地の果ての国 イーグル・アイ・サーガ

オノゴロ

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第百八十四章

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第百八十四章

 かつて王宮の塔があった方角から地鳴りのような轟音が聞こえてきた。その轟音には心を凍らせる悲鳴のような響きがあった。
 闇の王が苦悶しているのだ。
 嵐のさなか頭上に突風が吹き過ぎる時のように、空はうめき、叫び、怒り狂った。
 ココが印を結んだ両手から雷撃を放って死霊兵十数体の身体を骨もろとも宙に四散させた時、バラバラとあたりに降り注ぐ黒い蛇の向こうから、いっそう黒く濃く闇をまとった姿が現れた。コルウスだ。
 濡れたような漆黒の装束。腰にはシュメル王から与えられた玉座の剣。片目を髪で隠した暗い顔。口の両端を吊り上げて笑う唇は大鎌の刃のようだ。
「こりゃあ驚いた。お前か、ココよ。俺の可愛い死霊どもが野火にでも焼かれているのかと思ってすっ飛んできたんだぜ。お前はこのあたり一帯の俺の兵隊をあらかた殺っちまいやがった」
 コルウスは足元に転がる棍棒のようなものを拾い上げた。これは人の骨だ。おそらくは大腿骨だろう。ついさっきまで蛇の身体をまとっていた死霊兵の成れの果てだ。
 その褐色に乾いてひび割れの走る骨にコルウスはいきなり食らいついた。
 ゴリッ、ゴリッと固い音をさせながら、コルウスは人骨を噛み砕き、痩せた首の喉仏を上下させて飲み下した。
 その間、コルウスの片目はじっとココへ向けられていた。
「どうも、むしょうに腹が減ってしょうがねえんだ。食っても食っても満腹にならねえ。骨まで食らいやがってと闇の旦那は怒っていたが、こればっかりはどうしようもねえ」
 コルウスは大腿骨を残らず食ってしまうと、また口元を吊り上げて笑った。
「おい、ココ、お前どうかしたのか。まさか頭がおかしくなっちまったんじゃねえだろうな。お前はこっち側の人間だろうが。俺と一緒に来いよ。二人で王国を食い尽くしてやろうじゃねえか」
 ココは吐き気を催して顔を背け、乾いた骨が転がる地面へ苦い唾を吐いた。
「馬鹿言うんじゃないよ。あんたみたいな化け物と一緒にされてたまるかい。これでも私の身体には赤い血が流れているんだからね」
「へえ、そうかねえ……」
 コルウスの目の色が変わった。漆黒の瞳が灰色になり、また元に戻る。
「ココよ。お前は何も分かっちゃいねえ。こっち側へ来ない限りお前は生きていることはできねえんだ。お前のやっていることは自分で自分の首を絞めているようなもんだ」
 そのうちにココのまわりにはヤンゴ、ブルーノをはじめ、コウモリの巣の面々、それにブルクット族の鍛冶屋たちが集まってきた。ココを守ろうと油断なく剣を構えて取り巻く。
 コウモリの巣の面々はすでにコルウスを知っていた。ナホ族の町の神殿前広場で偽闇の王を演じたコルウスと大立ち回りを繰り広げたのがこの者たちだ。
 ヤンゴは死霊兵の骨を砕き続けたせいで刃こぼれを起こした大剣を突きつけて言った。
「てめえか、このカラス野郎め。てめえの人形芝居はしょせん茶番だぜ。ここらで俺たちが幕を引いてやる」
 鍛冶屋たちは言うまでもなく、同族のならず者、長老殺し、禁忌を犯した罪人であるこの男を知っていた。鍛冶屋の長などはコルウスを子供の頃から知っていた。
「父を裏切り、部族を裏切り、王国を裏切ったならず者め。お前のような者は滅びる運命にある。神々はお前のような者を天地の間に生かしてはおかれぬ」
 コルウスはかつて同族であった者たちへ嘲りの横目を向けた。
「滅びる運命だと。俺はとうの昔に滅びているんだぜ。地の底まで行って帰ってきた、それが俺さ。滅びている者をどう滅ぼすっていうんだ。死者を殺すことができるか。狂人を狂わせることができるか。いいや、神々にだってそんなことはできやしねえ」
