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第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第4話 紅玉の魔法少女、黄金の魔法少女 その一
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ヤヌル佳奈の家はパン屋をしている。
『ヤヌルベーカリー』という。
父、セブランは南洋、ポリネシアに属するタヒチ島からやって来た。
なんでも、柔らかな日本のパンの味に感動したとかで、単身日本に渡りパン職人としての修行をした。
そして出会った佳奈の母、早苗と結婚して日本に帰化している。
佳奈がフランス語を話せるのは父がフランス語を母語としている影響だ。
どうせなら二カ国語を話せた方がいいだろうという両親の教育方針のたまものである。
そのせいで佳奈は両親のことをパパ、ママン、と呼ぶ。
見た目とはなかなかの違和感があって興味深いのだが、本人はまったく気にしていない。
積極的にボランティア活動をする父に連れられて幼い頃からあちこちを回っており、特にご近所である若葉学園にはいつも焼きたてのパンを届けていた。
そしてその時、佳奈は白音に出会った。
「ずいぶん生意気な子だな」
それがお互い様に抱いた感想だった。
しかしふたりはすぐに打ち解けて、いつの間にか大の親友となっていた。
もう何がきっかけで意気投合したのかも覚えていない。
多分些細なことだったのではないかと思う。
時には喧嘩をしながらも、ふたりはよく一緒につるんで遊ぶようになった。
ただ残念ながら、お世辞にも素行が良いとは言いがたい遊び方ばかりだった。
そうしてやがて周囲からは、ふたり組の『ちびマフィア』と呼ばれるようになっていった。
実は白音は、お互いが生意気だと思っていた頃から『ヤヌルベーカリー』のパンは大好物だった。
そして親友となり大きくなった今も、もちろん大好きである。
ふたりで『ヤヌルベーカリー』のパンを食べていると、今でも時折、当時の気持ちに立ち返ることがある。
「わたしの半分は佳奈のパンでできてる」
白音はそう公言して憚らない。
大空莉美はおっとりしていてかなりマイペースである。
周りに合わせることが苦手だった。
そのため小さい頃はいじめられることが多く、いつも泣いていた。
小学校に入学したての頃、公園で上級生の男の子たちにいじめられ、泣いていた。
それを颯爽と助けてくれたのが白音と佳奈のふたりだった。
既に『ちびマフィア』としてご近所中に知れ渡っていた悪ガキふたり組だが、彼女らなりの正義感を持っていた。
女の子ひとりをよってたかっていじめる男子に腹を立てて、取っ組み合いの喧嘩になった。
しかし、一方的に酷い目に遭わされて泣いて逃げたのは上級生五人組の方だった。
白音と佳奈は小さい頃から図抜けて運動能力の高い子供で、体格差も人数差もものともせずに完勝している。
男子小学生たちはしばらく夜泣きが止まらなかったらしい。
それが三人の出会いだった。
莉美は、白音も知らない佳奈の秘密を知っていた。
佳奈が魔法少女に変身するのを、目の前で見たことがあった。
赤いコスチュームを身に纏って仮面を付け、ものすごく速く走ったり、大きな岩を持ち上げたりして見せてくれた。
特に内緒にしてくれと頼まれたわけではないのだが、なんとなく、ふたりだけの秘密になっていた。
一度などは、
「ゆーかいはんをこらしめてやった」
と、自慢げに語っているのを聞いたこともある。
ただ、白音と佳奈がふたりとも莉美のヒーローであることに違いはなかったので、変身できようとできまいと、それは莉美にとって大したことではなかった。
だから佳奈だけが魔法少女だったのか、白音もそうだったのか。
それともただのごっこ遊びですべてが空想の産物だったのか。
それは莉美にとってよく分からない記憶となっていた。
やがていつかふたりの隣に並んで立つのが莉美の夢になった。
ふたりのような『立派なならず者』になりたいと願うようになった。
ちびマフィアが三人組になった
◇
白音がスライムに襲われた事件から、遡ること二週間ほど前の話。
まだそらや一恵とも出会ってはいない頃のことである。
曙台高校での昼休みに、佳奈と莉美がいつもの指定席、中庭のベンチで一緒に昼食を食べていた。
「佳奈ちゃん、あのね」
まだ春の名残をとどめるうららかな風が心地よい。
莉美は毎日自分で作っているという弁当を持参している。
佳奈の方は、ヤヌルベーカリーのサンドウィッチを自分好みの具材にアレンジしたものだ。
ふたりはいつものように食べたいものを何品か交換する。
「今朝、うちの近くで変なもの拾ったんだけど」
莉美がそう言ってお茶を入れたステンレスボトルを取り出した。
いつもお弁当と一緒に持参しているものだ。
そのキャップを外すと、中から昼でも眩しいほどの光があふれ出した。
「なんだろコレ。なんだか捨てちゃいけない物のような気がしたんだけど」
ボトルの飲み口の上に、黄金色に燦然と輝く星石が鎮座していた。
この貴石を見た時、莉美は何故か小さい頃の佳奈の事を思い出した。
色は全然違うのだが、あの時佳奈が変身に使っていた石と似ている気がしたのだ。
「ぶっはあぁぁぁぁぁ!」
佳奈が口にしていたパックジュースを盛大に吹き出す。
「いやん、もう。佳奈ちゃんお行儀悪い」
「いやいや、拾ったって…………もうめっちゃ光ってるし!」
「授業中に急に光り始めて、目立つからとりあえずここに入れといたんだけど」
いつでも変身オッケーとばかりに輝いて、莉美の動きに同調して緩やかに脈打っている。
うっかりすると今この場で変身してしまうのではないかと、佳奈には思える。
「何か知ってるの?」
「いや、まあ、ちょっととりあえず落ち着こうか。ゆっくり、ゆっくりね、それしまって」
「慌ててるの佳奈ちゃんの方じゃない。やだなあ。でもコレ面白いよね。どこかに電池とか入ってるのかなあ」
ボトルの上の星石をつん、と指でつつく。
もちろん顔などついているわけではないのだが、星石はじっと莉美の方を向いているように何故か感じられる。
「ダメダメダメ、ほんとダメ。刺激しないで。ここじゃダメ。人目につかないとこで、ちゃんと教えてやっから。今はダメ」
「やっぱり知ってるんだ。分かった、しまっとくね」
ボトルの蓋を閉めると、元の平穏な空気が辺りに戻ってくる。
「フフフ」
「なに?」
「ううん。人目につかないところでそのダメな事、ちゃんと教えてね」
その放課後、莉美は佳奈の家に寄った。
あの石の正体を早く知りたいという気持ちが、何故か抑えられないでいる。
「Coucou,Papa!!」
「Coucou!」
莉美にはよく分からないが、佳奈がいつもの見慣れた帰宅の儀式を父親と交わす。
南洋タヒチ出身の父親セブランは、莉美にも人なつっこい笑顔を向けてくれる。
パンのいい香りがする。
「莉美ちゃんもオカリー」
「はーい、おじさんただいまぁ」
何故か莉美は風呂場に連れて行かれた。
莉美はほぼ間違いなく星石に選ばれているだろうから、佳奈は変身のレクチャーをする気でいた。
しかし昼間の莉美を思い出すと、自分の時とは違って何だか危険な気もしたので風呂場でやることにしたのだ。
莉美はわざわざお風呂に呼ばれて、いったい何を教えてくれるのだろうかと思ってちょっとドキドキした。
しかし残念ながら、変身自体はすぐにできてしまった。
佳奈の時もそうだったらしいが、莉美も星石を手に取ると、どう扱えばいいのかが感覚で理解できた。
既に魔力がはち切れんばかりに高まっていたところに、ほんのひと押しきっかけを与えるだけで良かった感じだ。
莉美が黄金色の光りに包まれていくのを、佳奈が目を細めて眩しそうに見つめる。
多分想像以上の量の魔力があふれ出していて、それで輝いているのだろう。
変身した莉美はものすごくテンションが上がっていた。
ひとしきり鏡で自分の姿を見て、写真を撮ると、今度は佳奈にも変身して欲しいと言った。
それはそうなるだろうなと佳奈も予期していたのだが、佳奈自身変身するのは随分久しぶりだった。
平穏で退屈な女子高生ライフを楽しんでいれば、魔法少女の出番などそうそうあるものではない。
佳奈が紅玉の宝石のような輝きに包まれ、魔法少女へと変身する。
『ヤヌルベーカリー』という。
父、セブランは南洋、ポリネシアに属するタヒチ島からやって来た。
なんでも、柔らかな日本のパンの味に感動したとかで、単身日本に渡りパン職人としての修行をした。
そして出会った佳奈の母、早苗と結婚して日本に帰化している。
佳奈がフランス語を話せるのは父がフランス語を母語としている影響だ。
どうせなら二カ国語を話せた方がいいだろうという両親の教育方針のたまものである。
そのせいで佳奈は両親のことをパパ、ママン、と呼ぶ。
見た目とはなかなかの違和感があって興味深いのだが、本人はまったく気にしていない。
積極的にボランティア活動をする父に連れられて幼い頃からあちこちを回っており、特にご近所である若葉学園にはいつも焼きたてのパンを届けていた。
そしてその時、佳奈は白音に出会った。
「ずいぶん生意気な子だな」
それがお互い様に抱いた感想だった。
しかしふたりはすぐに打ち解けて、いつの間にか大の親友となっていた。
もう何がきっかけで意気投合したのかも覚えていない。
多分些細なことだったのではないかと思う。
時には喧嘩をしながらも、ふたりはよく一緒につるんで遊ぶようになった。
ただ残念ながら、お世辞にも素行が良いとは言いがたい遊び方ばかりだった。
そうしてやがて周囲からは、ふたり組の『ちびマフィア』と呼ばれるようになっていった。
実は白音は、お互いが生意気だと思っていた頃から『ヤヌルベーカリー』のパンは大好物だった。
そして親友となり大きくなった今も、もちろん大好きである。
ふたりで『ヤヌルベーカリー』のパンを食べていると、今でも時折、当時の気持ちに立ち返ることがある。
「わたしの半分は佳奈のパンでできてる」
白音はそう公言して憚らない。
大空莉美はおっとりしていてかなりマイペースである。
周りに合わせることが苦手だった。
そのため小さい頃はいじめられることが多く、いつも泣いていた。
小学校に入学したての頃、公園で上級生の男の子たちにいじめられ、泣いていた。
それを颯爽と助けてくれたのが白音と佳奈のふたりだった。
