91 / 214
第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第29話 白音、変身 その一
しおりを挟む
満ち足りた朝であった。
ふたつ並べたカップにドリップ式コーヒーバッグをセットし、湧かしたての熱湯を注ぎながら、なのに白音はかなり複雑な表情を浮かべていた。
ずっと絶対に叶わないと思っていた気持ちがリンクス? ディオケイマス? に届いた。
幸せの絶頂である。
しかし白音は前世で、彼に立ち塞がる敵はすべて自分が排除すると誓いを立てている。
その望みが叶えられなくなってしまった。
それに前世だろうと今世だろうと、男に守られて安全なところにいるのは白音の性分ではないのだ。
体にぎゅっと力を入れてみるが、やはり魔法少女には変身できない。
トースターでパンを焼きながら男独り住まいの冷蔵庫を勝手に覗くと、卵とベーコンくらいしか入っていなかった。
仕方なく白音は、ベーコンエッグを作り始める。
卵はふたつでいいのかな、リンクスから借りたシャツが汚れたら困るな、と思った。
もちろんエプロンなどリンクスが常備しているはずもない。
変身すれば汚れても平気なのにと、まるで莉美のようなことを考える。
もう一度ぎゅっと力を入れてみるが、やはりぶかぶかのシャツ姿のままだ。
「白音」
自分はミルクと砂糖が欲しいんだけどと探していた白音は、呼ばれてびくぅっとする。
「驚かせたか?」
「いえ、その呼ばれ方がちょっと新鮮で……」
「デイジーと呼ばれるのはなんだか嫌そうだったのでな。マイラキリーというのも、その……悪いがこの世界では変だしな」
「…………変ですね。マイラキリーも、ゾア……なんとかも今のわたしにとっては変です。なんでそんなのにこだわっていたんだか。デイジーが一番かわいくていいのにと思います。でも、白音、と呼んでいただけると嬉しいです。いろいろありましたが、今のわたしは白音です」
「そうか。では白音、これを」
デイジーの魔核を取り出して白音に見せる。
白音は昨日のことを思い出し、ぎょっとして後ずさった。
背中が後ろの食器棚にぶつかってガチャガチャと音を立てる。
「いや、違う違う。違うぞ。白音、お前はデイジー本人なのだ。体を乗っ取る、とかではない」
仕事を終えたトースターのタイマーがチン、と音を立てる。
コーヒーのいい香りが立っている。
「デイジーがお前…………君に転生したのだとして、ではこれは一体何なのだろうかと考えていたんだ」
魔核は魔族にとっての魂である。
他方、転生とはおそらく魂が別の体に入って生まれ変わることだと思われる。
しかしそれでは、白音の魂がふたつあることになってしまう。
この世界、この場所に、白音は魂を持って確かに存在するのだから、魔核には魂が入っていないと考えるべきだろう。
「それで当時の状況をできるだけ思い出してみたのだが……」
リンクスにとってデイジーが殺された時の記憶は、あまり思い出したくないものである。
それ故しっかりと検証ができず、目を逸らしていたところがある。
「やはり最大の疑問は、何故人族はデイジーの魔核を破壊せずに去ったのかということだった。人族が、ゾア…………いやその、二つ名まで付けて恐れていた君の魔核を放置するとは思えないだろう?」
はい、と頷きながら余ったベーコンをひと切れリンクスに差し出す。
彼はそれを口で直接パクッと受け取ると、できあがった朝食をダイニングテーブルの方へ運んでくれた。
白音にとってもあまり思い出したくない記憶だった。
それが顔に出ていたのだろう。
リンクスは話題を変えた。
テレビの朝の天気予報で、今日は一日快晴でしょうと言っている。
日曜日で良かったと思う。
危うく素行不良になるところだった。
リンクスがベーコンエッグを載せただけのトーストを食べて絶賛してくれる。
白音はこんなの誰にでも作れますよと笑いながら応じた。
それで白音はもう少し手の込んだものを食べてみて欲しくなって、夕食を作ることを提案してみる。
感情があまり表に出ないリンクスだが、これにはかなり大袈裟に喜んでくれた。
向こうの世界では小さい頃はお抱えの料理人による宮廷料理、落ち延びて以降は野戦食。
こちらの世界に来てからは出来合いのものや外食ばかりだった。
幼い記憶の中にだけ父王の後添い、つまりデイジーの母であるトモエに時折作って貰った優しい手料理の想い出がある。
蔵間たちの家によく呼ばれるようになってからは橘香が美味しい手料理を出してくれて、リンクスはそれを少し憧憬していたらしい。
白音はその話にまた涙ぐみそうになりながら、しかししっかりと(なるほど、誰もこのおうちで手料理を振る舞ったことはないんですね)とチェックは入れておく。
