に転じるところが似ていると言いたいのだろう。
「んー……」
ふたりとも揃って不満そうな顔をする。
「だからそういうとこだってば」
莉美が全員の椅子にも、ヤバい感触のクッションを敷いてくれている。もちろん京香にもだ。
「ハハハ。さてアディショナルタイムはそろそろ終わりのようだ。ワタシは行くよ。姉さんと大雅のところへね」
それが日常の動作ででもあるかのように、躊躇なくざくっと自分の胸に手を突き立てた。
そして少し探ると、胸の中から星石を取り出す。
「これが大雅なんだ」
さっき死にものぐるいで莉美のビームを避けて守った弟の星石だ。
綺麗なエメラルドのような碧色をしている。
「ワタシには無理だったけど、もしかしたら蘇生の道があるのかもしれないのなら、持って行ってくれないか?」
しかし差し出された星石が皆の目の前で、まるで見せつけるかのように派手な音を立てて縦に真っ二つに割れた。
その時、全員に男の子の声が聞こえたと思う。
[僕の旅もここで終わりだよ。お姉ちゃんたちと一緒に行く]
声は確かにそう告げた。
「そか、一緒に来てくれるのか。ありがとうな」
その碧玉を京香はぎゅっと握りしめる。
「あのさ、ホント図々しいのは分かってるんだけど。もし機会があったらでいいんだ。弟を異世界の、なるべく穏やかなところに埋めてやってくんないかな」
佳奈がその美しい宝石を受け取った。
「お前らのも一緒に埋めといてやるよ。また生き返ってきたら困るしね。ま、機会があったらだけどさ」
ふっと京香が笑う。
「ありがとね。カナ」
そしてあの猛獣京香は、そのまま動かなくなった。
◇
白音たちはそらの様子を見守りながら、眠りに落ちてしまった。
疲労とダメージによるものもあるだろうが、主な原因は一恵の椅子とコラボして、莉美が心地の良過ぎるクッションを作ってしまったからだ。
悪魔的なソファになってしまっている。
もちふわクッションの魔力には、本当に誰も逆らえなかった。
うとうとし始めると、白音はまたあの夢を見た。
幼い頃に花畑を走り回って遊んでいた夢だ。
今度は優しく見守ってくれている母の顔も、もうすぐ帰って来るはずの父の顔もはっきりと分かった。
今となってはたくさん持っている、幸せな思い出の中の大事なひとつ。
白音が幸せな気分で目を覚ますと、すぐ目の前に一恵の端正な顔があった。
どうやらこっそり白音にキスをしようとしていたようで、慌てて目を逸らす。
いつもの一恵だ。ということは上手くいったのだろう。
「そらちゃんは?」
白音がそう尋ねると、一恵はパッと笑顔を作ってそらの方を見た。
白音をお姫様抱っこして、彼女の元まで運んでくれる。
なんでこの人たちはこんなに格好いいんだろうかと白音は思う。
そらは目を覚まして、ちょっと眠そうに辺りを見回していた。
普通に朝学校に行く前のそらを見ているような、そんな感じだ。
それから焦点が合うように記憶が戻って、首の辺りを確かめている。
「そらちゃん!!」
そらの隣に下ろしてもらうと、白音は感極まってそらにハグした。
素っ裸のそらや、そらをくるんでいた一恵の私服に白音の血がべっとりとついてしまった。
「白音ちゃんに穢されたの」
「あ、や、違っ………。ごめんなさい…………」
謝ってはいるが、白音はそらの感触を手放す気は無かった。
すりすりとその温もりを堪能する。
ただ、よく見れば白音よりも先に別の血がついていた跡がある。
一恵も同じことをやったに違いない。
三人の声に佳奈と莉美も目を覚ましたらしい。
すぐにやって来てその騒ぎに加わると、順に自分たちの血もべっとりとそらになすりつけていく。
「みんなにマーキングされてるの…………」
そらはみんなのぼろぼろの姿を見て、戦いが壮絶だったことを思い遣る。
特に佳奈などはお腹から背中まで貫通したらしい傷がある。
莉美の魔力障壁で押さえてあるようだが、本当に大丈夫なのだろうか。
一緒に騒いでいてちょっと心配になる。
そしてさすがのそらも驚いた。傍らに京香が座ったまま死んでいる。
死の直前、神様に迫る勢いで未来を予測していたのに、そこまでは予想できなかった。
「…………」
その状態に至るにはかなり複雑な事情がありそうだったので、そらは説明を求めずに変身した。
知的非生命体がログを記録してくれているはずだ。
そらは星石と融合し、新たな階梯へと大きく成長を遂げていた。
そして手に入れた魔法が知的非生命体である。