既に『ちびマフィア』としてご近所中に知れ渡っていた悪ガキふたり組だが、彼女らなりの正義感を持っていた。
女の子ひとりをよってたかっていじめる男子に腹を立てて、取っ組み合いの喧嘩になった。
しかし、一方的に酷い目に遭わされて泣いて逃げたのは上級生五人組の方だった。
白音と佳奈は小さい頃から図抜けて運動能力の高い子供で、体格差も人数差もものともせずに完勝している。
男子小学生たちはしばらく夜泣きが止まらなかったらしい。
それが三人の出会いだった。
莉美は、白音も知らない佳奈の秘密を知っていた。
佳奈が魔法少女に変身するのを、目の前で見たことがあった。
赤いコスチュームを身に纏って仮面を付け、ものすごく速く走ったり、大きな岩を持ち上げたりして見せてくれた。
特に内緒にしてくれと頼まれたわけではないのだが、なんとなく、ふたりだけの秘密になっていた。
一度などは、
「ゆーかいはんをこらしめてやった」
と、自慢げに語っているのを聞いたこともある。
ただ、白音と佳奈がふたりとも莉美のヒーローであることに違いはなかったので、変身できようとできまいと、それは莉美にとって大したことではなかった。
だから佳奈だけが魔法少女だったのか、白音もそうだったのか。
それともただのごっこ遊びですべてが空想の産物だったのか。
それは莉美にとってよく分からない記憶となっていた。
やがていつかふたりの隣に並んで立つのが莉美の夢になった。
ふたりのような『立派なならず者』になりたいと願うようになった。
ちびマフィアが三人組になった
◇
白音がスライムに襲われた事件から、遡ること二週間ほど前の話。
まだそらや一恵とも出会ってはいない頃のことである。
曙台高校での昼休みに、佳奈と莉美がいつもの指定席、中庭のベンチで一緒に昼食を食べていた。
「佳奈ちゃん、あのね」
まだ春の名残をとどめるうららかな風が心地よい。
莉美は毎日自分で作っているという弁当を持参している。
佳奈の方は、ヤヌルベーカリーのサンドウィッチを自分好みの具材にアレンジしたものだ。
ふたりはいつものように食べたいものを何品か交換する。
「今朝、うちの近くで変なもの拾ったんだけど」
莉美がそう言ってお茶を入れたステンレスボトルを取り出した。
いつもお弁当と一緒に持参しているものだ。
そのキャップを外すと、中から昼でも眩しいほどの光があふれ出した。
「なんだろコレ。なんだか捨てちゃいけない物のような気がしたんだけど」
ボトルの飲み口の上に、黄金色に燦然と輝く星石が鎮座していた。
この貴石を見た時、莉美は何故か小さい頃の佳奈の事を思い出した。
色は全然違うのだが、あの時佳奈が変身に使っていた石と似ている気がしたのだ。
「ぶっはあぁぁぁぁぁ!」
佳奈が口にしていたパックジュースを盛大に吹き出す。
「いやん、もう。佳奈ちゃんお行儀悪い」
「いやいや、拾ったって…………もうめっちゃ光ってるし!」
「授業中に急に光り始めて、目立つからとりあえずここに入れといたんだけど」
いつでも変身オッケーとばかりに輝いて、莉美の動きに同調して緩やかに脈打っている。
うっかりすると今この場で変身してしまうのではないかと、佳奈には思える。
「何か知ってるの?」
「いや、まあ、ちょっととりあえず落ち着こうか。ゆっくり、ゆっくりね、それしまって」
「慌ててるの佳奈ちゃんの方じゃない。やだなあ。でもコレ面白いよね。どこかに電池とか入ってるのかなあ」
ボトルの上の星石をつん、と指でつつく。
もちろん顔などついているわけではないのだが、星石はじっと莉美の方を向いているように何故か感じられる。
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「Coucou!」
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「はーい、おじさんただいまぁ」
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しかし昼間の莉美を思い出すと、自分の時とは違って何だか危険な気もしたので風呂場でやることにしたのだ。
莉美はわざわざお風呂に呼ばれて、いったい何を教えてくれるのだろうかと思ってちょっとドキドキした。
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佳奈の時もそうだったらしいが、莉美も星石を手に取ると、どう扱えばいいのかが感覚で理解できた。
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莉美が黄金色の光りに包まれていくのを、佳奈が目を細めて眩しそうに見つめる。
多分想像以上の量の魔力があふれ出していて、それで輝いているのだろう。
変身した莉美はものすごくテンションが上がっていた。
ひとしきり鏡で自分の姿を見て、写真を撮ると、今度は佳奈にも変身して欲しいと言った。
それはそうなるだろうなと佳奈も予期していたのだが、佳奈自身変身するのは随分久しぶりだった。
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