「よし」
と、ちょっと覚悟をして白音は話題を戻す。
記憶が完全に戻った彼女は、もはや自分が死ぬ瞬間までもはっきりと思い出していた。
最期の敵は本当に強く、手も足も出なかった。
せめてもの時間稼ぎをするだけで精一杯だった。
全力を尽くしてリンクスを逃がすことに成功したその直後、白音は核を貫かれて息絶えた。
その次の記憶は白音としての3歳頃、若葉会や敬子お母さんのものとなる。
「あれ? 多分わたし核を砕かれましたよ?」
「やはりそうか。デイジーの魔核を取り出した時、それとは別に確かに核の破片のような物があったんだ。当時の俺は、敵が別の何かを魔核と誤認してくれたおかげで破壊を免れた、とそればかりだったのだが」
リンクスはテーブルに置いた純白の魔核を見つめる。
「転生を是認するならば、やはりあの破片がデイジーの核、魂だったんだろう。そして破壊され、君はこちらの世界へ転生した」
「でもその白い石も星石ですよ? 間違いなく魔核だと感じます」
魔核は、手近にあったエッグスタンドに載せてリンクスの前ある。
白い輝きを仄かに放って、ずっと白音を呼んでいるのを感じる。
そばに朝食のお皿があるので、なんだかお供え物をされているみたいだ。
「魔族が生まれながらにして魔核を持っているのは説明したと思うが……」
記憶を取り戻している白音はもちろん頷く。
リンクスから聞いたことだけではなく、魔族としてのひと通りの一般常識も既に頭の中にある。
「あまりたくさんの例はないんだが、どうやら英雄核も子供へ受け継がれるようなんだ」
白音はえっ!? と思った。
自分たちの子供って、また魔法少女になるんだろうか? それも生まれながらの。
ちっちゃい佳奈みたいなのが、自分の娘として野山を駆けまわっている姿を想像してしまった。
そして、勝手にリンクスと子供を作るところを想像しいるのに気づいて赤面する。
「ん……まあ、向こうの世界では敵である召喚英雄たちのことなど知りようがなかったからな。しかしこちらの世界ではいくつかの事例が存在する。そして…………」
リンクスがぐっと身を乗り出す。
「白音、君には母から受け継いだ英雄核、父から受け継いだ魔核、このふたつが在ったんじゃないだろうか」
「!! そんなことあるんですか?!」
「いや、そもそも魔族と人族の間に子が生まれること自体、俺は白音以外に聞いたことがない」
しかしだとすればすべてが符合する。
白音は英雄核を魂としながら魔族の国で育ち、魔核を使いこなす方法を周囲から学んだということだ。
デイジーを倒した敵は彼女の魂を砕くことに成功し、リンクスは一縷の望みをかけて魔核を取り出したのだ。
そして桜の星石が白音の魂と融合して新たな英雄核をなす。
転生という奇跡が、いや、白音とリンクスの長い旅が、再びふたつの核をここに邂逅させたのだ。
「それで、この魔核なんだが……」
リンクスがスタンドの上に鎮座している白い宝石を指す。
心なしか星石が偉そうにしているように見える。
「これは魔族としての君の力の源なんだろうと思う。完全に適合しているのは…………ああ、その……事前にかなり厳密に調べたから間違いない。それに君は呼ばれていると感じるのだろう?」
こくこく、と白音は頷く。
「これがあれば、君は魔族としての力を取り戻せるのではないかと考えるのだが…………」
白音がはっとして天啓を得たとばかりに核に手を伸ばそうとするが、リンクスがそれを止める。
「推測だけで、そうなる保証はないんだ。先例がなく、不確定な要素も多い。確かに君のものを君に戻すだけなんだが…………」
本音を言うとリンクスは、この話をしたくなかった。
ようやく会えたのに、何故わざわざ危険を冒さなければならないのか。
しかし話をしながらリンクスは、やはりデイジーはデイジーなんだなと思った。
ここで説得してやめたらデイジーじゃない。
懐かしくて、嬉しくて、そして怖い。
「一緒にいられても、一緒に戦えないのは嫌です」
嘆息したリンクスは、せめて白音が作ってくれた朝食をしっかりと味わって食べた。
ふたりで朝食の後片付けを終えると、白音をベッドに連れて行った。
何も言わないのに、白音はいそいそとシャツを脱ぎ始める。
「いやっ、ちょっ、待ちたまえ……」
ひとまず寝かせて毛布を着せる。
「脱ぐんですよね? 夕べもそうでしたし」
確かに核の移植は素肌の上から直接行わなければならない。
それに白音が魔族の力を得れば多分、服が邪魔になるだろうと予測はしていた。
「魔法少女のコスチュームって、変身したまま脱げるんですね。あの時はちょっと焦りました。フフ」