それは、そらが予め想定した手順に従って、自動で物事を処理してくれるAIプログラムのようなものらしい。
精神連携で構築したネットワーク上に存在して、リンクしている人やデバイスに指示を与えることができる。
これに白音の二重増幅強化の効果が加わって知能が強化され、ネットワーク上に本物のそらがいて指示を出してくれているかのように感じていたのだ。
さらにもうひとつ、そらは悪魔のダイスという魔法を使っていた。
いや、正確に言うと、そらの代行をした知的非生命体がこの魔法を使っていた。
それは、今までにもやっていた計算による未来予測と同じものだ。
ただ、状況を構成するあらゆる要素を正確に分析、把握することでその精度は上がっていく。
遠隔による鑑定能力を手に入れ、さらには二重増幅強化で計算能力が跳ね上がることで、それはもはや『未来観察』と言っていいほどのものになっていた。
このふたつの魔法で、そらは彩子にその命を奪われてなお、チーム白音を勝利に導いたのだ。
そしてログには、そのそらの見た未来をさらに上回る激闘が記録されていた。
京香は想定を遥かに超える進化を遂げていたし、白音たちはそれでも姉妹に決して負けなかった。
「なるほど…………」
如何にしてチーム白音が戦い、如何にして逆巻姉妹が果てたのか。
それを知り、そらは改めて白音たちのことを尊敬した。
その一員であることを誇りに思う。そして…………
「私スワンプマンなのね」
「スワンプマン?」
多分佳奈と莉美の頭の中には、正義のヒーローか悪の怪人のどちらかが浮かんでいる。そうではない。
記憶や体をそっくりそのまま受け継いだ、けれど別の個体であるものを、本人だと言えるのか? ということだ。
そらが蘇生したのか、それともそらと区別がつかないそっくりなものを新たに作り出したのか。
それの意味するところが分かる白音と一恵は少し慌てた。
「いや違うの。体はね、体は確かにそうかもしれないけど、星石はそらちゃんそのものだから……」
そんな風に言う白音の顔は、切なげに見える。
星石には魂が宿る、それは通説ではあるが科学的には根拠がない。
一恵がもっと能力を拡張していけば、いずれは星石も再構築できる日が来る可能性はある。
学究の徒であるそらがこの状況をどう解釈するのか…………。
「ううん、気を遣わないで。私は自分のことは本人そのものだと考えてる」
佳奈が「いやどう見ても本人だろ?」という顔をした。
「私そっくりの誰かが私の記憶を持ってたら、本物かどうかが議論になると思うけど、カエルが私の記憶を持ってたら、みんな私がカエルになっちゃったって思うでしょ?」
「すごい! スワンプマンって人をカエルに…………」
莉美の唇に人差し指を当てて白音が睨む。
スワンプマンは手品師でもない。
「ふふ、みんな存外見た目に引きずられてると思うの。似てる方が疑わしいのは逆説的だけど、記憶と思考こそが本人、つまり魂なんだって私は思うの」
そらは白音の方にずいと自分の顔を突き出す。
「私がそらかどうか、疑わしいって思ってる?」
佳奈も莉美も、そもそもそれを問題にする意味がよく分かっていない。
ただ、見た目だけで盲目的に信じているわけでもない。
魔力の在り方はそれぞれの個性があるので、魔法少女同士なら近くにいれば相手が誰なのか、見なくても分かる。
魔力紋の鑑定ほど詳細なものではないが、直感的で信頼の置ける本人確認のようなものだ。
オカルトと言われようがなんだろうが、魂が感じている。それで十分なのだ。
また白音も一恵も、この状況についていろんな解釈が成り立つことは承知しているが、このかわいい唇で理屈をまくし立てる様はまさにそらだと思う。
「おかえり、そらちゃん」
代表して白音がぎゅっとハグする。そらも多分、そう言って欲しかっただけなのだ。
京香たち姉妹がこれまでやってきたことを、白音は到底許せない。
共感しないし、理解もできない。姉妹もそんなことは求めていないのだろうと思う。
ただやはり、何かが変わっていれば違う未来もあったのかな、と思わずにはいられなかった。
すべての人の願いが、すべて思い通りに行くほど、世界は上手に創られてはいないのだ。
いつの間にか佳奈と莉美も、暖かい隔離空間の中に入って来て話を聞いている。
京香に戦意がまったく見えないのと、既に一切魔力を感じられないので、危険は無いと判断したのだろう。
「あんたたち全然違うようで、似てるよね」
京香の言う「あんたたち」とは白音と佳奈のことだ。
