地の果ての国 イーグル・アイ・サーガ

オノゴロ

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第百八十八章

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第百八十八章

 カラゲル率いる王国軍は進軍し、かつて、『死者の日』の祭りが行われた広場に入った。
 あの日のにぎわいが嘘のように広場は静まり返っていた。石畳はめくれて、そそけ立ち、そこかしこに闇の王が地から蛇体をもたげた大穴が残っている。長年放置された家屋に入った時のように空気は乾いて冷たく黴くさかった。
 他の二つの軍勢も続々と集まりつつあった。外郭地帯に充満していた死霊兵はあらかた追い払ったようだ。
 コルウスを追うカラゲルとクランは広場の奥の大聖堂へ向かった。大聖堂は半ば崩れて屋根を失い、かろうじて壁面ばかりの無残な姿をさらしていた。
 馬を降りた二人は流血と屈辱の記憶のある階段を駆け上がった。
 カラゲルが神殿の扉にかけた手を押さえて、クランは言った。
「コルウスとは私が一人で決着をつける。お前は来るな」
 カラゲルの袖口は肩から流れた血で赤く染まっていた。
「馬鹿を言え。お前に奴の剣を止められるか。俺も行く」
 クランは腰の剣に手を当て、かぶりを振った。
「この剣はひとり私の剣ではない。セレチェンと私の剣だ。今、セレチェンの魂はセレチェンが果てた場所に戻った。コルウスを倒して、その非業の死を精算し、聖地への、故郷への道を切り開くのだ。これはすでにシャーマンの領分だ。お前は来るな」
「しかし、クランよ。お前がここで倒れるようなことがあっては……」
 クランは荒々しい仕草で扉にかけたカラゲルの手を払った。
「お前は来るなと言ったぞ。たとえ、それが王であってもシャーマンを止めることはできぬ!」
 総指揮官を追って階段の下まで来ていた旗手の少年にクランは命じた。
「旗手よ、総軍の道しるべよ。この扉の前に旗を立てよ。総指揮官とともにここに留まり、何人たりとも、この扉の先に行かせるな」
 旗手の少年は階段を駆け上がり、カラゲルのすぐ横に旗を立てた。少年の顔は砂ぼこりに汚れていたが、その目は王国の未来を見据えて澄み切っていた。
 クランはビーズの房飾りを揺らして身をひるがえすと、カラゲルを一顧だにせず神殿の扉の中へ踏み込んだ。
 後ろ手に扉を閉めると聖堂の中は沈黙に満たされた。外には王国軍の大軍勢が集まってきているというのに両耳を塞がれたかのような静けさだ。
 天井を失って空から降り注ぐ陽光に微細な砂塵が舞っている。ここでも乾いた黴の臭いがした。死霊のしるしである硫黄の臭気すら枯れ果てたか。
 奥の祭壇にはいまだダファネア像があった。かつて金色に輝いていたダファネア像は表面の金箔に無数のひびが走ってささくれ立ち、全身焼けただれているかのように見えた。
 ダファネア像の足元の台座にコルウスが腰かけていた。背中を金箔の剥げた馬の脚にもたれかからせ、髑髏と化した顔は永遠の飢えに迷う餓鬼としか見えない。
「カラゲルは来ないのか。同郷の三人だけで……いや、四人か……楽しくやろうと思っていたのによ……」
 コルウスは全身に闇をまとわりつかせていた。蛇のようにとぐろを巻いて蠢く闇はコルウスの持つ力であると同時に呪縛でもあった。
 クランは砂塵の積もった床を歩いて、セレチェンが果てた場所に来た。
 そこにはブルクット族きっての勇者が王の血脈を守るため流した血がいまだどす黒く残っていた。
「王をこの場所へ立ち入らせるわけにはいかない。この場所は穢れているからだ。お前とお前の主人である闇の王の所業によって、この場所は死霊の巣と化している」
 フンと鼻で笑ってコルウスは立ち上がった。
「とんだ濡れ衣だ。ここは闇の旦那が暴れる前から死刑執行人どものたまり場になっていたんだぜ。穢れているのは前からだ。奴らは公開処刑の前には決まって、このダファネア像の前で酒盛りをしたらしい。虚勢を張っていやがったのさ。神々だの精霊だのが怖かったんだろう」
