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第百四十四章

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第百四十四章

 龍の大空洞は厳かなまでに静まり返っていた。
 長老ジルコンはひときわ豪華な漆黒の長衣を身にまとい、金の縁取りのある襟元から爬虫類めいた筋張った両手をのぞかせていた。
 その後ろには、メル族長老リンチも控えていた。リンチもまた礼服めいた装束をまとっているところを見ると、この長老たちは今日のこのことを祝うべき何かだと考えているらしかった。
 しかし、さらにその後ろには武装した兵がものものしく整列していた。中には金属の鎧を光らせている兵士もいる。その剣や槍はあの部族戦争の時の血生臭い砂ぼこりを思い出させた。軍師バレルも杖にすがって立っていた。
 王宮の作法で王の血脈へひざまずいたジルコンへ、ミアレ姫は険しい目を向けた。
「長老よ、今ならこのような大それたこと、止めることができます。思いとどまる気はありませんか」
 ジルコンは顔を上げ、筋張った手で斜め上方を指し示した。
「王の血脈よ、ご安心あれ。あの輝く鋼鉄の檻を、鋼の鎖をご覧ください。龍の鱗よりもなお強く光を放っております。いかなる獣、怪物といえど、カナ族の知恵と技とに敵うものなどありませぬ」
 うねりくねる黒水晶の龍を取り巻くようにトンネル状の鋼鉄の檻が作られていた。なるほど、その鋼材の輝き、技師たちによって考えられた複雑極まりない構造、硬度の高い巨大結晶へ打ち込まれた土台や金具の強度、ほんの数日でしつらえられたとは思えぬ強固な作りだ。カナ族技師の技術の高さはまぎれもなかった。
 そして、龍の胴体には篝火に輝く鋼鉄で作られた太い鎖がからみついていた。手足、首の付け根、胴体の中ほどにはそれぞれ獣の首輪のような巨大な鉄の輪がはめられていた。鎖の端は龍を取り巻く水晶の巨大結晶に楔を打って繋いである。
 満足げに薄笑いを浮かべているジルコンへミアレ姫は言った。
「龍は獣や怪物で片付けられるようなものではありません。あれは半ば精霊の者。それを人の力で繋いでおけるものでしょうか。長老よ、賢明なるべき者よ。我が父シュメル王の轍を踏まぬよう思いとどまるのです」
 シュメル王の名を聞いたジルコンは反射的に目を伏せたが、すぐに濁った黒目を上向け、口の端を吊り上げて笑った。
「どうか、ご心配めさるな。たとえ王都がこの地へ遷都されるとしても王の血脈の威信は失われぬことでしょう。王の血脈は鋼の宮殿で永遠に守られるであろうことを保証いたします」
 ミアレ姫の瞳に長旅を共にしたクランすら見たことのない怒りの炎が燃え上がった。震える唇から言葉が出るより早く、老シャーマンが警備隊長の背中からしわがれた声を上げた。
「ならば傲慢の報いを受けるがいい。お前の身も心も、このカナ族の土地の如く、穢れ、渇き、荒れ野と化すであろう!」
 それまでひざまずいた姿勢でいたジルコンはすっくと立ち上がり、憎しみに満ちた目とともに老シャーマンへ指を突きつけた。
「とうとう正体を現したな。我が部族の民に呪いをかけようというのか。世に迷信をまきちらすエセ呪術師め!」
 ミアレ姫は早くも怒りの発作を静め、大声を上げる長老を冷たく横目で見た。
「いいえ、これは呪いではありません。予言でしょう」
 ジルコンは無礼を顧みず王の血脈の非難する視線をまともに見返した。
「私は予言など信じぬ。運命も、精霊も、神々もまた。私が信じるのは力と物質のみだ!」
 沈黙を守っていたクランが言った。
「お前は力と言い、物質と言うが、それらについて考えてみたことがあるのか。それらが生まれ出る第一の泉について」
 ジルコンはミアレ姫を押しのけるようにしてクランの前へ歩み寄った。
「そんな理屈はどうでもよい。イーグル・アイよ、お前自身の存在が迷信の最たるものだとしても、それもまたどうでもよいことだ。さあ、ここに龍を目覚めさせる鍵がある。お前の力をもって龍を蘇らせるのだ。さもなくば迷信ではない災厄がお前たちの頭上に降りかかることになるぞ」