「どこが!!」
ふたりの反論が綺麗にハモった。
「そういうとこじゃない?」
莉美が魔法少女をダメにする危険なもちふわクッションを、そらの下に敷いてやりながら突っ込む。
「最初にお前の腹狙った時、結構焦らされたから」
切り落とされた耳を指さす。
白音からスコーピオンキックを食らった時の話だろう。
「お前の時はちょっと変化付けて手刀でやってみたんだけど、結局似たような返され方してそれで負けたしね」
自爆覚悟で腕を固めて、反撃に転じるところが似ていると言いたいのだろう。
「んー……」
ふたりとも揃って不満そうな顔をする。
「だからそういうとこだってば」
莉美が全員の椅子にも、ヤバい感触のクッションを敷いてくれている。もちろん京香にもだ。
「ハハハ。さてアディショナルタイムはそろそろ終わりのようだ。ワタシは行くよ。姉さんと大雅のところへね」
それが日常の動作ででもあるかのように、躊躇なくざくっと自分の胸に手を突き立てた。
そして少し探ると、胸の中から星石を取り出す。
「これが大雅なんだ」
さっき死にものぐるいで莉美のビームを避けて守った弟の星石だ。
綺麗なエメラルドのような碧色をしている。
「ワタシには無理だったけど、もしかしたら蘇生の道があるのかもしれないのなら、持って行ってくれないか?」
しかし差し出された星石が皆の目の前で、まるで見せつけるかのように派手な音を立てて縦に真っ二つに割れた。
その時、全員に男の子の声が聞こえたと思う。
[僕の旅もここで終わりだよ。お姉ちゃんたちと一緒に行く]
声は確かにそう告げた。
「そか、一緒に来てくれるのか。ありがとうな」
その碧玉を京香はぎゅっと握りしめる。
「あのさ、ホント図々しいのは分かってるんだけど。もし機会があったらでいいんだ。弟を異世界の、なるべく穏やかなところに埋めてやってくんないかな」
佳奈がその美しい宝石を受け取った。
「お前らのも一緒に埋めといてやるよ。また生き返ってきたら困るしね。ま、機会があったらだけどさ」
ふっと京香が笑う。
「ありがとね。カナ」
そしてあの猛獣京香は、そのまま動かなくなった。
◇
白音たちはそらの様子を見守りながら、眠りに落ちてしまった。
疲労とダメージによるものもあるだろうが、主な原因は一恵の椅子とコラボして、莉美が心地の良過ぎるクッションを作ってしまったからだ。
悪魔的なソファになってしまっている。
もちふわクッションの魔力には、本当に誰も逆らえなかった。
うとうとし始めると、白音はまたあの夢を見た。
幼い頃に花畑を走り回って遊んでいた夢だ。
今度は優しく見守ってくれている母の顔も、もうすぐ帰って来るはずの父の顔もはっきりと分かった。
今となってはたくさん持っている、幸せな思い出の中の大事なひとつ。
白音が幸せな気分で目を覚ますと、すぐ目の前に一恵の端正な顔があった。
どうやらこっそり白音にキスをしようとしていたようで、慌てて目を逸らす。
いつもの一恵だ。ということは上手くいったのだろう。
「そらちゃんは?」
白音がそう尋ねると、一恵はパッと笑顔を作ってそらの方を見た。
白音をお姫様抱っこして、彼女の元まで運んでくれる。
なんでこの人たちはこんなに格好いいんだろうかと白音は思う。
そらは目を覚まして、ちょっと眠そうに辺りを見回していた。
普通に朝学校に行く前のそらを見ているような、そんな感じだ。
それから焦点が合うように記憶が戻って、首の辺りを確かめている。
「そらちゃん!!」
そらの隣に下ろしてもらうと、白音は感極まってそらにハグした。
素っ裸のそらや、そらをくるんでいた一恵の私服に白音の血がべっとりとついてしまった。
「白音ちゃんに穢されたの」
「あ、や、違っ………。ごめんなさい…………」
謝ってはいるが、白音はそらの感触を手放す気は無かった。
すりすりとその温もりを堪能する。
ただ、よく見れば白音よりも先に別の血がついていた跡がある。
一恵も同じことをやったに違いない。
三人の声に佳奈と莉美も目を覚ましたらしい。
すぐにやって来てその騒ぎに加わると、順に自分たちの血もべっとりとそらになすりつけていく。
「みんなにマーキングされてるの…………」
そらはみんなのぼろぼろの姿を見て、戦いが壮絶だったことを思い遣る。
特に佳奈などはお腹から背中まで貫通したらしい傷がある。
莉美の魔力障壁で押さえてあるようだが、本当に大丈夫なのだろうか。
一緒に騒いでいてちょっと心配になる。
