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第百四十六章

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第百四十六章

 クランとミアレ姫、警備隊長に背負われた老シャーマンは揺れる坑道を駆け抜け、ようやく鉱山から逃げ出した。
 監督官宿舎の前庭あたりで振り返ると、巨大な満月が夜空にかかって、鉱山は険しく尖った三角形のシルエットを成していた。
 鉱山だけでなく、すでにこのあたりの地面も低い唸りとともに揺れていた。
 山を取り巻く螺旋状の道にはたくさんの松明が行き交って、ざわめき、どよめく声が響いてくる。
「何だこの騒ぎは。いったい何が起こったんだ」
 宿舎から飛び出してきた監督官はブカブカの寝巻きの上に制服の上着を羽織って右往左往していた。
 警備隊長は老シャーマンを背中から下ろしてクランたちに託すと、監督官に向かって怒鳴った。
「龍が目覚めたんだ。早く、総員退去の鐘を鳴らせ」
「何だって。ジルコン様はどこにいらっしゃるんだ。それに、リンチ様も地下へ行かれたようだったが」
「そんなことはどうだっていい。このままじゃ、坑道にいる奴らはみんな生き埋めになっちまうぞ」
 地鳴りの音はしだいに高まっていくようだった。坑道ではすでに落盤が起こり始めているに違いない。
 監督官は慌てて宿舎へ駆け戻った。すぐに鐘が鳴り始めた。小刻みに甲高く急を告げる鐘だ。
 警備隊長はクランたちへ、俺は行くぜと告げた。
 ミアレ姫に抱かれて立っていた老シャーマンがそれを止めた。
「やめよ、山は崩れるぞ。あの山はもう卵の殻のように脆くなっておる」
「そんなことは分かってるさ。だが一人でも多く坑道から連れ出さなくちゃ。そのためにあれやこれやと動き回ってきたんだからな」
 警備隊長は鉱山への道を走り去っていった。
 宿舎で眠っていた鉱夫たちは何が起こったのかと前庭へ出てきた。月の光に青ざめた無数の顔が怯えた群衆を成していた。
「いったいどうしたんだ、この揺れと地鳴りは。地震か」
「地震にしちゃあ、長過ぎるだろう」
「落盤がある時はこんな音がするけどね」
「それにしたってこんなものすごい音はしねえさ。まるで、この世の終わりみてえだが……」
 突然、夜空に何かが爆発するような音が轟いた。見上げると、山の輪郭を突き破って龍のシルエットが満月の光の中に現れた。まるで噴火する火山と巨大な噴煙を見るようだった。
 あまりにも巨大な光景に人々の目には時の経過が遅くなったかのように見えた。世界が畏怖に震え上がり、絶望の予感に立ちすくんだ。
 黒水晶の龍の胴体は月光の中を空高く伸び上がり、うねりくねって螺旋を描いた。
 その胴体には鋼鉄の鎖がからまり扇動された暴徒たちがしがみついていた。龍が身をよじると暴徒たちは振り落とされ、空中に手足を泳がせながら崩れ落ちる鉱山とともに地の底へ落ちていった。
「見ろ、コルウスだ!」
 クランが叫んだ。龍の首の後ろに突き立てた闇の剣にコルウスがしがみついていた。両足を鱗にかけて、さながら龍の操縦手のように見えた。
 龍はすでにその全身を空中に現していた。月光をさえぎる龍の姿は青く光る満月の表面に黒く禍々しいひび割れが走ったようだ。
 月の光の中で演じられる不吉な暗示そのままに、地上では鉱山が崩壊しつつあった。無数に掘られた坑道が次々に落盤を起こし、山はその内側へ向かって崩れ落ちていった。
 その光景の恐ろしさに監督官宿舎の前庭に集まった鉱夫たちからは絶望の悲鳴とどよめきが上がった。
 危機一髪、脱出に成功した少数の者たちだけが道を転げるように駆け下ってきた。彼らは仲間の顔を見るなり、その手の中に倒れ込み、粉塵に汚れた顔を涙に濡らして泣き出した。残りの者たちはみな死んだに違いなかった。
 総員退去の鐘は虚しく連打されていた。鉱山が崩壊する衝撃で足元の地面は揺れ止まず、鉱夫たちはしだいに浮足立ち、騒ぎ始めた。
 黒水晶の龍が一声大きく絶叫した。夜気を引き裂くその叫びは群衆を一気に恐慌状態へ陥れた。
「逃げろ、みんな逃げるんだ!」
「ここは地獄だ。こんなことなら王都で家族と死んじまえばよかった」
「冗談じゃない。こんなとこで死んでたまるかい」
 また龍の絶叫が聞こえた。見ると、龍は速度を上げてこちらへ向かって来るようだった。