 シャーマンへの敬意は初めからなかったろうが、ついに王の血脈へのうわべだけの敬意さえかなぐり捨てて、ジルコンはクランに龍の蘇生を強要した。
 クランはもう何も言わず、ジルコンの手から耳の根舌の根を受け取って龍の方へ向かって行った。
 龍の周囲にはいまだにたくさんの足場がかけられていた。いやむしろ、鎖と檻を取り付ける作業のために新たな足場が追加され、多くの松明と篝火も追加されていた。
 漆黒の龍の身体を取り巻くそれらの構造物は、まさに地底にそびえる闇の塔とでも呼ばれるべきものだった。
 クランは足場を登った。龍の胴体の半ばあたりまで登って下を見ると、地上からジルコンたちがこちらを見上げているのが小さく見えた。
 クランは龍の胴体、その黒水晶の鱗に見入った。檻で隔てられているので少し距離があるが、胴体が大きく湾曲して檻に近づいているあたりだ。手を伸ばせば届かないこともない。
 龍は我が身体が鎖で縛められ、檻に閉じ込められていることを知っているのだろうか。半透明の鱗の奥にたたえられた闇、そこにゆらめくいにしえの言葉の動きは、あの夜会の時よりも激しく無秩序であるように見えた。
 あの時はミアレ姫の精霊の火を求めたが、今は鍵となる耳の根舌の根がある。精霊の火がなくとも、龍がたたえる闇がそれに答えるであろう。
 クランは懐から扇形の薄片を取り出した。波打つように光が明滅している。龍の胴体に近づけると、その明滅はいっそう速く脈打つように激しさを増した。
 黒水晶の鱗の奥でそれに同調するように、いにしえの言葉が渦巻いた。それらの浮遊する文字の群れは、まったくの混沌と見えたが、やがて、ある秩序を持ち始めたようだった。
 いにしえの言葉の朗唱がクランの口をついて出た。クランにはそれらの朗唱を記憶していたという意識はなかった。シャーマンの肉体から自然に湧き上がるようにしていにしえの言葉が発声されたのだった。
 それとともに鱗の奥でいにしえの言葉が急速に文章を成し始めた。いや、もしかするとそれはイーグル・アイの心の奥で起こっていることを鱗の奥の闇に投影していただけなのかもしれない。
 イーグル・アイはしだいに龍と一つになっていく自分を感じた。しかし、そこには、まだ強い抵抗があるようだった。いにしえの言葉は絶え間なく湧き上がってきた。いにしえの言葉のより古い層へ下っていくようだ。しだいに言葉は形を変え、最も古いシャーマンの記憶へ向かっていく。
 イーグル・アイは龍の胴体に沿って足場をさらに高くよじ登って行った。高く高くと登って行って、地上から見守っている者たちには危険とすら見えるあたりまで上がっていく。
 龍の檻を作るためにしつらえられた足場はさながら大樹の枝のように交差し合っていた。支柱と筋交いと踏み板がそれぞれ支え合ってかすかなきしみ音をさせている。
 絶え間なくいにしえの言葉を朗唱するうち、ついに記憶は龍の蘇生の物語へとたどり着いた。その最初の発音へさかのぼると同時に、イーグル・アイは、その場所へたどり着いた。
 そこは龍の首のあたりだった。巨大な鋼鉄の首輪が檻の格子の向こうに見えた。下からはきらめいて見える鋼だが、ここからはどす黒く底光りするようだ。
 足場の端から手を伸ばしても龍の胴体には届かなかった。イーグル・アイは耳の根舌の根をひとまず懐へおさめると、檻の格子の隙間へ横向きに身体を押し込み、意を決して鋼鉄の首輪へ飛び移った。
 首輪の端に両手でぶら下がったイーグル・アイは龍の顎の下へ移動した。そのあたりへ来ると、ちょうど鎖が下がっていて足がかりにすることができた。
 懐から耳の根舌の根を取り出すと扇形の薄片はひときわ早く光を脈打たせた。漆黒の鱗の奥でもそれに応える気配がある。
 イーグル・アイはいにしえの言葉が教える物語のままに龍の顎の下を青い目で探った。
 龍の鱗は巨大だが、ちょうど喉に当たるあたりは首と胴のつなぎ目であるせいか、鱗は小さくなっていた。その真中に一つだけ逆さに生えた鱗があった。他の鱗と違って扇形をしている。大きさは違うが、耳の根舌の根と相似形を成しているのが分かった。
 イーグル・アイは鎖の輪に足をかけ、身体を伸び上がらせて扇形の薄片をその鱗の裏側へ差し込もうとした。一度目は手が届かず、二度目にやっと鱗に手が届いた。しかし、まだ差し込むことはできなかった。
 つかまっている首輪から滑り落ちそうになって下を見ると、うねりくねる龍の胴体越しに大空洞の地面が見えた。そこにはこちらを見上げている人々が豆粒のように見えた。自分が高い場所にいるというより奈落の底をのぞき込んでいるように感じる。
 耳元近く、いにしえの言葉の朗唱が聞こえた。
 これは、その底にいるはずの老シャーマンによるものだった。老シャーマンは地にうずくまり低くつぶやくように朗唱していたが、それが、あたかもすぐそばにいるように聞こえているのだった。朗唱はイーグル・アイへの精霊の加護を求めていた。
 鋼鉄の首輪にしがみつき直したイーグル・アイの頬のあたりや耳たぶをかすめて風のような精霊の気配があった。地の底にあって、このような精霊の気配があるのは精霊の繁き者、王の血脈がこの場所に立ち会っているからだ。
 すなわち、イーグル・アイ、王の血脈、老シャーマンの三者がここに集っているのは、時のしからしむるところだったのだ。
 三度目、思い切って手を伸ばすと、耳の根舌の根は吸い込まれるように相似形の鱗の下へ差し込まれた。
 逆向きの鱗は内側から白熱するように光を発した。大空洞の空気が震え出し、まわりを取り囲む檻と足場もそれに共鳴するようにカタカタと音をさせ始めた。
 慌てて首輪を伝って移動し、檻の格子へ飛びついた時、重苦しい唸るような音が大空洞に充満した。その音はしだいに高まり、鼓膜が圧迫されるようになって頭の芯にまで響いてきた。
 格子をすり抜け、元の足場の支柱にしがみついて振り返ると、黒水晶の鱗が息づくように揺れているのが見えた。龍がわずかに身じろぎすると、それを取り巻く檻と足場が大きく揺れた。
 イーグル・アイは胸の鏡に手を当て、いにしえの言葉を朗唱した。しかし、龍が答える様子はなかった。鏡の中の光も影を潜めていた。
「どうして答えないのだ。龍よ、答えよ。いにしえの言葉に答えよ!」
 龍は大きな唸り声を上げた。それは、いにしえの言葉への答えではなかった。
 怒れる獣のうめきだった。
 大空洞の空気が震えて水晶の巨大結晶が一斉に共鳴し始めた。それは耳をつんざくような甲高い音で危うく気が遠くなりかけたほどだった。
 足元の踏み板が突然、二つに割れて、クランは一段下の足場に転げ落ちた。もうこれ以上、ここに留まることはできない。
 文字通り転がるようにして、やっとの思いで足場を駆け下りると、そこには長老ジルコンが大きく両手を広げ、恍惚とした表情で龍を見上げていた。
「おお、何という輝き、何という力だ。龍よ、いにしえの龍よ。いまや私はお前の限りなき力を我が手に握ったぞ。その鋼鉄の鎖、引きちぎれるものなら引きちぎってみよ。その鋼鉄の檻、破れるものなら破ってみよ!」
 黒水晶の龍は雷のように鎖を鳴らして身をよじった。鋼の首輪は頑丈でびくともしない様子だ。鋼鉄の檻も今のところ揺るぎなく、その構造を保っている。ジルコンのもくろみ通り龍は鋼鉄の力によって組み伏せられたかと見えた。
 老シャーマンが地から顔を上げ震え声を張り上げた。
「長老よ、驕るでないぞ。龍はやっと目を覚ましたばかりに過ぎぬ!」
 ジルコンはシャーマンの忠告に耳を傾けようとはしなかった。深く皺を刻んだ顔に酔ったような笑みを浮かべ、龍を見上げながら、そちらへ近づいていく。
 その場に立ち会っていたもう一人の長老リンチは、ジルコンよりは冷静だった。龍はどうやら怒り狂っているようだ。何が起こってもおかしくはない。リンチはジルコンと反対にじりじりと龍から後ずさっていった。
 龍がひときわ大きく唸り声を上げた時、それとは別の喚き声の波が大空洞になだれ込んで来た。
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