そしてさすがのそらも驚いた。傍らに京香が座ったまま死んでいる。
死の直前、神様に迫る勢いで未来を予測していたのに、そこまでは予想できなかった。
「…………」
その状態に至るにはかなり複雑な事情がありそうだったので、そらは説明を求めずに変身した。
知的非生命体がログを記録してくれているはずだ。
そらは星石と融合し、新たな階梯へと大きく成長を遂げていた。
そして手に入れた魔法が知的非生命体である。
それは、そらが予め想定した手順に従って、自動で物事を処理してくれるAIプログラムのようなものらしい。
精神連携で構築したネットワーク上に存在して、リンクしている人やデバイスに指示を与えることができる。
これに白音の二重増幅強化の効果が加わって知能が強化され、ネットワーク上に本物のそらがいて指示を出してくれているかのように感じていたのだ。
さらにもうひとつ、そらは悪魔のダイスという魔法を使っていた。
いや、正確に言うと、そらの代行をした知的非生命体がこの魔法を使っていた。
それは、今までにもやっていた計算による未来予測と同じものだ。
ただ、状況を構成するあらゆる要素を正確に分析、把握することでその精度は上がっていく。
遠隔による鑑定能力を手に入れ、さらには二重増幅強化で計算能力が跳ね上がることで、それはもはや『未来観察』と言っていいほどのものになっていた。
このふたつの魔法で、そらは彩子にその命を奪われてなお、チーム白音を勝利に導いたのだ。
そしてログには、そのそらの見た未来をさらに上回る激闘が記録されていた。
京香は想定を遥かに超える進化を遂げていたし、白音たちはそれでも姉妹に決して負けなかった。
「なるほど…………」
如何にしてチーム白音が戦い、如何にして逆巻姉妹が果てたのか。
それを知り、そらは改めて白音たちのことを尊敬した。
その一員であることを誇りに思う。そして…………
「私スワンプマンなのね」
「スワンプマン?」
多分佳奈と莉美の頭の中には、正義のヒーローか悪の怪人のどちらかが浮かんでいる。そうではない。
記憶や体をそっくりそのまま受け継いだ、けれど別の個体であるものを、本人だと言えるのか? ということだ。
そらが蘇生したのか、それともそらと区別がつかないそっくりなものを新たに作り出したのか。
それの意味するところが分かる白音と一恵は少し慌てた。
「いや違うの。体はね、体は確かにそうかもしれないけど、星石はそらちゃんそのものだから……」
そんな風に言う白音の顔は、切なげに見える。
星石には魂が宿る、それは通説ではあるが科学的には根拠がない。
一恵がもっと能力を拡張していけば、いずれは星石も再構築できる日が来る可能性はある。
学究の徒であるそらがこの状況をどう解釈するのか…………。
「ううん、気を遣わないで。私は自分のことは本人そのものだと考えてる」
佳奈が「いやどう見ても本人だろ?」という顔をした。
「私そっくりの誰かが私の記憶を持ってたら、本物かどうかが議論になると思うけど、カエルが私の記憶を持ってたら、みんな私がカエルになっちゃったって思うでしょ?」
「すごい! スワンプマンって人をカエルに…………」
莉美の唇に人差し指を当てて白音が睨む。
スワンプマンは手品師でもない。
「ふふ、みんな存外見た目に引きずられてると思うの。似てる方が疑わしいのは逆説的だけど、記憶と思考こそが本人、つまり魂なんだって私は思うの」
そらは白音の方にずいと自分の顔を突き出す。
「私がそらかどうか、疑わしいって思ってる?」
佳奈も莉美も、そもそもそれを問題にする意味がよく分かっていない。
ただ、見た目だけで盲目的に信じているわけでもない。
魔力の在り方はそれぞれの個性があるので、魔法少女同士なら近くにいれば相手が誰なのか、見なくても分かる。
魔力紋の鑑定ほど詳細なものではないが、直感的で信頼の置ける本人確認のようなものだ。
オカルトと言われようがなんだろうが、魂が感じている。それで十分なのだ。
また白音も一恵も、この状況についていろんな解釈が成り立つことは承知しているが、このかわいい唇で理屈をまくし立てる様はまさにそらだと思う。
「おかえり、そらちゃん」
代表して白音がぎゅっとハグする。そらも多分、そう言って欲しかっただけなのだ。
10
お気に入りに追加
123
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる