地の果ての国 イーグル・アイ・サーガ

オノゴロ

文字の大きさ
上 下
38 / 206

第三十八章

しおりを挟む
第三十八章

 族長ウルとミウナは息子カラゲルの旅立ちを許した。
 ブルクット族は長老を欠き、族長も元気を取り戻してはいたが病みあがりだった。部族の民の間には族長の息子が村を留守にすることに懸念の声もあったが、族長が許したのならば従うまでのことだった。
「今は我が部族のことより王国のことを考えるべきだろう。私はカラゲルが王国に尽くそうというのを止めはしない。いや、むしろ、今こそ旅立つべき時だろう」
 ウルの言葉にミウナも賛成した。もうウルは昼間から床に就くこともなくなっていた。稲妻の刺青に生気が戻ってきていた。
「カラゲル、あなたは私の子だけれど、ブルクット族の子たちは皆、王国の大地の子だよ。王国の大地のためにその命を捧げるのは当然のことだ」
 そう言うミウナの目には涙がたまっていた。カラゲルは母の顔を見つめながら言った。
「うむ。しかし、俺もそう簡単に命を投げ出すつもりはない。ここぞという時は別だがな。そうだ、長旅になるだろうから帰って来た時には嫁を連れているかもしれないぞ」
 ミウナは呆れたような顔に笑みを浮かべた。
「馬鹿なことを言って。ブルクット族の男なんか女に好かれないものと相場が決まってる。旅の間にユーグ様に礼儀作法なんかを教えてもらうといいさ」
 カラゲルはブルクット族の男同士、父のウルと顔を見合わせ笑い声を上げた。
 カラゲル、クラン、ミアレ姫、そして、ユーグの四人は着々と旅の準備を整えていた。
 宿駅はあてにすることができなかった。食糧は多めに持つべきだったし、馬具は十分に整えておく必要があった。部族の馬屋番は四人分の馬具を新調し、大きな鞍袋や野営のための丈夫な敷布に配慮した。
 鍛冶屋たちはミアレ姫とユーグの護身用にと細身の軽い剣を持ってきた。
 ユーグは達人というほどではなかったが、なかなかの剣術使いだった。ユーグの剣技はほとんど旧友セレチェンに習ったものだった。つまり、ブルクット族の太刀筋ということだ。
 ミアレ姫に剣を持たせることにはユーグが反対だった。しかし、本人も希望し、カラゲルも勧めたので、姫は短剣を腰に差すことになった。
 同時にユーグはナビ教祭司が知る魔法印の一部をミアレ姫に教えた。もっとも、これはあくまでも護身用というつもりだった。
 野の獣を追い払うためのごくささやかな発火魔法や、ほんの一時だがそれなりに効果のある結界の張り方などだ。
「ユーグ、魔法を使うと胸の奥が熱くなるのはどうしてでしょう」
「当然のことです。魔法は精霊の力を借りるもの。人は胸を通じて精霊と繋がるものです。胸というより息と言ったほうがいいでしょうか。ですから無理をすれば息が詰まることになり、ひどい時には卒倒します。どうか、お気を付けください」
 その間、クランは薬草集めに精を出していた。
 ブンド族のシャーマンは多様な薬草知識を授けてくれていた。季節は冬で薬草集めに適しているとは言えなかったが、ふと吹き過ぎる風や鋭い鳥の鳴き声が薬草のありかを教えてくれることがあった。
 また、クランは一人で聖地を訪ねてもみた。ジャルガの勇者の弔いは成就していた。
 あの首のない精霊にもう一度会えないものかとクランは期待していたが、結局会うことはできなかった。クランは朗唱で呼びかけてみたが、返事はなかった。何かもどかしいような思いだけが残った。
 旅立ちの準備はしだいに整いつつあったが、重要な問題があった。自分たちはどこへ向かって行くべきなのかということだ。
 これはもっぱらカラゲルとユーグが話し合っていた。夜になると族長の家に男二人で集まるのだが、結論はなかなか出なかった。
 ユーグは若い頃、ナビ教祭司の修行として王国中を遍歴したことがあった。したがって王国の地理には明るいが、といって今向かうべき場所をこれと示すことはできなかった。
「いったん王都の様子を見に行ってみるのもいいが、おそらく得るものは少ないだろう。ましてや四人で王都を奪還できるわけもない」
 カラゲルは戦士の部族らしく大きな戦略を心に描いていた。
「王都奪還には王国の各部族の結束が必要だろう。いざという時が来たら招集に応じてもらい、王国の全軍が連携して闇の王へ戦いを挑むのだ」
「武力だけでどうにかできる相手ではないぞ」
「もちろん分かっている。クランとミアレ姫の力が頼りだが、実のところ俺には二人の力がどう働くものだが見当もつかない。ユーグよ、この点、そちらの方が詳しいはずだが」
 ユーグはうなずいた。
「部族の民の結集と同時に土地の精霊の結集が必要だ。つまり、各部族の聖地を浄化すること、これだ」
「なるほど。難題だな、これは」
 カラゲルは卓の上から茶碗を取り上げた。中には発酵酒が入っていた。
 ウルの病いが癒えたことでカラゲルは酒断ちを脱していた。頭の働きを良くするには適度の酒が必要だ、というのはカラゲルの勝手な意見だった。
「いっそ剣を地面に立てて倒れた方へ行ってみるか。どうだ、ユーグよ」
「馬鹿な事を。飲み過ぎじゃないのか。ミウナよ、あなたの息子は思ったより呑兵衛のようだね」
 奥から顔を出したミウナは呆れ顔で我が息子を眺めた。
「そうじゃないんですよ。この子は呑むのはのむけれど、酒に弱いんです。旅先でもあまり呑ませないようにしてやってくださいな」
 カラゲルは苦笑いを浮かべ、口の端を手の甲で拭った。
「いや、おかしいな。久し振りだから酔いのまわりが早いらしいや」
 そこへ入口の扉を叩く音が聞こえてきた。ミウナが扉を開けるとブルクット族の若者が顔を見せた。
「やあ、ミウナ。遅くに済まないが、今、旅から帰って来たところなんだ。俺の知り合いのサンペ族の者が族長に頼みがあると言っている。取り次いでもらえないか」
 若者はサンペ族に親戚があり、様子を見に彼らの土地まで行って来たのだと言った。
「そうかい。まあ、中へ入って。カラゲル、若い衆と客人にも飲み物を注いでおやり」
 カラゲルがそちらを見ると、若者の後から見覚えのある顔がのぞいた。
「おお、お前は、あのイカサマ博打の」
「ちょっと、よしてくださいよ。人聞きが悪いや」
 サンペ族の者というのはナンガだった。ナンガは笑い、カラゲルと肩を叩き合って再会を喜んだ。
 ユーグもこの男をよく覚えていた。あの王都近くの宿駅でメル族の紳士から闇の蛇を摘出した応急手術。あの手際と度胸はたいしたものだった。
「ユーグさま、よくぞご無事で。王の血脈もブルクット族の民と一緒なら安心だ」
 案内してきた若者も含めて卓は賑やかになった。ウルも奥から出てきて、皆で乾杯を交わした。
 ウルはカラゲルからナンガとのいきさつを聞くと感心したような顔をした。
「なんと、ナイフ一本でそんなことを。狩人の知恵というものはたいしたものだ。それに王都の災難に出会わずに済んだとは運もいい」
 ナンガは顔の前で手を左右に振って苦笑いした。
「いや、運がいいやら悪いやら。カラゲルさんのおかげで親父の馬は助かりましたがね、そうでなけりゃ、どこかで野垂れ死にしていますよ。まったく神々のなさることは分からないもんです」
 カラゲルはナンガに酒を注いでやりながら尋ねた。
「ところで、親父に頼みがあるというのは何だ」
「ええ、実はシャーマンを貸していただきたいので」
 聞けば、サンペ族が狩り場にしている森が濃霧に包まれて困っているという。
「それが、ただの霧じゃないんで。トナカイの乳みたいに濃い霧が、ここ二十日ほど、ずっと森に居座っているんです。これじゃ、狩りに行くこともできないし、無謀な奴が何人か霧の中に入っていったんですが、帰って来ないんです」
 ナンガは酒で口を湿らせて続きを話した。
「我が部族にとって森は自分の身体のようなものです。これが病気じゃ、やっていけない。我らの森には『翡翠の龍』という……まあ、誰も見たことはないんですが……精霊の王がいるらしいんです。きっと、その者の怒りを買ったのだろうというんですが、とにかく困っているんです」
 サンペ族の土地にはブンド族の一行が滞在していて、もちろんシャーマンもいるが、手に負えないらしかった。
「シャーマンが呼びかけても何も答える者がいないらしいんです。霧のせいで森の奥の聖地にも近づけないんですから。もっと力の強いシャーマンでなくてはと言うんですがね、ただでさえ我が部族の土地は王国の辺境で人の行き来が少ないんです。そこへ来て、こんな騒ぎですからね」
 ナンガは自分をここへ案内してくれたブルクット族の若者へ目をやった。
「この人からブルクット族の村には族長の命を救ったシャーマンがいると聞いて来たんです。その人はブルクット族だと聞きましたが本当ですか。シャーマンといえばみなブンド族だと思っていましたよ」
 ウルはカラゲルに言って、クランを呼びに行かせた。すぐにクランはやって来た。クランは今、姫やユーグと一緒に村の中に住んでいる。ミアレ姫も話の内容に興味を持って一緒に来た。
 クランの顔を見たナンガは、おやという表情になったが、その表情は驚きに変わった。
「……あなたは……あの時の鷲使いの……」
 カラゲルはニヤリと笑って言った。
「驚いただろう。俺たちも驚いたからな」
 ナンガはクランの姿をまじまじと見つめると、狩人らしい直観で何かを感じたらしかった。
「いや、シュメル王が闇の王に姿を変えられてしまうような世の中ですからね、鷲使いがシャーマンになってもおかしくはない。いや、失礼いたしました、姫さま」
 ミアレ姫は父王のことについては気にしない様子で皆と一緒の卓についた。
 シュメル王について王国内でどのような風聞が広まっているのか。これはその一端だった。
 シュメル王は死に、闇の王はその肉体をまとっているだけだが、王国の民はそれをどのように理解すべきか迷っていた。
 クランはナンガの隣に座り、もう一度、いきさつを聞いた。しかしクランにも、この事態をどのように判断すべきか分からなかった。クランはユーグに尋ねた。
「ユーグよ。サンペ族の言う、翡翠の龍とはどのようなものだ」
「サンペ族は古王国以来の暮しを守る古い部族だ。我ら王国の歴史は北の森からしだいに南の草原へと移住した人々の歴史なのだ。翡翠の龍はナビ教以前の『褐色の信仰』の中でも最も古い部類の信仰の対象だ。王国のあらゆる野生の樹木、草花に生気を与える存在だということになっている」
 ユーグのようなナビ教の徒は王国に古くから伝わる精霊や神々への信仰を『褐色の信仰』と呼び、ダファネアを主神としたナビ教を『白い信仰』と呼んだ。
 カラゲルは酔った勢いもあってか、フンと鼻で笑った。
「えらく大物じゃないか。そんなのが北の森に居座ってサンペ族の民に悪さをしているわけだ」
 ユーグはカラゲルの手から茶碗を取り上げて言った。
「そうと決まったわけではない。それに龍は精霊の王だ。部族の土地は民だけのものでなく精霊たちのものでもある。このことを忘れずにいるならば、精霊は加護を与えこそすれ、害を及ぼすことなどない。濃霧が龍のしたことだとするなら、それには理由がある」
「あるいは闇の王の仕業か……」
 クランがつぶやくように言った言葉に卓のまわりはしんと静まり返った。
 ナンガがうなずいて言った。
「実は森のまわりをうろついている怪しい奴がいるらしいんです。そいつはどこの部族の民とも知れない者です」
 カラゲルがユーグの手から茶碗を取り返し、中身をあおった。
「ユーグよ、我らの旅の行先は決まったな。北のサンペ族の土地だ。そこに何があるにせよ、行ってこの目で確かめてみよう」

 ナンガを先導に、クラン、カラゲル、ミアレ姫、ユーグの一行が旅立ったのは、それから三日後のことだった。北へ行くと聞いたミウナは彼らの衣服に毛皮の縁取りをつけた。
 大勢の部族の民が一行を見送った。ウルとミウナは息子のカラゲルと別れを惜しんだ。ジャルガの弟も顔を見せた。バレルの行方はいまだ知れなかった。
 族長ウルは馬上のクランに声をかけた。
「クランよ、我が息子を頼む。お前はブルクット族だ。まぎれもない我が部族の民だ」
 クランは青い右目で族長を見た。その腕にはオローが載っていた。
「ウルよ、お前の息子は自分の命は自分で守れる男だ。安心するといい」
 クランの顔に穏やかな笑みが浮かんだ。
「私の顔の傷は神々が私に与えた刺青だ。部族の皆の顔にあるものと変わらない。いずれにせよ、すべては運命だ。我らは運命の旅路をたどるのみ。さらばだ、友よ」
 旅の一行は街道へ乗り出した。北のサンペ族の土地まで馬で四日を要する。
 空はどこまでも青く澄んでいた。冬が来ていた。
 クランはオローを空に放った。オローはくちばしをまっすぐ北へ向けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜

平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。 だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。 流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!? 魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。 そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…? 完結済全6話

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

処理中です...