 コルウスが闇をまとった剣を抜くと、地下から湧き上がるようにして十数頭の黒い目の狼が現れた。
 濃厚な硫黄の臭気とともに狼たちは遊撃隊へ飛びかかった。
 遊撃隊の面々は一歩も退かず、闇の獣に立ち向かっていった。獣は地を駆けるかと思うと、身をひるがえして跳ね上がり、短剣のように鋭利な牙と爪とで攻撃してきた。
 面々は手練れが揃っていたが、死霊兵以上に予想のつかぬ黒い目の獣どもにてこずった。かわしては斬りつけ、斬りつけてはかわすうちに男たちは満身創痍となり、衣服を血で濡らした。
 コルウスは供を従えた王のごとくに狼の群れの真ん中に立ち、口元に薄笑いを浮かべていた。
「どうだい、懐かしのふるさとの友よ。黒い目の狼には由緒正しいブルクット族の剣術もいいところなしのようじゃねえか。獣の太刀筋を読もうったって無駄だぜ。こいつらは目だけじゃなく頭の中も真っ暗闇なんだから筋もクソもあるもんか」
 鍛冶屋の一人が悪戦苦闘の末、闇の狼を一頭倒して、こちらへ向かってきた。コルウスは懐から吹き矢を取り出し、素早いひと吹きで鍛冶屋の巨体を倒した。
 遊撃隊の面々は一人倒れ、二人倒れして、しだいに手勢を減らしていった。ヤンゴが荒い息とともに怒鳴った。
「狼に構うな。コルウスをやるんだ!」
 しかし、獣の動きは執拗で疲れを知らなかった。
 コウモリの巣の一名が首を噛み切られ、噴き出す血潮とともに倒れた。
 別のところでは鍛冶屋の一人が獣の爪で目をやられ、よろめいたところを殺到する数頭に押し倒された。絶叫が上がり、鍛冶屋は凶暴な牙で五体を食いちぎられた。
 ココはなんとか狼の囲みを突っ切ろうとしていた。しかし、ココはすでに消耗しきっていた。弱々しい火球を放つのにも胸底をえぐられるような苦痛が伴った。
 ブルーノはヤンゴの命令でココにぴったり張り付いて護衛を務めていた。剣で狼どもを追い払いつつ、コルウスに迫ろうとしている。
 ヤンゴがブルーノへ叫んだ。
「ブルーノ、ココを連れて逃げろ。城門を破って来る味方と合流するんだ」
 城門を攻撃する破城槌の轟音がひときわ高く響いてきた。遊撃隊の攻撃は無駄ではなかった。死霊は力を弱め、城門の封印は解けつつあったのだ。目には見えぬがブンド族の門からは精霊たちも流入しつつあった。
 ヤンゴはすでに二頭の狼を仕留めていたが、さらに一頭やっつけると、大股にコルウスへ迫った。
 闇をまとった剣をかわしたヤンゴは二合、三合と斬り結び、ついにコルウスの肩口へ一太刀浴びせた。
 コルウスは鴉の鳴き声めいた叫び声を上げながらのけぞった。
 漆黒の装束の裂け目から黒い血が噴き出した。それはかつてオローのくちばしで精霊の傷を受けたところだった。
 コルウスは体内の蛇の力によってあらゆる肉体の損傷を修復できたが、この古傷だけは完全に塞ぐことはできないようだった。
「この野郎、偶然とはいえ俺を怒らせやがったな!」
 コルウスは髪をかきあげ闇をたたえた目を露わにした。ヤンゴはとっさに顔をそむけ邪眼を逃れようとしてよろめいた。卑怯にもコルウスはその背中を剣で斬り裂いた。
 ヤンゴは肩口から腰のあたりまで斬り下げられてのけぞり、剣を落として、その場に倒れた。さながら稲妻のような斜めの傷口は鮮血を噴き出すとともに黒い炎のようなものをメラメラと燃え上がらせた。
 地面にうつ伏せに倒れたヤンゴは苦痛の絶叫を上げ、灼熱の鉄板で焼かれるかのように手足をのたうたせたかと思うと、口、鼻、耳、目から同時に黒い血を噴き出して死んだ。
「この大罪人め、我が兄弟をやりおったな!」
 鍛冶屋の長がコルウスに斬りかかった。長はすでに数頭の獣を地下へ葬った後で、全身、血と硫黄の臭気とにまみれていた。
 コルウスは死者への嘲笑を顔に刻んだまま身をひるがえしてブルクット族の剣を逃れた。
「よしな、よしな。まわりを見てみろ。残っているのは、あんたとあの若いのとココだけじゃねえか。どうせ死ぬなら故郷の村へ帰って心安らかに死ぬがいいぜ」