 コルウスは玉座の剣を抜いた。剣がまとう闇は、コルウスの身体を覆う闇と一つになって、まるで繭のように、また檻のようにも見えた。
「だが、俺は怖いものなんぞありゃしねえ。お前たちがどんなに軍勢を繰り出して来ようとも、そんなことじゃ俺は倒せねえ。ただ、クランよ。憐れむべき運命の者イーグル・アイよ。お前だけはここらでどうにかしなくちゃな」
 クランも剣を抜いた。刀身が震え、光がほとばしる。ふたたび、セレチェンの魂がクランの身体と二重映しに姿を現した。
 コルウスの暗い眼窩が燃えた。乱杭歯の上下がガチガチと合わさって、獣じみた獰猛さがむき出しになった。
「親父の面も二度目だと、そうありがたくもねえや。クランよ。お前を倒して、魂二つまとめて死霊の群れに叩き込んでやる!」
 コルウスのまわりに地から湧き上がるようにして狼の群れが現れた。黒一色の目をギラつかせると、いっせいにクランに飛びかかってくる。
 クランの胸にあるシャーマンの鏡が光をひらめかせた。いにしえの言葉が口をついて出た。

 『ブルクット族の勇者たちに乞い願う
  我はイーグル・アイ
  我が戦いに助力を賜らんことを』

 瞬時に古き勇者たちがイーグル・アイの盾となって現れ、宙に飛んだ狼をその剣で串刺しにした。古き勇者たちも闇の狼も姿を消した。これらはみな、瞬きひとつする間もないうちに起こったことだった。
 コルウスはたじろいだ。この場所には死霊が充満していた。コルウスの闇の目にはそれがはっきりと見えた。クランは精霊の加護を得ることはできないはずだ。
 しかし、シャーマンの鏡は、そこへ光の通路を、精霊の通路をうがっていた。コルウスにはそれが明暗反転して、いかなる闇よりも暗く深い闇として迫ってきた。コルウスは震えた。
「コルウスよ、闇の奴隷よ。お前はまだ、こんな獣が何かの役に立つと思っているのか。これらのものは幻影に過ぎない。精霊ではなく、死霊でもない。生命でないことは言うまでもない」
「黙れ、えせシャーマンめ。王の剣で片をつけてやる!」
 コルウスが剣を振ると、闇は鞭のように伸びてクランに迫った。身をかわしたクランの眼前で闇の鞭は枝分かれし、七つの頭を持つ蛇と化した。
 大きく開いた七つの顎が上下左右から飛んできて、クランを引き裂こうとした。予想のつかない乱れた動きにシャーマンのビーズも乱れた音をさせた。
「さあ、どうした、クランよ。そう毎度毎度、影法師を頼むわけにもいかねえだろう」
 シャーマンの鏡は光をたたえていたが、加護を求めるに時を得ていなかった。
 その時、クランは何者かに強く身体をつかまれるのを感じた。セレチェンの魂がクランの魂ばかりでなく肉体をも鼓舞しはじめたのだ。
 セレチェンの魂によって振られた剣が蛇の頭の一つを斬り落とした。続いてクランの身体は力ずくで捻じ曲げられ、剣は突き上げる動きで頭上に迫っていた顎を貫いた。
 さながら狂気の舞踏病に襲われたように、クランの肉体はクランの意思を無視して折れ曲がり、引きつり、弾け、反り返った。
 闇の蛇は次々に刃にかかって斬り裂かれていった。コルウスも必死になって剣を振り乱したが、そんなことで追いつきはしない。
 セレチェンの魂は底知れぬ怒りに取り憑かれているようだった。この世のすべてを闇に堕とそうとする、あらゆる力への怒りに。
 しかし、力なくして人は生きられるのか。この世を力によって作り変えることで人は生きることができる。だが、力あるところ、否応無しに闇は生じるのだ。
 ならば、人は人であるというだけで罪なのか。神々よ、人は限りなく闇に堕ちていくばかりなのか。何かが欠けているというのか。光とは。光とは何なのか。
「セレチェンよ、荒れ狂う魂よ、我が身を引き裂こうと言うのか!」
 クランの絶叫がほとばしった。
 吹き荒ぶ嵐のようにセレチェンの魂は闇の蛇を斬り刻んでいった。しかし、それとともに、その子コルウスの怒りも燃え盛り荒ぶっていくようだった。
「お前の思い通りにさせてたまるか。親父、お前は俺の手で殺したはずだ。確かに、この手で殺したはずなんだ!」