 闇をたたえた一つ目が黒い満月となって群衆の頭上に迫った。その首の上には突き立てた剣を両手で握り、両足を踏ん張って立っているコルウスの姿があった。
 コルウスが剣を身体ごとグイと傾けると、龍の顎が大きく開いて、夜空よりもなお深々と黒い『炎』がほとばしった。
 逃げ惑う者たちへ黒い『炎』が襲いかかった。『炎』に包まれた者たちは一瞬で凍りつき、次の瞬間には粉々に砕け散って、きらめく石英の砂粒のように地面に吸われて消えた。
 それを、炎と呼ぶことができただろうか。それは光でなく闇でできていた。しかし、それは、炎のような揺らめく舌を持って、あらゆる物を原初の粒子に還元していくのだった。
 群衆の一部は監督官宿舎へ逃げ込もうとしたが、すでに扉は閉じられていた。彼らは怒り狂って扉を押し破り、喚き声を上げて足音高く乱入した。
 乱打されていた鐘が急に静かになったかと思うと、群衆に担がれた監督官が二階の窓から逆さまに突き落とされた。監督官は悲鳴を上げる間もなく地面に叩きつけられ首を折って死んだ。
 まるで、それに賛成だとでも言うように龍の絶叫が夜空に響き渡った。暴れまわる龍とコルウスのシルエットは何度も満月を横切った。鎖にしがみ付いていた暴徒は、すでにみな振り落とされていた。
 クランは一心にいにしえの言葉を朗唱していた。胸にある鏡にはなぜか光がなかった。加護を得ているはずの龍たちに今こそ救いを求める時だ。どうして答えぬのか。
 ミアレ姫は老シャーマンを支えて立っていた。王の血脈の厳かさはゆるぎない。黒水晶の龍もコルウスも精霊の繁き者を避けることだろう。
 とうとうクランは朗唱の流れを破り、しわがれた声で叫んだ。
「なぜだ、なぜ答えない!」
 老シャーマンがクランを一喝した。
「うろたえるでない、イーグル・アイよ。ここは時のしからしむるところに任せるのみ。シャーマンの力はおのれの内にあるのではない。来たり去る時の中にあるのだ。おのれを虚しくしてその時を待て」
 いまだ時が来ていない、老シャーマンの言うのはそういうことだった。
 クランは喉の奥にくすぶる火のような痛みを覚えていた。
 夜空には狂いまわる黒水晶の龍と闇の道化の姿がある。この二頭の獣はあたり一帯を闇の炎で焼き尽くした。
 やがて、鉱山町を破壊し尽くしたと見たか、漆黒の龍は身をよじって高く舞い上がり、夜空の暗黒に溶け込むように、どこへともなく姿を消した。最後の絶叫は特にすさまじく地上の者たちの耳を圧して轟き渡った。
 鉱山は完全に崩壊した。
 鉱山町の建物は粉々に砕けて、その破片は霧か粉塵のように宙を舞い、月の光に半透明にたなびいて見えた。まるで見えない炎で炎上しているようなありさまだった。
 特に山のあった場所はもはや跡形もなく、巨大な空気のゆらめきばかりが夜空へ立ち昇って、満月の輪郭をおぼろに見せていた。
 山へ行っていた警備隊長が戻ってきた。全身、泥と砂ときらめく粉塵にまみれていた。制服の二の腕のところが裂けて怪我をしている。
「ここはもうだめだ。鉱山も落盤どころか山ごとぶっ潰れちまって手のつけようがない」
 ちょうどそこへ一台の馬車が駆け込んできた。見覚えのあるゲッティの馬車だった。
 馬車には警備隊長から連絡を受けていたカラゲル、ユーグ、ゲッティの三人が乗っていた。屋根や後部の荷台にはブンド族たちがしがみついていた。
 もっと早く着くべきだったが、隊長からの連絡にも、ことが始まる正確な時刻は不明となっていた。追われる身、かくまわれる身である一行は様子を見ながら馬車を進めていたが、あの轟音と絶叫とを耳にして全速力で駆けつけたのだった。
 ユーグは飛び出すように馬車を降りるとミアレ姫に駆け寄った。
「おお、姫さま、よくぞご無事で」
 姫は悲しげな表情でかつて鉱山のあったあたりを見上げた。
「無事どころではありません。あの鉱山でどれだけの人が亡くなったことか……」
 カラゲルは警備隊長の手当をしているクランに声をかけた。
「おい、クランよ。お前は怪我はないだろうな」
「私は大丈夫だ。ちょっと、ここのところを持っていてくれ」
 クランはカラゲルに血まみれのシャツの端を持たせて腰の革袋にある薬草の軟膏を取り出した。傷は鋭い刃物で斬りつけられたように見えたが、隊長は頭上から降り注ぐ水晶の破片にやられたのだと言った。
 片袖脱いで二の腕を差し出している隊長はクランが傷口に触れるたび顔をしかめた。カラゲルが見ていてもクランの手つきはおぼつかないものだった。
 いつの間にか背後に来ていた老シャーマンが見かねて言った。
「ええい手際の悪い。私がやろう。イーグル・アイは王の血脈のところへ行っておれ」
 クランは驚いて尋ねた。
「あなたは大丈夫なのか、シャーマンよ」
「我が部族の民が来てくれたのでな、いくらか気分も良くなった。まだ、もう少しはお前を助けることもできるぞ……なんだ、こんなものを使って……」
 老シャーマンはクランが塗りたくった軟膏を取り除くと、やはり腰の革袋から薬草の粉末を取り出し、それをつまんだ指先にフッと息を吹きかけてから傷口にまぶした。
 クランの使った薬が間違っていたらしいと知った警備隊長はカラゲルと顔を見合わせて苦笑いした。あたりを取り巻いていたブンド族からもくすくす笑いが起こった。
 ばつが悪くなったクランは人垣を抜けて、その場を去った。腰の革袋をのぞき込んで小首をかしげるイーグル・アイだ。
 老シャーマンは手際よく包帯をしてやると、隊長へ背負ってくれた礼を言った。
「世話になったな。私などは枯れ木のようなものでそう重くもなかろうが、それでも面倒をかけた」
「なあに、お互いさまだ。シャーマンよ、こうして命拾いしたからには俺はまだ精霊に見放されていないってことだな」
 老シャーマンは隊長の目にじっと見入ると静かにうなずいた。
「お前はおのれの魂の命ずるところに従っておればよい。お前は多くの地を経巡ってきた者のようだ。お前の魂は真実を求め、虚偽を憎んでおる。危地に陥ることもあるだろうが、惨めな死にざまをさらすようなことだけは決してない」
 隊長はまた苦笑いした。イーグル・アイといい、この老シャーマンといい、シャーマンというのはまったく奇妙なものだ。
「死にざまの話とは気が早いぜ。俺はもうちょっと長生きしたいんだ」
 老シャーマンは隊長の肩に手を置いて笑った。
「行け。行って王の血脈とイーグル・アイを助けるのだ、戦士よ」
 怪我人は警備隊長だけではなかった。
 監督官宿舎の前庭には多くの難民鉱夫が集まっていたが、そこへは続々と負傷した鉱夫や技師が運び込まれてきた。もっとも数はそう多くはなかった。鉱山の崩壊に巻き込まれた者たちのほとんどは一瞬でその下敷きになってしまったからだ。そうした者たちを救うことはもはや不可能だった。
 鉱山にたった一人の医師とミアレ姫やユーグは手分けして怪我人を世話していた。
 ゲッティは馬車に食糧を積んできていたが、全員に行き渡る量ではなかった。ゲッティはしかし、こんなことで途方に暮れるような男ではなかった。
 顔見知りで、いまや族長側についていると分かっている警備隊長を呼び寄せたゲッティは何事か頼んでいるようだった。
 警備隊長はうなずくと、馬車の屋根によじ登ってあたりにいる鉱夫たちへ呼びかけた。
「みんな、聞いてくれ。もうここにいてもできることは何もない。夜が明けたら常民街のはずれ、ゲッティの屋敷へ行くんだ。しばらくは商館に天幕を張って暮らすことにしよう。俺がみんなを連れて行く。もう、こんな制服とはおさらばだ」
 警備隊長は怪我をした片袖を脱いで、制服の上着を肩にかけていたが、それを脱ぎ捨てた。
 鉱夫たちからは賛同する声が上がった。鉱山の警備隊は鉱夫たちに憎まれていたが、隊長はわりに好かれていた。事なかれ主義の監督官と違い、それとなく鉱夫をかばっていたからだった。
 そこへ、カラゲルとクランに連れられて、子どもたちと若い娘たちの一団がやって来た。カラゲルとクランは破壊された鉱山町を調べてまわっていて、この者たちを見つけたのだった。
 ミアレ姫とユーグが前庭の開いている場所へその者たちを導いた。その中に自分の子どもを見つけて駆け寄る鉱夫が何人もいた。
「向こうの岩山の洞窟にいたんだ。何だってあんなところに」
 カラゲルは鉱山町のはずれの方を指さして言った。
 塵芥置き場の奥に頑丈な鉄製の門があるのを見つけたカラゲルとクランは鍵を叩き壊して中へ入った。そこでこの子どもたち、娘たちを見つけたのだという。
 ゲッティが身を寄せ合っている小さい者たちを見ながら言った。
「奴隷に売られるところだったのでしょう。おそらくは長老リンチの手で帝国へ」
 その子たちの何人かは家族と再会できたが、あたりを見回しても身寄りのものを見出すことのできない子の方がずっと多かった。
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