 コルウスの言うのは事実だった。すでに遊撃隊のほとんど全てが闇の獣に引き裂かれ、地に倒れ伏していた。
「お前はその身体だけでなく魂まで腐っているようだな。ブルクット族の血にかけて一歩も退かぬぞ!」
 鍛冶屋の長は部族の流儀によって剣先で横8の字を描いた。コルウスはそれを嘲笑うかのように無秩序かつ気まぐれな流儀で剣を揺らした。
 ブルーノが鍛冶屋の長を助けに駆け寄ったが、長はコルウスから目を離さぬまま若者の身体を押しやった。
「済まぬが手を出さんでくれ。これは王国の戦に違いないが、我が部族の戦でもある。血で血を洗う同族の誇りをかけた戦いなのだ」
 屈強な巨体を思いの外の軽やかさで駆って、長はコルウスへ剣を叩き込んだ。一合、二合と斬り結び、鍔迫り合いとなって同族の二人は剣を境ににらみ合った。
「コルウスよ、偉大なる勇者の愚劣なる鬼っ子よ。お前の今の姿を見たら、セレチェンとて、もはやお前を我が子とは認めぬであろう」
 それまで嘲りの色を浮かべていたコルウスの目に闇が湧き上がってきた。
「父だと、子だと。そんなものは俺には何の意味もねえ。俺は自由だ。この世のあらゆるものから自由なんだ。部族からも、王国からも、精霊や神々からも。それに、生と死からも」
 コルウスの剣がまとう闇が凍てつく闇夜よりも濃い暗黒に沈んだかと思うと、長の剣へ蛇のように絡みついた。
 長は驚きの表情で剣を引こうとしたが、二つの剣は凍りついたかのように離れなかった。それどころか柄から手を離すこともできないのだ。
「腐り果てた鬼っ子め、邪悪な魔法まで使いおるか!」
 コルウスの目に嘲りの色が蘇ってきた。その嘲りは死者だけでなく生者にも向けられていた。すなわち、この世の全てへの嘲りだった。
「魔法と呼びたきゃ、そう呼ぶがいいぜ。俺には見えるんだ。死霊がうじゃうじゃ集まってきている。王の血脈に精霊が慕い寄るように俺のまわりには行き場を失った哀れな魂が集まってきているんだ」
 長は全身を金縛りに硬直させていた。身体の内側から氷のように冷たいものが突き上げてくる。鍛冶屋の屈強な巨体は震えおののいていた。
 コルウスは片手で剣を握ったまま、もう片手で長の首をつかんだ。その指先には尖った爪があった。こんなものはココにも見覚えがなかった。黒い目の狼の爪に似ている。
 爪がかしらの首にめり込み、鮮血が流れた。うめき声を上げて長は頭をのけぞらせた。
 とっさにココが雷撃を放ったが、コルウスはそれをまともに受けてビクともしなかった。関節の外れた指では満足に印を結ぶことはできない。
「ココよ、お前、だいぶ弱っているようだぜ。無理すんな。すぐに俺が介抱してやるからよ」
 長の顔色はどす黒く変わってきた。口を開いて息をしようとするが、できない。
「やめろ、この化け物め!」
 ブルーノが身体ごとぶつかるように突進して、コルウスの脇腹へ剣を突き立てた。刀身はコルウスの胴体を貫き反対側に剣先が突き出した。しかし、血は一滴も流れはしなかった。
 コルウスは横目でブルーノを見て言った。
「若いの、俺を何だと思ってるんだ。俺はもう偽闇の王じゃねえ。俺こそが真の闇の王。いや、正真正銘、この世の王なんだぜ!」
 突き立てた剣を引き抜いたブルーノはよろめくように後ずさった。剣は凍りつき、そのために柄を握る手は一瞬で火傷を負ったように凍傷を起こした。
 コルウスのあざけり笑いがひときわ暗さを増した。
「同族の民よ、王に殺される誉れを味わいやがれ」
 爪が深く長の首にめり込んだ。喉の奥からヒュウとどこか遠くを風が吹き抜けるような音がして鍛冶屋の巨体から命が消えた。
 コルウスが手を離すと、長の巨体は地にくずおれ、どさりと重い音をさせた。精魂込めて鍛えた剣も粉々に砕け、まるで灰のように死骸の上に降り注いだ。後に残ったのは闇をまとった剣のみだ。
 コルウスはブルーノを振り返り、その後ろにいるココへ露骨な欲情に満ちた目配せをして見せた。
 ブルーノは凍傷のできた両手で剣を握り、ココを背中にかばうようにした。