 最後に残った闇の蛇が渾身の力を孕んで大波のごとき弧を描いて飛んだ。
 クランの口から絶叫が上がった。蛇の顎がクランの左腕に食いつき、深々と牙を突き立てていた。
 その傷口から、さながら鮮血がほとばしるように光がほとばしり出た。クランの肉体はすでに光に満たされ、光に支配されていたのだ。
 クランは激痛によろめき、ひざまずいた。傷口ではいまだ闇と光とがせめぎ合っている。闇の蛇はクランとコルウスを繋ぎ、拘束する鎖と化していた。
 コルウスは弧を描く闇をたぐるようにクランに迫った。その身体の前面はほとばしる光を受けて焼け爛れ、漆黒の装束は灰となって宙に舞った。
「これがお前の哀れな運命の最後だ。親父もろとも息の根を止めてやる!」
 コルウスが頭上高く剣を振り上げた時、弧を描く闇を伝って一羽の鷲が飛んだ。セレチェンの魂だ。鷲の姿を取った魂は我が子の肉体へ飛び込んだ。
 父の魂に乗り移られたコルウスは全身を激しく反り返らせ、肉という肉を痙攣させて金縛り状態に陥った。息もできない。
 コルウスは振り上げていた玉座の剣を地に落とした。明暗反転していた視野が急速に暗く狭まっていく。
 闇だ、真の闇だ。暗く冷え切っている。静まり返って、あらゆるものが沈黙している。
 いつの間にか、コルウスは背中を丸めて狭い箱のようなものの中に閉じこもっていた。
 どれくらい時が経ったのか。突然、視野は明るくなり、頭上には抜けるような青空が広がっている。
 恐るべき力でコルウスは誰かに突き飛ばされた。地面に倒れて背中を打ち、手からは剣が落ちた。
「よそ見をするな。これが本当の戦いなら、お前はもう死んでいるのだぞ!」
 胸元に稽古用の木剣がつきつけられた。起き上がろうとした時、喉首を剣の先で突かれてコルウスは激しくむせた。
「馬鹿者め、のそのそ起き上がる奴があるか。素早く身体をひねって、とどめを刺そうとする敵をかわすのだ」
 見上げた先には、父セレチェンの顔があった。コルウスがその生命を奪った時の顔よりもずっと若い。コルウスがまだ子供の頃の顔だ。
 必死の思いで身体を回転させ、立ち上がる。手から転げ落ちていた木剣を誰かが投げて渡してくれた。稲妻の刺青。カラゲルだ。カラゲルもまだ子供だ。
 木剣を構え直したコルウスだが、その剣はすぐに弾き飛ばされてしまった。
「剣をしっかり握らぬからだ。友の助けを無にする者はブルクット族とは言えぬ!」
 コルウスは肩を強く突かれて、また地に倒れた。起き上がろうとする頭上に抜けるような青空が無情に沈黙していた。
 視野が暗くなり、闇に、暗く冷え切った闇に、コルウスは沈んでいった。
 これはコルウスの魂と父セレチェンの魂とが激しく葛藤するうちに脳裏に現れた幻影だった。幻影ではあるが、コルウスの魂に刻まれた確かな記憶の傷跡だった。
 また、コルウスの闇が切り裂かれて、幻影が噴き出してきた。
「クランよ、運命の者イーグル・アイよ。お前は他の者たちと違う。その青い瞳は神々が与え給うたものだ」
 夜のともしびの中でセレチェンが教え諭しているのは、まだ少女のクランだった。
「お前が私の前に現れたのは偶然ではない。世の親子など、男と女の偶然の出会いから生まれたものに過ぎないが、お前は違う。お前は王国を救うため、前もって用意されたのだ。半ば精霊と言ってもよい」
 セレチェンはじっとクランの青い瞳に見入っていた。そこに何かを探るような目でもある。
「まぎれもなく、お前は私の娘だ。なぜなら、この父もまた、いずれ王国を救うことになろうからだ。その時はまだ来ていない。ブルクット族は王都から追放され、ナビ教はないがしろにされている。しかし、その時はきっと来る。その時は我ら父と子とが王国をかつての姿に戻すのだ。ダファネアがこの王国を作った、その始まりの姿にな」
 コルウスは部屋の片隅に背中を丸めて座っていた。セレチェンはコルウスには目もくれなかった。すでに母は若くして亡くなっていたが、コルウスには父もまた亡きに等しい存在となりかけていた。
 コルウスは胸底に鬱々と沈殿して、ひたひたと水位を増していく暗く冷たい思いを感じていた。