ふたつ並べたカップにドリップ式コーヒーバッグをセットし、湧かしたての熱湯を注ぎながら、なのに白音はかなり複雑な表情を浮かべていた。
ずっと絶対に叶わないと思っていた気持ちがリンクス? ディオケイマス? に届いた。
幸せの絶頂である。
しかし白音は前世で、彼に立ち塞がる敵はすべて自分が排除すると誓いを立てている。
その望みが叶えられなくなってしまった。
それに前世だろうと今世だろうと、男に守られて安全なところにいるのは白音の性分ではないのだ。
体にぎゅっと力を入れてみるが、やはり魔法少女には変身できない。
トースターでパンを焼きながら男独り住まいの冷蔵庫を勝手に覗くと、卵とベーコンくらいしか入っていなかった。
仕方なく白音は、ベーコンエッグを作り始める。
卵はふたつでいいのかな、リンクスから借りたシャツが汚れたら困るな、と思った。
もちろんエプロンなどリンクスが常備しているはずもない。
変身すれば汚れても平気なのにと、まるで莉美のようなことを考える。
もう一度ぎゅっと力を入れてみるが、やはりぶかぶかのシャツ姿のままだ。
「白音」
自分はミルクと砂糖が欲しいんだけどと探していた白音は、呼ばれてびくぅっとする。
「驚かせたか?」
「いえ、その呼ばれ方がちょっと新鮮で……」
「デイジーと呼ばれるのはなんだか嫌そうだったのでな。マイラキリーというのも、その……悪いがこの世界では変だしな」
「…………変ですね。マイラキリーも、ゾア……なんとかも今のわたしにとっては変です。なんでそんなのにこだわっていたんだか。デイジーが一番かわいくていいのにと思います。でも、白音、と呼んでいただけると嬉しいです。いろいろありましたが、今のわたしは白音です」
「そうか。では白音、これを」
デイジーの魔核を取り出して白音に見せる。
白音は昨日のことを思い出し、ぎょっとして後ずさった。
背中が後ろの食器棚にぶつかってガチャガチャと音を立てる。
「いや、違う違う。違うぞ。白音、お前はデイジー本人なのだ。体を乗っ取る、とかではない」
仕事を終えたトースターのタイマーがチン、と音を立てる。
コーヒーのいい香りが立っている。
「デイジーがお前…………君に転生したのだとして、ではこれは一体何なのだろうかと考えていたんだ」
魔核は魔族にとっての魂である。
他方、転生とはおそらく魂が別の体に入って生まれ変わることだと思われる。
しかしそれでは、白音の魂がふたつあることになってしまう。
この世界、この場所に、白音は魂を持って確かに存在するのだから、魔核には魂が入っていないと考えるべきだろう。
「それで当時の状況をできるだけ思い出してみたのだが……」
リンクスにとってデイジーが殺された時の記憶は、あまり思い出したくないものである。
それ故しっかりと検証ができず、目を逸らしていたところがある。
「やはり最大の疑問は、何故人族はデイジーの魔核を破壊せずに去ったのかということだった。人族が、ゾア…………いやその、二つ名まで付けて恐れていた君の魔核を放置するとは思えないだろう?」
はい、と頷きながら余ったベーコンをひと切れリンクスに差し出す。
彼はそれを口で直接パクッと受け取ると、できあがった朝食をダイニングテーブルの方へ運んでくれた。
白音にとってもあまり思い出したくない記憶だった。
それが顔に出ていたのだろう。
リンクスは話題を変えた。
テレビの朝の天気予報で、今日は一日快晴でしょうと言っている。
日曜日で良かったと思う。
危うく素行不良になるところだった。
リンクスがベーコンエッグを載せただけのトーストを食べて絶賛してくれる。
白音はこんなの誰にでも作れますよと笑いながら応じた。
それで白音はもう少し手の込んだものを食べてみて欲しくなって、夕食を作ることを提案してみる。
感情があまり表に出ないリンクスだが、これにはかなり大袈裟に喜んでくれた。
向こうの世界では小さい頃はお抱えの料理人による宮廷料理、落ち延びて以降は野戦食。
こちらの世界に来てからは出来合いのものや外食ばかりだった。
幼い記憶の中にだけ父王の後添い、つまりデイジーの母であるトモエに時折作って貰った優しい手料理の想い出がある。
蔵間たちの家によく呼ばれるようになってからは橘香が美味しい手料理を出してくれて、リンクスはそれを少し憧憬していたらしい。
白音はその話にまた涙ぐみそうになりながら、しかししっかりと(なるほど、誰もこのおうちで手料理を振る舞ったことはないんですね)とチェックは入れておく。
「よし」
と、ちょっと覚悟をして白音は話題を戻す。
記憶が完全に戻った彼女は、もはや自分が死ぬ瞬間までもはっきりと思い出していた。
最期の敵は本当に強く、手も足も出なかった。