「やりやがったな、この野郎。てめえなんかが王のわけがあるかよ。ただの血に飢えた化け物じゃねえか。ごたいそうなこと抜かすんじゃねえ!」
 ブルーノの声は震えていた。ココはブルーノの肩につかまって立っている。
「ココよ、ここはひとまず逃げるしかねえ。あれが聞こえるか、城門はもうすぐ開きそうだぜ」
 破城槌の音は一段と大きく響いて来た。王国軍のものらしき鬨の声さえ聞こえてくる。
「味方の軍勢と合流するんだ。ココ、お前、走れるか」
 ココがうなずくと、ブルーノは片手でココの手を握って逃げにかかった。
 それを見たコルウスはとっさに鴉に化身し、二人が逃げる鼻先へ飛んで、すぐさま元の姿に戻った。
 立ち塞がられてココとブルーノは別の方向へ逃げ出したが、そこへもコルウスは先回りして行かせはしない。
「ココよ、お前はそんな野郎と一緒に行くつもりなのか。俺のところへ戻ってこい」
 コルウスはまた逃げようとするブルーノに向かって軽くかぶりを振って見せた。
「よせよ、若いの。他人の女を取るなんざ野暮なこったぜ。ココをこっちへよこせ。そうしたら、お前だけは殺さないでおいてやる。いや、お前を俺の道化に取り立ててやってもいいぜ。王には王妃と道化が付き物なんだからよ」
 もはや逃げられないと感じたブルーノは決死の勢いでコルウスへ斬りかかった。
「おっと、物わかりの悪い野郎だ」
 コルウスは軽く剣を振ってブルーノの攻撃をかわした。ブルーノは諦めず、二度、三度と突進を試みた。
 ココもブルーノを助けようとしたが、身体の芯が萎えていて印を結ぶことすらできなかった。立っていることもできなくなって、その場へ座り込んでしまう始末だ。
 コルウスの乾いた笑い声があたりに響いた。
「若いの、まだやる気か。俺は女さえ取り戻せばそれでいいんだ。お前なんぞ、どっかへ行っちまえ」
 身体をのけぞらせて笑うコルウスへブルーノは絞り出すような怒声とともに頭上高く剣を振りかざした。
 その時、コルウスはとっさに髪をかき上げ、闇の目をむき出しにした。
 ブルーノは目に見えぬ矢に射抜かれたように全身を硬直させた。頭上の剣がブルブル震えている。
「どうだ、これで聞き分けがよくなったか。お前が斬らなくちゃならないのは後ろにいる女だぜ」
 コルウスの突き刺すような笑い声とともに、ブルーノの目の色は混沌たる闇に沈んでいった。
 その身体が操り人形のようにぎこちなく動いて剣はココの方へ向けられた。その足もココの方へじりじりと迫っていく。
「やめな、ブルーノ。気をしっかり持つんだよ!」
 ココは地面にうずくまったまま後ずさりするしかなかった。
 またも、コルウスの笑い声が響き渡った。
「ココよ、そいつを魔法で殺っちまいな。そのくらいの力は残ってるだろう。でないと、お前が斬られるぜ」
 コルウスは二人に殺し合いをさせることに毒々しいまでの快感を覚えていた。ココを取り戻すという目的すら忘れかけているほどだ。それは愛でもなく、嫉妬でもなく、憎しみですらなかった。それは呪いだった。この世のあらゆるものを否定し尽くしてやまない呪いだった。
 ブルーノはまばたきもしない目で空中をにらみ、高く剣をかかげて、逃げるココへと近づいていった。
 ココが立ち上がろうとして、また、その場にうずくまってしまった時、ブルーノの全身が激しく震え始めた。剣を握る手に力がこもり、指の間から血がこぼれ出た。
 ココはどす黒く変わったブルーノの顔を見上げた。ギラつく剣の向こうに抜けるような青空が見えた。
 ブルーノの唇がわななき、その喉から泣き叫ぶような声がほとばしった。
「ココっ……に、逃げろ!」
 絶叫したブルーノは剣を握り直し、自分で自分の腹に突き立てた。傷口から真っ赤な血を噴き出させながらブルーノは膝からくずおれるように倒れて死んだ。
 狂気と戦ったブルーノはついに自害することでココを助けたのだった。
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