 視野はまた暗くなり、手足までも冷え切ってきた。父と子の戦いはいまだ続いている。
 コルウスはベルーフ峰の聖地にいた。ミアレの花が咲き誇る洞窟の前だ。
「そうさ、僕なんか死んじゃえばいいんだ。僕が死んだら、親父も少しはうしろめたい気持ちになるにちがいない」
 コルウスは腰帯から父にもらった短刀を抜き、光る切っ先に見入った。そこにも、抜けるような青空がコルウスを見返していた。
 すでにコルウスの顔には鷲の刺青があった。しかし、心はいまだ成人などしていなかった。人は年月の作用によって大人になるわけではない。
「そうだ、これが僕のできる親父への復讐だ。僕の嘆き、悲しみ、見捨てられた気分、この凍えそうな胸の内を思い知らせてやるんだ」
 短刀の鋭い切っ先を喉元に当て、コルウスは自ら命を絶とうとした。
 勇者の弔いを求めるべき洞窟の前でみじめに死んで、勇者と呼ばれている父セレチェンへのあてつけにしてやろうというのだ。
 しかし、コルウスはどうしても我が首に短刀を突き立てることができなかった。やろうとしても切っ先が逸れて、どうすることもできない。
 コルウスは切っ先に映る青空を憎んだ。そうか、自分は聖地にまで拒まれているのか。それならば、もう部族の民でなくともよい。父の子でなくともよい。
 コルウスはその夜、ブルクット族の村を出奔した。馬屋から一番いい馬を引き出し、鍛冶屋の刀掛けから極上の剣を一本盗んだ。懐にはこの頃、使うようになった吹き矢もある。
 それに親父にもらった短刀も捨てずに持っていこう。俺がこれからやろうとすること全てをこの短刀に見せてやろう。俺はもう部族の民なんかじゃねえんだぜ、親父。俺は自由なんだ。なにもかもから自由なんだ!
 街道に馬を突っ走らせながら、月に向かって叫んだ時、コルウスの視野は幕が降りたように暗くなり、我に返った。
 コルウスはまだ王都の大聖堂にいた。我が身に取り憑いた父セレチェンの魂との戦いは、ずっと続いていたのだ。
 地に落ちた玉座の剣の代わりに腰帯から短刀を抜いたコルウスは獰猛なうめき声を上げながら父の魂へ斬りつけた。
 暗くおぼろげなその姿は決して傷つけることができなかった。それは我が心が生んだ幻影に過ぎなかった。
 コルウスは自分では父の魂を攻撃しているつもりだが、実際には我が身を斬り刻んでいたのだった。腕を、脚を、腹を、我が胸にまで、古い記憶の染み付いた短刀を突き立てている。
 傍から見れば狂った舞踏としか見えない。クランも呆気にとられて見守るばかりだ。
 傷口からは闇がほとばしり出た。満身創痍となったコルウスはあふれ出る闇に囚われ、すでにその肉体の輪郭すらさだかでない。
 髑髏の顔から絶叫が上がった。
「なぜ俺はこの世に生まれてきたんだ。ただの偶然なのか。父よ、答えよ。精霊よ、神々よ、なぜ答えない。なぜ黙ったままなのだ!」
 コルウスの暗い眼窩から闇の蛇が頭を出した。苦しむようにのたうっている。
 その時、空から降り注ぐ光の中にオローが現れた。鷲は急降下してくちばしで蛇を捕らえ、コルウスの身体から闇の蛇は取り除かれた。
 たちまちコルウスの肉体は崩れ始めた。巨大な塔が崩れ落ちる時のように闇が濛々とたちこめ、その中に髑髏の眼窩ばかりがおぼろげに浮かんで見える。頭上高くかかげた手の中で短刀が砕け散り、その破片はきらめく雨のように降り注いだ。
「ああ、俺が消えていく……闇の虜にされた俺……抜け殻だった俺……自分が何を求めているかも分からず彷徨うばかりだった俺が……闇の……中に……」
 完全に影絵と化したコルウスは両手を前に差しのべ、狂おしく何かを求める様子を見せた。
「……僕を……僕を抱いて……お父さん……」
 弱々しい笛の音のような声はくずおれる闇とともに微かな震えを残して消えた。
 聖堂の空高くオローの鳴き声が聞こえた。見上げるクランにはセレチェンの魂がどこか遠くへ去っていくのが分かった。しかし、その行く先は分からなかった。
 おそらく故郷の聖地ではないだろう。
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