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終わりについて

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常に魅了されている
終わりに。

感情をなくしてしまえば。思考を一度でもとめてしまったら。

戻れない。がんじがらめになって抜け出せなくなる。

なにもないとはむしろ暗いより、明るい
なにもない。空虚とは。明るい。明るいというか何かに交わることなく、当たることなく、そのまま視線がなくなる。

一番初めに失った物。人への信頼
「一緒に死んでくれるか」と、言われたら。

子供の頃の僕は、感情をなくすことでしか、耐えることは出来なかった。

手に入れ始めた、多くの事柄。
正直うっとしい。もはや、価値がないもの。そこに喜びがなければ。

終わりに魅了されている。

母の死は、僕だけじゃなく、それだけならよかったが環境を破壊した。ゆりかごはなくなっていた。

子守唄はなかった。
眠れる日は子供としてあったか。

すべてを母のせいにすればいいのかもしれない。

それだけはしたくない。

僕は母がいた頃が、いまでも記憶の色の強い部分だ。

たった3,4年だとしても、永遠だった。
親というのはなんなのだろうか付属品と考えているのか。


ものではない。簡単には消えられない。
親として見られないのは肉親のその上の肉親が包丁をもち、われわれを殺そうとしていたからか。

肉親が頭を下げて、寝転がり、をだして殺せといっていたからか。

瞬間、理解した。人は孤独なんだと。
ほんとうにこの世界には自分しかないのだと。
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