せめてもの時間稼ぎをするだけで精一杯だった。
全力を尽くしてリンクスを逃がすことに成功したその直後、白音は核を貫かれて息絶えた。
その次の記憶は白音としての3歳頃、若葉会や敬子お母さんのものとなる。
「あれ? 多分わたし核を砕かれましたよ?」
「やはりそうか。デイジーの魔核を取り出した時、それとは別に確かに核の破片のような物があったんだ。当時の俺は、敵が別の何かを魔核と誤認してくれたおかげで破壊を免れた、とそればかりだったのだが」
リンクスはテーブルに置いた純白の魔核を見つめる。
「転生を是認するならば、やはりあの破片がデイジーの核、魂だったんだろう。そして破壊され、君はこちらの世界へ転生した」
「でもその白い石も星石ですよ? 間違いなく魔核だと感じます」
魔核は、手近にあったエッグスタンドに載せてリンクスの前ある。
白い輝きを仄かに放って、ずっと白音を呼んでいるのを感じる。
そばに朝食のお皿があるので、なんだかお供え物をされているみたいだ。
「魔族が生まれながらにして魔核を持っているのは説明したと思うが……」
記憶を取り戻している白音はもちろん頷く。
リンクスから聞いたことだけではなく、魔族としてのひと通りの一般常識も既に頭の中にある。
「あまりたくさんの例はないんだが、どうやら英雄核も子供へ受け継がれるようなんだ」
白音はえっ!? と思った。
自分たちの子供って、また魔法少女になるんだろうか? それも生まれながらの。
ちっちゃい佳奈みたいなのが、自分の娘として野山を駆けまわっている姿を想像してしまった。
そして、勝手にリンクスと子供を作るところを想像しいるのに気づいて赤面する。
「ん……まあ、向こうの世界では敵である召喚英雄たちのことなど知りようがなかったからな。しかしこちらの世界ではいくつかの事例が存在する。そして…………」
リンクスがぐっと身を乗り出す。
「白音、君には母から受け継いだ英雄核、父から受け継いだ魔核、このふたつが在ったんじゃないだろうか」
「!! そんなことあるんですか?!」
「いや、そもそも魔族と人族の間に子が生まれること自体、俺は白音以外に聞いたことがない」
しかしだとすればすべてが符合する。
白音は英雄核を魂としながら魔族の国で育ち、魔核を使いこなす方法を周囲から学んだということだ。
デイジーを倒した敵は彼女の魂を砕くことに成功し、リンクスは一縷の望みをかけて魔核を取り出したのだ。
そして桜の星石が白音の魂と融合して新たな英雄核をなす。
転生という奇跡が、いや、白音とリンクスの長い旅が、再びふたつの核をここに邂逅させたのだ。
「それで、この魔核なんだが……」
リンクスがスタンドの上に鎮座している白い宝石を指す。
心なしか星石が偉そうにしているように見える。
「これは魔族としての君の力の源なんだろうと思う。完全に適合しているのは…………ああ、その……事前にかなり厳密に調べたから間違いない。それに君は呼ばれていると感じるのだろう?」
こくこく、と白音は頷く。
「これがあれば、君は魔族としての力を取り戻せるのではないかと考えるのだが…………」
白音がはっとして天啓を得たとばかりに核に手を伸ばそうとするが、リンクスがそれを止める。
「推測だけで、そうなる保証はないんだ。先例がなく、不確定な要素も多い。確かに君のものを君に戻すだけなんだが…………」
本音を言うとリンクスは、この話をしたくなかった。
ようやく会えたのに、何故わざわざ危険を冒さなければならないのか。
しかし話をしながらリンクスは、やはりデイジーはデイジーなんだなと思った。
ここで説得してやめたらデイジーじゃない。
懐かしくて、嬉しくて、そして怖い。
「一緒にいられても、一緒に戦えないのは嫌です」
嘆息したリンクスは、せめて白音が作ってくれた朝食をしっかりと味わって食べた。
ふたりで朝食の後片付けを終えると、白音をベッドに連れて行った。
何も言わないのに、白音はいそいそとシャツを脱ぎ始める。
「いやっ、ちょっ、待ちたまえ……」
ひとまず寝かせて毛布を着せる。
「脱ぐんですよね? 夕べもそうでしたし」
確かに核の移植は素肌の上から直接行わなければならない。
それに白音が魔族の力を得れば多分、服が邪魔になるだろうと予測はしていた。
「魔法少女のコスチュームって、変身したまま脱げるんですね。あの時はちょっと焦りました。フフ」
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説


転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる